太陽光や水力など再生エネルギーは、環境にとっては有効ですが、コストや発電量を考えますと、決してわが国のエネルギーの切り札とはいきません。そこで考えて欲しいのが、わが国近海で採取できるメタンハイドレートの存在です。日本周辺には、メタンハイドレートの層が多数あって、技術的には難しいけれど、もし大量生産に成功したなら日本の国力は大幅に向上します。
まったく同じ図式で、国力を向上させた先輩がアメリカです。現在、シュールガス革命と言われほど、難しい発掘技術を駆使して、国内の地層から大量生産することを可能にしました。21世紀入って、最初の大イノベーションと言われます。産油国でありながら、大量の原油輸入に頼っていたアメリカは、シュールガスの生産によって、再び自前でエネルギーを作れる国になりつつあります。
わが国は、石炭から石油にエネルギー転換が行われて以降、外国産の原油に依存してきました。原油から原発に移行しようとしましたが、福島第一原発事故の発生によって失敗しました。全国の原発から生まれる使用済み核燃料を、何度も使用する核燃料サイクルの仕組みづくりも、増殖炉「もんじゅ」は1995年の完成以来1度も本格稼動していません。
石油エネルギーが獲得できず、八方塞りになった戦前の日本政府は対中国、対アメリカと戦争を起こしました。わが国にとって、安定的に安いエネルギーを入手することは、長年の悲願です。ここで再び、出口のない原発再開に舵を切るか、総力を挙げてメタンハイドレートによるエネルギー源を開発するのか、大きな分れ道の真っ只中に立っています。
起業的発想で考えますと、ここは厳しい道ですが、長い目で見るならばアベノミクスの第三の矢として、成長戦略の柱になる新エネルギーとして、メタンハイドレートに進むべきです。エネルギーを買うばかりでなく、自前のエネルギー開発に発想を切り替える必要があります。財政を健全化して国力を豊かにするためにも、発想を切り替えるべきです。エネルギーのピンチを、チャンスに変えるよいタイミングです。
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