生活保護法、その1 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
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「生活保護法」

  第1章 総則

(この法律の目的)
第1条  この法律は、日本国憲法第25条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

(無差別平等)
第2条  すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。

原告適格
最高裁昭和42・5・24、朝日訴訟
 生活保護処分に関する裁決の取消訴訟は、被保護者の死亡により、当然終了する。


最高裁平成13・9・25
生活保護法が不法残留者を保護の対象としていないことは,憲法25条,14条1項に違反しない。

(最低生活)
第3条  この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

(保護の補足性)
第4条  保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2  民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3  前2項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

保護受給資格
最高裁昭和46・6・29
交通事故による被害者は、加害者に対して損害賠償請求権を有するとしても、加害者との間において損害賠償の責任や範囲等について争いがあり、賠償を直ちに受けることができない場合は、他に現実に利用しうる資力がないかぎり、傷病の治癒等の保護の必要があるときは、生活保護法4条3項により、利用し得る資産はあるが急迫した事由がある場合に該当するとして、例外的に保護を受けることができるのであり、必ずしも本来的な保護受給資格を有するものではない。

(この法律の解釈及び運用)
第5条  前4条に規定するところは、この法律の基本原理であって、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない。

(用語の定義)
第6条  この法律において「被保護者」とは、現に保護を受けている者をいう。
2  この法律において「要保護者」とは、現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態にある者をいう。
3  この法律において「保護金品」とは、保護として給与し、又は貸与される金銭及び物品をいう。
4  この法律において「金銭給付」とは、金銭の給与又は貸与によって、保護を行うことをいう。
5  この法律において「現物給付」とは、物品の給与又は貸与、医療の給付、役務の提供その他金銭給付以外の方法で保護を行うことをいう。

   第2章 保護の原則

(申請保護の原則)
第7条  保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

生活保護法施行規則2条4項
 保護の実施機関は、生活保護法施行規則2条第1項(申請書)又は第3項に規定する書面のほか、「要保護者の資産の状況を記載した書面その他の保護の決定に必要な書面」の提出を求めることができる。

(基準及び程度の原則)
第8条  保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。
2  前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、且つ、これをこえないものでなければならない。

(注)実務では、要保護者の自動車の保有は、通勤用、身体障害者の通院・通所・通学用にしか認められていない。預預金については、後記のとおり議論がある。

生活保護の補足性
最高裁平成16・3・16
 1 生活保護法による保護を受けている者が同法の趣旨目的にかなった目的と態様で保護金品又はその者の金銭若しくは物品を原資としてした貯蓄等は,生活保護法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」に当たらない。
2 生活保護法による保護を受けている者が,同一世帯の構成員である子の高等学校修学の費用に充てることを目的として満期保険金50万円,保険料月額3000円の学資保険に加入し,保護金品及び収入の認定を受けた収入を原資として保険料を支払い,受領した満期保険金が同法の趣旨目的に反する使われ方をしたことなどがうかがわれないという事情の下においては,上記満期保険金について収入の認定をし,保護の額を減じた保護変更決定処分は,違法である。

最高裁平成20・2・8
 生活保護を受けている者が,保護を受け始めて間もない時期に,外国への渡航費用として約7万円という金額の支出をすることができたなど判示の事実関係の下においては,同人が,そのころ少なくとも上記渡航費用を支出することができるだけの額の,本来その最低限度の生活の維持のために活用すべき金銭を保有していたことが明らかであり,上記渡航費用の金額を超えない金額を,上記支出をした月の分の生活扶助の金額から減じ,後の月の分の生活扶助から差し引く旨の保護変更決定は,適法である。
(参照条文)生活保護法4条1項,生活保護法8条1項,生活保護法12条1号,生活保護法25条2項

