「おまえ凄いね~ずいぶんと力を付けたもんだな~。たいしたもんだ。すばらしいよ。」
「ありがとうございます。でも、私はマネジャーのマネをしているだけです。」
自分の店のスタッフを全国大会で優勝させた店長。彼女の一生懸命な部下育成が実を結んだとき、彼女の上司であるマネジャーと彼女との間にこのような会話がありました。部下を認めてほめる上司。その上司の姿勢をいつも手本にして素直にその通りに実行してきた事への部下からの感謝。とても素敵なシーンでした。
彼女の上司であるマネジャーは、普段は誰からも好かれる愛すべきキャラクターですが、こと仕事となると真剣さと厳しさはこの会社で断トツの一番。ついつい声を荒げて怒鳴るシーンも珍しくはありません。普通はこのような厳しい上司だと、部下は萎縮してしまいただのイエスマンになりがちですが、このマネジャーの部下は上司に堂々と意見を言います。反論もします。時にはお互いが真っ赤な顔をさせて議論もします。それは、このマネジャーに仕事に対する真剣さと同時に人間的魅力がいつもあふれ出ているからなんだと思います。
さらに彼が素晴らしいのは、部下が困ったり行き詰まったりすると、絶対放置をせずにかといってさっさとにその仕事を奪ったりせずに、部下がゴールにたどり着けるように丁寧なアドバイスやコーチングを行います。一方的に自分の意見を押しつけたりもしないのです。だから、部下も安心して自由に自分の意見を言えるのでしょう。仕事に厳しく真剣な上司はたくさんいますが、この部下と上司の関係ほど理想的な関係はなかなか見られません。
そんな関係になると、部下は上司がなぜいつも素晴らしい結果を出すのかをよく見るようになります。自分に対する接し方からコミュニケーションの方法や仕事の進め方、基準、方向性などを学び取ろうとし始めます。そして、その方法をじっくりと見てマネをしてみようとし始めるのです。冒頭の店長もマネジャーの様子をいつも観察し仕事の仕方をマネしていました。しかも、ただマネをするだけではなく、その仕事の仕方の意味や目的を考えながらマネするので、自分のモノにしやすくなるのです。
例えば、大勢いる部下達に対する目標管理などはその典型でした。部下達は、ひとりひとり目標が違いますし、その進め方についてのこだわりや特徴が違います。また、部下それぞれに強み弱みも有り、それに対する自覚のレベルも違います。目標も1ヶ月後にゴールを迎える部下もいれば、まだ1年は掛かる部下もいます。彼女は、そんな部下達の力を最大限に引き出すために、上司であるマネジャーの、スケジュール管理方法や、強みを引き出すコーチングの質問方法をマネしていたのです。
マネをすることの一番大きな利点は、そのやり方をしている一番優秀な先生が目の前にいると言うことなのです。なので、アドバイスが受けやすいのです。優れた武道家は、達人の技を完全に身に付けるまでは、決して我流で手を加えたりはしません。完全に学び取ってからようやく自分の考えで工夫を加えていくのです。
上司のマネをしたり、上司が作った仕組みを使ったりして成果を出そうとしても、なかなかうまく成果が出ない人がいます。。それは、そのやり方を完全に身に付ける前に、自己流に変えてしまうからなのです。もちろん、成功事例を参考にしながらも自己流を築きあげて成果を出せるひともいます。でも、それは、勝手に変えているのではなく、一番肝になるところはしっかりと押さえているからなのです。それがまだ見えないうちに自己流に変えても上手くはいかないのです。
あなたの目の前には、上司や先輩やライバルがいます。その中で一番あなたのことをよく知り、あなたの成長を願っているのは「上司」です。だからこそ、自分の技や経験の肝の部分を語ってくれるのです。さあ、よく見てみましょう、上司に技を。きっとあなたが身に付けるととても成長に繋がる技をお持ちですよ。
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