新人店長は「ほめる」個人面談をしよう - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター

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対象:人材育成

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新人店長は「ほめる」個人面談をしよう

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「おはよう!じゃあ、今月の面談を始めるわね。まずは、この一ヶ月ですごく良かったと思うポイントを言うわよ!それは、12月24日のランチタイムの時でした!あなたは・・・・」

この店長は、毎月スタッフの個人面談をしています。その面談は、先月のそのスタッフの行動について店長が見た「いいところをべたぼめするプログラム」から始まります。毎月の事ながら、スタッフにとっては店長と面談をする緊張の時間です。しかし、この店長の面談は、スタッフが店長から思いっきりほめられるところから始まります。しかも、ほめられるのはひとつだけではありません。よくまあこれだけ見てくれているなあ~とスタッフが感動するくらい毎月毎月、たくさんのポイントをほめてくれるのです。

そして、最後に「この一ヶ月も、たくさんの素晴らしいがんばりをしてくれて、ありがとう。」と感謝するのです。彼女を見ていた私は、それにしても、よくこれだけやるよなあ、と感心し店長に尋ねました。「毎月こんなにたくさんのほめるポイントを探してひとりひとりのスタッフに伝えるのは大変でしょ?」

店長は答えました。「いえ、全然大変じゃあないです。だって、私これしかしていませんから。と言うか、これに仕事の全てをかけていると言っても良いくらいです。」

もちろん、この店長はこれ以外にも素晴らしい仕事をたくさんしているのですが、店長が、全てをこれにかけると言うだけあって、本当に良くスタッフの事を見ています。もちろんただ見ているだけではありません。見ながら、スタッフが店長の視線に気がつくと、店長は、すかさず、眼と表情とうなずきで「承認サイン」を送ります。普段もほめるのですが、それ以上に徹底的に「承認」をしているのです。だからスタッフは、安心してより積極的に前向きな行動をし、それがほめられるポイントになっているのでしょう。

実は、この店長が面談で「べたぼめ」をする様になったのには、ある理由がありました。
それは、向かいにあるライバル店のベテラン店長がきっかけでした。このベテラン店長は、彼女のことを、ライバル店なんだけれど、自分の娘のような年齢の店長が、同じ業界でがんばっていることをいつも応援してくれていたのでした。このベテラン店長が、彼女にしていたのは、「具体的にほめる」ということです。ベテラン店長は、外から見える彼女の様子、つまり動きや笑顔や挨拶を見て、店頭で彼女と顔を合わせたときに、それをあいさつがてらにほめていたのです。

「昨日の、あなたの笑顔はいつもよりも口角が上がっていたわね。何かいいことがあったの?」
「いつも姿勢がいいわね。背筋を伸ばしてシャキッとして。こちらから見ていても気持ちがいいわ。」
「お見送りの余韻がいいわね。うちのスタッフにもあなたを見習いなさいって言ってるのよ。」

毎日のように具体的にほめられるので、自然な挨拶のようになっていたのですが、その効果の凄さを感じたのは、ある日直属の上司から、「店長はいつも元気だね」とほめてくれたときでした。しかし、少し体調が優れなくて、いつもよりもテンションが落ちていたときでしたので、その上司のほめ言葉は「皮肉」か「おべんちゃら」のように聞こえてしまったのです。上司は決してそう言う気持ちで言ったのでは無かったのでしょうけれど、そのように感じてしまった自分を振り返ったとき、彼女は、向かいのベテラン店長の「具体的なほめ言葉」の重要性を認識したのです。具体的なほめ言葉は、しっかりと観察しなくては言うことが出来ません。しっかりと観察したら、元気か元気でないかはわかるはずなのです。

こうして彼女は、ほめることに対してこだわりを持つようになりました。きちんと具体的にほめられることは、成長を感じ、自覚を持て、そして相手の感謝も感じることが出来ると確信を持ったのです。そして、それを真剣に実行しようと想ったら、しっかりとスタッフ達を観ておかないと出来ないと言う事に気がついたのです。

彼女が毎月行っているスタッフ面談で、最初に具体的にべたぼめをするのは、スタッフに自信を付けてもらうだけではなく、自分からの感謝を伝えること、さらに、スタッフをいつも観察することでその成長を正確に把握出来ることなどたくさんの効果があるからです。

彼女が、「これに仕事の全てをかけています」とは、こう言う意味だったのですね。
さて、あなたは、スタッフとどんな面談をしていますか?

 

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