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閲覧数順 2024年04月25日更新

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自死遺族の手記7 ~弟を自死で亡くしたNさん~

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自死遺族の手記 弟を自死でなくしたNさん

連載でお届けしている自死遺族の手記の第7回目となります。
「自死遺族の手記7 ~弟さんを自死で亡くしたNさん~」
この手記が書かれたのは2012年2月。弟さんを亡くされてから約2年後の気持ちが書かれています。

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明日は久しぶりに弟が最後、旅に出た現場に行くことにした。
友達がお花をあげたいから連れて行って欲しいとのことで行くことになったのだが、私は何故かあの場所が好きだ。
他の人に言うと、普通は避けるべき場所なので珍しがられる。
本当に辛い場所で、最後何度も弟が涙を流した場所だし、悲しみが渦巻いてる場所でもあるのだが、弟の好きだった場所でもあり、何よりも、弟が生きていた時の感覚に戻れることが嬉しい。

2年が過ぎた今、弟が本当にこの世に居たのだろうか。
と自分の落ち着きようにびっくりするときがある。
だから、最も弟を感じられる、あの切なくて悲しい場所に行きたくなる。

同じ遺族の方がおっしゃっていた
「悲しみもまた私のもの」
という言葉が本当にその通りだと思った。

その話に似てることなのだが、両親が久しぶりに怒鳴りあいの大喧嘩をしていた。
後悔や苦しみを沢山話しして泣きたい母親と
息子はもうあの世で頑張って楽しく生きているから悲しむものじゃない。過去を振り返るんじゃない。
と話をする父親だ。

二人とも、息子のことを想って話をしてるのは分かっているのだが、いかんせん、受け入れ方が違うが故にたまに喧嘩をする。
母親は私と同じく、ずっと話をして悲しんで、後悔をして、苦しんで、泣くことで一歩でも息子の近くに寄り添いたいのだ。
そんな母親に、父親は、「しつこい!いい加減にしろ!」のような感じで怒っていた。
しかし、このような父親だからこそこの悲しみを乗り越えられる一家の柱になってるのかなと感謝した気持ちもあった。

「どんな考え方にしろ亡くなった事で、残された遺族が揉める事が一番本人(弟)にとっては可愛そうな事なんじゃないかな。」
という事を言ってなんとか落ち着かせた。

先日ふと実家に帰ることがあった。
帰るという連絡をしないでそのまま帰ったのだが、玄関をあけると、弟の好きな音楽が流れていた。
「あれ?」と思い、部屋に入ると、父親が弟の好きな音楽を静かに繰り返し聴きながら昼寝をしていた。
父親の年齢では似合わない曲なので、あきらかに好きで聞いているような雰囲気ではない。
そんな強気な父親でも、やっぱり息子の想い出に寄り添いたいんだなぁ・・・と思いとても嬉しい気持ちになった。

父親の性格からいってあまり見られたくない光景だと思い、私はそのままそっとドアを閉めた。

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この手記を書かれたNさんこと岡田のりきさんは、それからほどなくして兄弟自死遺族の自助グループ「テルテルの会」を立ち上げ、その後、「自死遺族関係者が届ける心の支援団体 ハートストレングス」を立ち上げました。
御縁があり、現在私も「ハートストレングス」で副代表として活動させていただいています。
ハートストレングスでは、昨年から月に1回ほどサークル活動を行ってきました。
次回のサークル活動は7月下旬or8月上旬に行う予定です。
現在考えている企画を私のブログに掲載しましたので、ブログもぜひご覧ください。
http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11870834084.html

また、先日ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)団体が発行している雑誌、『季刊[ビィ]Be!』に岡田さんのインタビュー記事が掲載されました。

http://shop.a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?&view_id=1102115

「弟の自死で、僕の人生は180度変わった」↑
雑誌自体はAmazonでも購入いただけます。心理学を学んでいる方、心理系の職業をされている方に大変参考になる雑誌です。

 

 

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(東京都 / 心理カウンセラー)
フィールマインド 代表カウンセラー

感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

会社員時代にボランティアで始めた電話相談員がカウンセラーとしての原点。退職後にカウンセラー資格取得。その後労働局にてハラスメント相談員を経て現職。相談内容を特化せずどんな言葉でも【聴く】ことに焦点をあてたカウンセリングを行っています。

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