- 辻 良史
- 筑波大学発ベンチャー(株)サイバー・ヨガ研究所 代表取締役
- 東京都
- 博士(体育科学)
火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
金曜日に空手道「禅道会」様の道場にてヨガの指導を行いました.
選手の皆様,お疲れ様でした!
来年の1月からパフォーマンスに関する本実験が始まりますので,それまでのメンタルの準備です.
まずは,ハードである人間自身の脳と身体の結びつきを強くさせる必要があります.
生まれたままの状態では,結びつきが弱いということです.
赤ん坊の時の感覚の方が優れているといったイメージがありますが,そんなことはありません.
もし生まれたままの心身の状態で良ければ,ヨガは修行法として誕生しなかったはずです.
意識的につながりを強くする時間を設ける必要があります.
脳と身体の結びつきを強くすることはとても大切です.
身体を動かす際,脳の「運動野」から各筋肉に信号が伝わっていきますが,
緊張状態では,脳の「扁桃体」によりこの信号が阻害されてしまうからです.
練習では,何ともないプレーが本番ではうまく行えない要因はこういったところにあります.
ですので,ヨガにより,脳からの出力が各筋肉にうまく伝わるように神経伝達経路を手入れする必要があります.
安静状態でうまく行えるようになれば,プレッシャー下でも行えるようにトレーニングしていきます.
こういったトレーニングは,“ここぞ”という場面でのパフォーマンス発揮に大きく影響を与えます.
スポーツ・メンタルトレーニングのポジティブイメージやセルフトークもいいですが,
もう少し人間自身に目を向けたトレーニングが必要だと思います.
金曜日の指導内容は,「無敗脳ヨガ」の中の「メンタル強化ヨガ 」した.
テクニックは,クンダリーニヨガですので,少しハードな内容だったと思います.
「火の呼吸」と2種類のバンダ,4つのエクササイズのみの指導でした.
私は,とても基本を重視しますので,ベーシックなテクニックの部分にかなり時間を割きます.
ですので,これだけの内容でも,指導するのに120分かかりました.
「火の呼吸」のレクチャーだけでもかなり時間を割きます.
座り方や,手の組み方,意識の持ち方など細部に渡って伝えようとすればいくらでも指導することがあるからです.
「火の呼吸」を3分,5分と続けていくうちに腹筋が疲れてくるのは,息を吸うときに腹筋に力が入ってしまっている証拠です.
「火の呼吸」は激しいイメージがありますが,息を吐いた後は,すぐに腹筋を緩めますので,実際は弛緩している状態も長いのです.
また,手足がしびれるのも酸欠の兆候ですので,少し練習が必要といえます.
これは,「ストレッチ・ポーズ 」と呼ばれる最も重要なエクササイズです.
この足上げ腹筋の状態で1分~3分間,「火の呼吸」を行います.
かなりきついと思いますが,そういった雑念を放っておきつつ,足の親指を凝視し続けます.
肉体的には,この状態で既に腹直筋が働いていますので,この状態で激しい「火の呼吸」をするには,その内側の腹横筋を使うしかありません.
ボディービルダーは,腹筋運動の際,強く息を吐きますが,あれは,気合ではなく腹横筋を鍛えるために行っているのです.
この「ストレッチ・ポーズ」は,それらの腹筋運動よりもダイレクトに腹横筋を鍛えてくれます.
内蔵を保護する役割のある腹横筋を鍛えることは,格闘家にとっては必須といえます.
“気”のレベルでは,「臍下丹田」を強烈に鍛えてくれます.
これは,体感する他ありません.
武道では,「臍下丹田」を,重心の位置(身体の中心)として捉えられることが多いですが,実際にその部分の“熱(気)”を感じれる方は少数だと思います.
これも毎日の地道なヨガ・トレーニング以外に感じれる方法はないといえます.
これは,「アーチャー・ポーズ 」ですね.
ヨガ的立禅といったところでしょうか.
この姿勢で,「火の呼吸」を左右それぞれ1~3分間行います.
西川道場長は,初めてとは思えない程のきれいな姿勢ですね^^
下半身に負荷はかけますが,上半身は弓を射るかのように胸はしっかりストレッチしつつ,肩はリラックスさせます.
これは,中心線を活性化させます.
ヨガでは,「スシュムナー」と呼ばれる尾てい骨から脳天まで伸びるエネルギーセンターのことです.
そして,手の親指を凝視し続けます.
こういった身体的ストレスは「我慢系ストレス」と呼ばれ,心理的な落ち込みや不安を軽減してくれます.
この日は,肩の力みを捨て腕力ではなく,骨盤主導で身体を動かせられるようにする「ヨガ式プッシュアップ 」や,
尾てい骨に眠る潜在的な気「クンダリー二」を脳まで引き上げるための「ヨガ式スクワット 」も行いました.
人間の潜在能力はもっともっと凄いものだと思っています.
「無敗脳ヨガ」では,クンダリー二の覚醒による潜在能力の開発も重視しています.
ここが通常のメンタルトレーニングやヨガと大きく異なるところです.
東京都 港区 田町【無敗脳ヨガ道場】辻でした.
⇒「サイバー・ヨガ 」ブログ
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