生活保護の基準・程度
最高裁平成24・2・28 (同旨、最高裁平成24・4・2)
生活扶助の老齢加算の廃止を内容とする生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)の改定は,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,その改定に係る厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとはいえず,生活保護法3条又は8条2項の規定に違反しない。
(1)ア 上記改定開始の5年前には,老齢加算の対象となる70歳以上の者の需要は収入階層を問わず60ないし69歳の者の需要より少なく,70歳以上の単身者に対する老齢加算を除く生活扶助額は70歳以上の低所得単身無職者の生活扶助相当消費支出額を上回っていた。
 イ 上記改定開始の20年前から2年前までの間における生活扶助に関する基準の改定率は消費者物価指数及び賃金の各伸び率を上回っており,上記改定開始の21年前から被保護勤労者世帯の消費支出の割合は一般勤労者世帯の消費支出の7割前後で推移していた。
 ウ 上記改定開始の24年前と同4年前とを比較すると,被保護勤労者世帯の平均において消費支出に占める食料費の割合は低下していた。
(2)ア 上記改定による老齢加算の廃止は,3年間かけて段階的な減額を経て行われた。
 イ 上記改定開始の5年前には,老齢加算のある被保護者世帯における貯蓄の純増額は老齢加算の額と近似した水準に達しており,老齢加算のない被保護者世帯における貯蓄の純増額との差額が月額5000円を超えていた。
(3) 上記改定は,専門家によって構成される専門委員会が統計等の客観的な数値等や専門的知見に基づいて示した意見に沿ったものであった。
※生活扶助相当消費支出額:消費支出額の全体から,生活扶助以外の扶助に該当するもの,被保護世帯は免除されているもの及び家事使用人給料等の最低生活費になじまないものを控除した残額
(参照条文)生活保護法3条,生活保護法8条,生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号。平成16年改正前のもの)別表第1第2章2

介護保険法との関係
最高裁平成18・3・28
 1 旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号。平成15年改正前のもの)が,介護保険の第1号被保険者のうち,生活保護法6条2項に規定する要保護者で地方税法295条により市町村民税が非課税とされる者について,一律に保険料を賦課しないものとする旨の規定又は保険料を全額免除する旨の規定を設けていないことは,憲法14条,25条に違反しない。
2 介護保険法135条の規定による介護保険の第1号被保険者の保険料についての特別徴収の制度は,憲法14条,25条に違反しない。

(必要即応の原則)
第9条  保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする。

(世帯単位の原則)
第10条  保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる。

   第3章 保護の種類及び範囲

(種類)
第11条  保護の種類は、次のとおりとする。
一  生活扶助
二  教育扶助
三  住宅扶助
四  医療扶助
五  介護扶助
六  出産扶助
七  生業扶助
八  葬祭扶助
2  前項各号の扶助は、要保護者の必要に応じ、単給又は併給として行われる。

(生活扶助)
第12条  生活扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
二  移送

(教育扶助)
第13条  教育扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  義務教育に伴って必要な教科書その他の学用品
二  義務教育に伴って必要な通学用品
三  学校給食その他義務教育に伴って必要なもの

(住宅扶助)
第14条  住宅扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  住居
二  補修その他住宅の維持のために必要なもの

(医療扶助)
第15条  医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  診察
二  薬剤又は治療材料
三  医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六  移送

(介護扶助)
第15条の2  介護扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない要介護者(介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第7条第3項 に規定する要介護者をいう。第3項において同じ。)に対して、第1号から第4号まで及び第8号に掲げる事項の範囲内において行われ、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない要支援者(同条第4項に規定する要支援者をいう。第6項において同じ。)に対して、第5号から第8号までに掲げる事項の範囲内において行われる。
一  居宅介護(居宅介護支援計画に基づき行うものに限る。)
二  福祉用具
三  住宅改修
四  施設介護
五  介護予防(介護予防支援計画に基づき行うものに限る。)
六  介護予防福祉用具
七  介護予防住宅改修
八  移送
2  前項第1号に規定する居宅介護とは、介護保険法第8条第2項 に規定する訪問介護、同条第3項 に規定する訪問入浴介護、同条第4項 に規定する訪問看護、同条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同条第6項 に規定する居宅療養管理指導、同条第7項 に規定する通所介護、同条第8項 に規定する通所リハビリテーション、同条第9項に規定する短期入所生活介護、同条第1項 に規定する短期入所療養介護、同条第11項 に規定する特定施設入居者生活介護、同条第12項 に規定する福祉用具貸与、同条第15項に規定する定期巡回・随時対応型訪問介護看護、同条第16項 に規定する夜間対応型訪問介護、同条第17項 に規定する認知症対応型通所介護、同条第18項 に規定する小規模多機能型居宅介護、同条第19項に規定する認知症対応型共同生活介護、同条第2項 に規定する地域密着型特定施設入居者生活介護及び同条第22項 に規定する複合型サービス並びにこれらに相当するサービスをいう。
3  第1項第1号に規定する居宅介護支援計画とは、居宅において生活を営む要介護者が居宅介護その他居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス及び福祉サービス(以下この項において「居宅介護等」という。)の適切な利用等をすることができるようにするための当該要介護者が利用する居宅介護等の種類、内容等を定める計画をいう。
4  第1項第4号に規定する施設介護とは、介護保険法第8条第21項 に規定する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、同条第26項 に規定する介護福祉施設サービス及び同条第27項に規定する介護保健施設サービスをいう。
5  第1項第5号に規定する介護予防とは、介護保険法第8条の2第2項 に規定する介護予防訪問介護、同条第3項 に規定する介護予防訪問入浴介護、同条第4項に規定する介護予防訪問看護、同条第5項 に規定する介護予防訪問リハビリテーション、同条第6項 に規定する介護予防居宅療養管理指導、同条第7項 に規定する介護予防通所介護、同条第8項に規定する介護予防通所リハビリテーション、同条第9項 に規定する介護予防短期入所生活介護、同条第1項 に規定する介護予防短期入所療養介護、同条第11項 に規定する介護予防特定施設入居者生活介護、同条第12項に規定する介護予防福祉用具貸与、同条第15項 に規定する介護予防認知症対応型通所介護、同条第16項 に規定する介護予防小規模多機能型居宅介護及び同条第17項 に規定する介護予防認知症対応型共同生活介護並びにこれらに相当するサービスをいう。
6  第1項第5号に規定する介護予防支援計画とは、居宅において生活を営む要支援者が介護予防その他身体上又は精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について常時介護を要し、又は日常生活を営むのに支障がある状態の軽減又は悪化の防止に資する保健医療サービス及び福祉サービス(以下この項において「介護予防等」という。)の適切な利用等をすることができるようにするための当該要支援者が利用する介護予防等の種類、内容等を定める計画であって、介護保険法第115条の46第1項に規定する地域包括支援センター(第34条の2第2項及び第54条の2第1項において「地域包括支援センター」という。)の職員のうち同法第8条の2第18項 の厚生労働省令で定める者が作成したものをいう。

