「新人店長でも、店長らしくしないと誰もついてきません!なめられてちゃあ店長の仕事は出来ないんです!」
少し目を赤くした彼女は私のこう言いました。
彼女は昨日ご紹介した新人店長。前任のベテラン店長が急病で入院した後を受けて、急遽店長に抜擢されて2ヶ月。必死で仕事をしたものの、スタッフは誰も付いてこない・・・ひとりで空回りしている自分に気がついたところです。
「前任が、優秀なベテラン店長で、後任が新人。まあ、頑張るのは当然なんだけれど、君が何でも出来るなんて、私もバイト達も期待はしていないぞ。」
彼女の上司である営業部長は、彼女に肩の力を抜けと言う想いで、こう言いました。新人店長が営業部長に「店長とは」を語っているように見える不思議な光景ですが、彼女の熱い想いと焦る気持ちは部長には痛いほど伝わっていました。
「でも・・・」
「君が、一生懸命頑張ろうという気持ちは良くわかる。素晴らしいと思うしありがたいとも思う。君が、店長として自分が目指す店長像に合わせたいと言う気持ちも理解出来ます。そう言う君だからこそ、ひとつアドバイスをしたいのですが・・・聴きたいですか?」
「はい・・・宜しくお願い致します。」
「新人店長は、『自分を棚に上げ』そして『仕事は丸投げ』して、さらに『はったりをかます』ことが成功の近道です。」
「えええええええ?意味がわかりません!店長は率先垂範、まずはやって見せて手本を示す、そしてきめ細かくフォローする・・・・それが大原則なんじゃあないんですか?私はそう教えられてきました!」
「もちろん、そうであるに越したことは無いよ。でも、それって『店長としての基本中の基本』が出来る様になってからで無いと、うまく機能しないんだよ。だから、昇格して意気盛んな新人や、中堅でも部下育成やチーム作りに悩んでいる店長には、この3つのアドバイスをしてているんだよ。」
「スミマセン・・・もう少し詳しく聞かせて頂けませんか?おっしゃっている意味が未だ理解出来ません・・・」
「そうだろうね。一般的によく言われている店長のあるべき姿とは違うものね。」
と言って、部長は彼女に、「棚上げ」と「丸投げ」と「はったり」についてその意味と意図を話し始めました。
「『自分を棚に上げる』とは、自分の過去の業績や成功事例、そして自分のプライドを一度棚上げして下さいと言うことです。忘れてもいいし、横に置いておいてもいい。とにかくそれらの実績は頭から消して欲しいのです。新人店長は、店長代理時代に多くの業績をあげ、成果を積み上げた実力と能力を認められて店長に昇格します。しかし、店長としての業績なんて未だ無いのです。店長になった時点でゼロからスタートです。そして店長の仕事の仕方と代理の仕事の仕方は全然違います。過去を引きずっていると、同じ方法を採ろうとします。それでは『店長として成長』しません。ま、過去の方法で上手く行かないから、君のように壁にぶつかるんだけどね。だから、過去は一旦棚上げして欲しいのです。」
「う~ん、『店長としての成長』が必要なんですね。私にはまだ『店長としての基本中の基本』も身につけていないと言うことなんですね。」
「うん、そう言うことです。さらに、『棚上げ』するのはもうひとつあります。」
それはまた明日!
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