新人店長は「自分も会社の構成員」だと言う自覚を持とう - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター

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対象:人材育成

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新人店長は「自分も会社の構成員」だと言う自覚を持とう

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「会社がうるさいから、それは出来ないな~」
「それは会社が決めたことだから・・・」
「これって会社の問題だよね~」

「会社が、会社が」が、口癖のこの店長。何かにつけて、「それは会社が悪い」とか、「会社の仕組みに問題がある」という風に、ちょっとしたトラブルでもすぐに会社の問題という風に言う癖があります。癖と言うよりも、この店長の基本的な考えなのでしょう。自分と会社を対極に置いているような発言をするのです。

さて、ここで、あなたに考えて欲しいのは、「会社とは誰なのか?」と言うことなのです。そもそも「会社」とは、「同じ目的を持った資本と労力の集合体」です。決して社長だけを指しているわけではありません。しかし、多くの社員は、会社とは「社長や経営者」を指しているようです。これは大きな間違いです。「社員」もまた「会社」の構成員なのです。

中には、「本社」を指す人もいます。経理部や人事部のことを「会社」と言うのです。これも、先ほどの「会社とは社長」と思っている店長と同じで、「自分ではない他人や組織」のことを「会社」と言っているのです。これもまた、大きな間違いなのです。

この店長のように、「自分以外の他人や組織」のことを「会社」と言っている人の多くは、「自分ではこの問題を解決できない」と決めつけて、それを「自分以外の他人や組織」つまり「会社」のせいにしたいだけなのです。ただの無責任な社員なのです。

例えば、冒頭の「会社が」が、口癖の店長ですが、彼は中途入社10年のベテラン店長です。この会社は、さほど大きな会社ではないので、10年のキャリアともなるとかなりの発言力、影響力を持っています。また、業界の長い経験から、知識も経験も豊富ですので、問題点や課題について鋭く具体的に指摘することが出来るのです。「労働環境に対する考え方」や「人材育成に対する考え方」などについては、特にこだわりがあり、会議などでの発言も積極的に行います。

しかし、彼はなぜか、「問題点を指摘する」だけで終わるのです。自ら、会社の仕組みを変えてより組織に成長させるための提案や行動は取らないのです。彼に言わせれば、「それは会社の仕事であり、店長の仕事ではない」というのです。

彼の会社の社長に話を伺うと、この10年、彼には期待してきたが、この「他人事」のような発言がまったく変わらないので、本社の管理職に昇格させるのを躊躇しているというのです。そりゃあそうでしょう。他人事で仕事をするような管理職がいては困りますからね。

「自分が決めたこと」は、自分の責任なのは誰でも理解出来るでしょう。しかし、「会社の誰かが決めたこと」も自分の責任だと感じているひとは極めて少ないのです。ひとは自分がプロセスに参加していないテーマや要件は、自分には無関係と考えがちなのです。そう言うものなのです。経営者が、そうであっては欲しくないと考えていても、そうなってしまいます。でも、それには理由があるのです。

その理由とは、上司が、「自分の責任と感じて欲しい部下」に対して、十分な信頼を示さないままに、期待と責任だけを求めてしまうからなのです。お互いに信頼関係があるからこそ、部下は上司の期待に応えようとします。それが「立場の自覚」です。上司という立場は部下から信頼されていることが前提ではありません。立場はあくまでも仕組み上のものに過ぎません。お互いの信頼関係を構築しなければ、部下は、「会社」を他人としか捉えません。

部下・社員が「会社」を「自分」として捉えるようになるには、まずは、直属の上司との信頼関係を構築する事が必須なのです。経営者との「信頼関係」が構築できれば、「部下」や「社員」は安心して「会社」の中に入ってくることが出来るのです。

このお互いの「信頼」。あなたはどっちを先に位置づけていますか?
「自分が先に上司を信頼する?」もしくは、「上司が自分を先に信頼する?」どっちでしょうか?
「自分が先に上司を信頼する」には、「上司は先に部下に信頼にされる行動」が必要です。
「上司が自分を先に信頼する」には、「自分は先に上司に信頼される行動」が必要なのです。

まずは、自分から「信頼される行動」をしましょう。
相手に何かを求めるよりも、自分が先です。
そうすれば、必ずお互いの「信頼関係」は変わります。
そして、その「信頼関係」はあなたも「会社の一員」と認められることに繋がるのです。

「会社が・・・」と言う前に、あなたが「行動」をし始めましょう。

 

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