(出産扶助)
第16条  出産扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  分べんの介助
二  分べん前及び分べん後の処置
三  脱脂綿、ガーゼその他の衛生材料

(生業扶助)
第17条  生業扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者又はそのおそれのある者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。但し、これによって、その者の収入を増加させ、又はその自立を助長することのできる見込のある場合に限る。
一  生業に必要な資金、器具又は資料
二  生業に必要な技能の修得
三  就労のために必要なもの

(葬祭扶助)
第18条  葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一  検案
二  死体の運搬
三  火葬又は埋葬
四  納骨その他葬祭のために必要なもの
2  左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
一  被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
二  死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。

   第4章 保護の機関及び実施

(実施機関)
第19条  都道府県知事、市長及び社会福祉法に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
一  その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者
二  居住地がないか、又は明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの
2  居住地が明らかである要保護者であっても、その者が急迫した状況にあるときは、その急迫した事由が止むまでは、その者に対する保護は、前項の規定にかかわらず、その者の現在地を所管する福祉事務所を管理する都道府県知事又は市町村長が行うものとする。
3  第30条第1項ただし書の規定により被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託した場合又は第34条の2第2項の規定により被保護者に対する介護扶助(施設介護に限る。)を介護老人福祉施設(介護保険法第8条第26項に規定する介護老人福祉施設をいう。)に委託して行う場合においては、当該入所又は委託の継続中、その者に対して保護を行うべき者は、その者に係る入所又は委託前の居住地又は現在地によって定めるものとする。
4  前三項の規定により保護を行うべき者(以下「保護の実施機関」という。)は、保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に限り、委任することができる。
5  保護の実施機関は、保護の決定及び実施に関する事務の一部を、政令の定めるところにより、他の保護の実施機関に委託して行うことを妨げない。
6  福祉事務所を設置しない町村の長(以下「町村長」という。)は、その町村の区域内において特に急迫した事由により放置することができない状況にある要保護者に対して、応急的処置として、必要な保護を行うものとする。
7  町村長は、保護の実施機関又は福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)が行う保護事務の執行を適切ならしめるため、左に掲げる事項を行うものとする。
一  要保護者を発見し、又は被保護者の生計その他の状況の変動を発見した場合において、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を通報すること。
二  第24条第6項の規定により保護の開始又は変更の申請を受け取った場合において、これを保護の実施機関に送付すること。
三  保護の実施機関又は福祉事務所長から求められた場合において、被保護者等に対して、保護金品を交付すること。
四  保護の実施機関又は福祉事務所長から求められた場合において、要保護者に関する調査を行うこと。

