「さて質問です。皆さんの組織において『右腕』という立場の人の役割とはいったい何でしょうか?」
ある大手チェーン店の「副店長研修」で、私が副店長達に尋ねた質問です。
「店長の仕事をサポートすることです。」
「店長が見えない細かいところを影で押さえるのが仕事です。」
「店長は全体を見て、私は、細部を見るのが仕事です。」
「店長には言えないようなことを、スタッフから聞くのが私の仕事です。」
「店長の指示を受けて、時間のかかるような仕事を代わりにするのが仕事です。」
研修参加者からは、たくさんの意見を頂きました。どれも正しいと思います。いずれ店長になろうという副店長ですから、しっかりと自分の役割を自覚されているようでした。
副店長、いわゆる右腕と言われる立場の仕事を、私がひと言で言うのならば、『店長の通訳をすること』です。
今日は、このことについてお話ししましょう。
店長という仕事は、「忙しい」ですよね。本社からも、スタッフからも、お客様からも、ご近所からも、お取引先からも、何でもかんでも店長に要望や意見や指示が集中します。クレームも来ますし、相談も来ます。話を聴いているだけでもあっという間に時間がたちます。自分の時間なんて全然確保できません。しかし、店長はこの店のトップですから、店全体に指示を出さなくてはなりません。だから「指示」を出します。それをミーティングで伝えます。メールで伝えることもあるでしょう。ところが、大勢いるスタッフの内、何割かはその店長の指示が理解出来ないのです。もう少し正確に言うと、「店長の意図が正確に理解出来ない」のです。店長の考えが正しく伝わらないのです。
店長にもう少し時間があって、スタッフひとりひとりにきめ細かく対応出来ればもっと伝わるのですが、なかなかそういうわけには行きません。スタッフが10人いれば、10人の解釈があります。解釈は同じにはならないのです。つまり、そんなに上手くは伝わらないのが現実なのです。しかし、店長の指示が伝わらないと店はうまく機能しません。スタッフが点でバラバラに動いてはいけないのです。そんな状況があるので、副店長、いわゆる「右腕」は、その店長の指示をスタッフ全員に徹底させることがメインの仕事になるのです。
全員に徹底させるとは、全員がキチンと店長の指示を理解し納得することが必要です。しかし、店長は忙しい。だから、副店長がひとりひとりにそれを「そのスタッフが理解し納得出来るように」伝えるのです。
多くのチームで、リーダーの指示が組織の末端まで正確に伝わらず、100%の力を出し切れていない現象を見ます。これは、店長の伝達力をカバーする「通訳力」を持った副店長が機能していないからなのです。酷い副店長になると、副店長自身が店長の考えを否定したり、間違った解釈をしてしまったりして、組織を大混乱に陥れている人もいるのです。こんな副店長は即刻解任ですね!
副店長、右腕の役割は、店長と協力して、チームの成果を上げることです。その為に行う最も重要なことは、「店長の意図を正確に全員に伝える」ことなのです。それには、副店長自身が店長の意図を正確に理解出来なくてはなりません。ただし、それは「店長の仕事」です。徹底的に副店長に対して「意図、目的、背景、理由、目標」を説明し、副店長の納得を得ることが重要なのです。
さて、あなたは店長として右腕である副店長に「通訳」のミッションを与えていますか?
そして、その右腕にあなたの「指示」を正確に伝え、納得してもらっていますか?
あなたが、副店長ならば、店長の意図を正確に理解していますか?
そして、店長の意図をスタッフ全員に正確に伝えていますか?
チームがうまく機能し最大限のパフォーマンスを発揮するには、店長の右腕である副店長の「通訳力」が不可欠なのです。さあ、もう一度、あなたと、あなたの相棒の意思疎通について再確認をしましょう。きっと、良い仕事に繋がると思いますよ。
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