(補助機関)
第21条  社会福祉法 に定める社会福祉主事は、この法律の施行について、都道府県知事又は市町村長の事務の執行を補助するものとする。

(民生委員の協力)
第22条  民生委員法 に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。

(事務監査)
第23条  厚生労働大臣は都道府県知事及び市町村長の行うこの法律の施行に関する事務について、都道府県知事は市町村長の行うこの法律の施行に関する事務について、その指定する職員に、その監査を行わせなければならない。
2  前項の規定により指定された職員は、都道府県知事又は市町村長に対し、必要と認める資料の提出若しくは説明を求め、又は必要と認める指示をすることができる。
3  第1項の規定により指定すべき職員の資格については、政令で定める。

(申請による保護の開始及び変更)
第24条  保護の実施機関は、保護の開始の申請があったときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対して書面をもって、これを通知しなければならない。
2  前項の書面には、決定の理由を附さなければならない。
3  第1項の通知は、申請のあった日から14日以内にしなければならない。但し、扶養義務者の資産状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、これを30日まで延ばすことができる。この場合には、同項の書面にその理由を明示しなければならない。
4  保護の申請をしてから30日以内に第1項の通知がないときは、申請者は、保護の実施機関が申請を却下したものとみなすことができる。
5  前四項の規定は、第7条に規定する者から保護の変更の申請があった場合に準用する。
6  保護の開始又は変更の申請は、町村長を経由してすることもできる。町村長は、申請を受け取ったときは、5日以内に、その申請に、要保護者に対する扶養義務者の有無、資産状況その他保護に関する決定をするについて参考となるべき事項を記載した書面を添えて、これを保護の実施機関に送付しなければならない。


(保護の停止及び廃止)
第26条  保護の実施機関は、被保護者が保護を必要としなくなったときは、すみやかに、保護の停止又は廃止を決定し、書面をもって、これを被保護者に通知しなければならない。第28条第4項又は第62条第3項の規定により保護の停止又は廃止をするときも、同様とする。

(指導及び指示)
第27条  保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2  前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
3  第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

(相談及び助言)
第27条の2  保護の実施機関は、要保護者から求めがあったときは、要保護者の自立を助長するために、要保護者からの相談に応じ、必要な助言をすることができる。

(調査及び検診)
第28条  保護の実施機関は、保護の決定又は実施のため必要があるときは、要保護者の資産状況、健康状態その他の事項を調査するために、要保護者について、当該職員に、その居住の場所に立ち入り、これらの事項を調査させ、又は当該要保護者に対して、保護の実施機関の指定する医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨を命ずることができる。
2  前項の規定によって立入調査を行う当該職員は、厚生労働省令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
3  第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
4  保護の実施機関は、要保護者が第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨の命令に従わないときは、保護の開始若しくは変更の申請を却下し、又は保護の変更、停止若しくは廃止をすることができる。

(調査の嘱託及び報告の請求)
第29条  保護の実施機関及び福祉事務所長は、保護の決定又は実施のために必要があるときは、要保護者又はその扶養義務者の資産及び収入の状況につき、官公署に調査を嘱託し、又は銀行、信託会社、要保護者若しくはその扶養義務者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる。

(行政手続法 の適用除外)
第29条の2  この章の規定による処分については、行政手続法第3章 (第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
   第5章 保護の方法

(生活扶助の方法)
第30条  生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによっては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる。
2  前項ただし書の規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。
3  保護の実施機関は、被保護者の親権者又は後見人がその権利を適切に行わない場合においては、その異議があっても、家庭裁判所の許可を得て、第1項但書の措置をとることができる。

第31条  生活扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  生活扶助のための保護金品は、1月分以内を限度として前渡するものとする。但し、これによりがたいときは、1月分をこえて前渡することができる。
3  居宅において生活扶助を行う場合の保護金品は、世帯単位に計算し、世帯主又はこれに準ずる者に対して交付するものとする。但し、これによりがたいときは、被保護者に対して個々に交付することができる。
4  地域密着型介護老人福祉施設(介護保険法第8条第21項 に規定する地域密着型介護老人福祉施設をいう。)、介護老人福祉施設又は介護老人保健施設(同条第27項に規定する介護老人保健施設をいう。)であって第54条の2第1項の規定により指定を受けたもの(同条第2項の規定により同条第1項の指定を受けたものとみなされた地域密着型介護老人福祉施設及び介護老人福祉施設を含む。)において施設介護を受ける被保護者に対して生活扶助を行う場合の保護金品を前項に規定する者に交付することが適当でないときその他保護の目的を達するために必要があるときは、同項の規定にかかわらず、当該地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護老人福祉施設の長又は当該介護老人保健施設の管理者に対して交付することができる。
5  前条第1項ただし書の規定により生活扶助を行う場合の保護金品は、被保護者又は施設の長若しくは養護の委託を受けた者に対して交付するものとする。

(教育扶助の方法)
第32条  教育扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  教育扶助のための保護金品は、被保護者、その親権者若しくは未成年後見人又は被保護者の通学する学校の長に対して交付するものとする。

(住宅扶助の方法)
第33条  住宅扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  住宅扶助のうち、住居の現物給付は、宿所提供施設を利用させ、又は宿所提供施設にこれを委託して行うものとする。
3  第30条第2項の規定は、前項の場合に準用する。
4  住宅扶助のための保護金品は、世帯主又はこれに準ずる者に対して交付するものとする。

(医療扶助の方法)
第34条  医療扶助は、現物給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によって行うことができる。
2  前項に規定する現物給付のうち、医療の給付は、医療保護施設を利用させ、又は医療保護施設若しくは第49条の規定により指定を受けた医療機関にこれを委託して行うものとする。
3  前項に規定する医療の給付のうち、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 又は柔道整復師法の規定によりあん摩マツサージ指圧師又は柔道整復師(以下「施術者」という。)が行うことのできる範囲の施術については、第55条の規定により準用される第49条の規定により指定を受けた施術者に委託してその給付を行うことを妨げない。
4  急迫した事情がある場合においては、被保護者は、前2項の規定にかかわらず、指定を受けない医療機関について医療の給付を受け、又は指定を受けない施術者について施術の給付を受けることができる。
5  医療扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。

(介護扶助の方法)
第34条の2  介護扶助は、現物給付によって行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によって行うことができる。
2  前項に規定する現物給付のうち、居宅介護、福祉用具の給付、施設介護、介護予防及び介護予防福祉用具の給付は、介護機関(その事業として居宅介護を行う者及びその事業として居宅介護支援計画を作成する者、その事業として介護保険法第8条第1三項に規定する特定福祉用具販売を行う者(第54条の2第1項において「特定福祉用具販売事業者」という。)、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人福祉施設及び介護老人保健施設、その事業として介護予防を行う者及び地域包括支援センター並びにその事業として同法第8条の2第13項に規定する特定介護予防福祉用具販売を行う者(第54条の2第1項において「特定介護予防福祉用具販売事業者」という。)をいう。)であって、第54条の2第1項の規定により指定を受けたもの(同条第2項の規定により同条第1項の指定を受けたものとみなされた地域密着型介護老人福祉施設及び介護老人福祉施設を含む。)にこれを委託して行うものとする。
3  前条第4項及び第5項の規定は、介護扶助について準用する。この場合において、同条第4項中「急迫した事情」とあるのは、「急迫した事情その他やむを得ない事情」と読み替えるものとする。

(出産扶助の方法)
第35条  出産扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  前項但書に規定する現物給付のうち、助産の給付は、第55条の規定により準用される第49条の規定により指定を受けた助産師に委託して行うものとする。
3  第34条第4項及び第5項の規定は、出産扶助について準用する。

(生業扶助の方法)
第36条  生業扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  前項但書に規定する現物給付のうち、就労のために必要な施設の供用及び生業に必要な技能の授与は、授産施設若しくは訓練を目的とするその他の施設を利用させ、又はこれらの施設にこれを委託して行うものとする。
3  生業扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。但し、施設の供用又は技能の授与のために必要な金品は、授産施設の長に対して交付することができる。

(葬祭扶助の方法)
第37条  葬祭扶助は、金銭給付によって行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行うことができる。
2  葬祭扶助のための保護金品は、葬祭を行う者に対して交付するものとする。

(保護の方法の特例)
第37条の2  保護の実施機関は、保護の目的を達するために必要があるときは、第31条第3項本文若しくは第33条第4項の規定により世帯主若しくはこれに準ずる者に対して交付する保護金品、第31条第3項ただし書若しくは第5項、第32条第2項、第34条第5項(第34条の2第3項及び第35条第3項において準用する場合を含む。)若しくは第36条第3項の規定により被保護者に対して交付する保護金品又は前条第2項の規定により葬祭を行う者に対して交付する保護金品のうち、介護保険料(介護保険法第129条第1項に規定する保険料をいう。)その他の被保護者が支払うべき費用であって政令で定めるものの額に相当する金銭について、被保護者に代わり、政令で定める者に支払うことができる。この場合において、当該支払があったときは、これらの規定により交付すべき者に対し当該保護金品の交付があったものとみなす。

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