財産分与の対象となる財産 - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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財産分与の対象となる財産

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・預金(特に、一方が「へそくり」の預金をしている場合に問題となる。)・出資金(信用金庫・信用組合、生活協同組合)、給与、証券、債券

 家事調停、審判、人事訴訟法、義務の履行確保では、銀行等への裁判所から調査嘱託ができるようになったので、義務者の財産・収入状況の調査が容易になった。

 

・非上場株式(換価困難

 義務者が会社役員でオーナー社長の場合、非上場株式を保有していることが多い。

 非上場株式の評価として、

ア 時価評価純資産方式

 財務諸表の入手が困難。不動産を除いて、時価での再評価が難しい。


イ 類似会社方式(類似業種、類似規模)

 上場会社と比較するのでは、株式の流動性がないのに、株価が高くなってしまいがちである。また、類似する会社についての資料の入手が困難である。

 

ウ 配当還元方式(配当利回り還元方式、DCF方式など)

 非上場会社では、実際に配当がされていることが少ない。

 

・従業員持株会

 勤務先の会社の株式について、従業員が保有する方式である。従業員持株会に加入しているかどうかは、年1回の株主総会関係の書類、所得税の税務申告書、証券会社からの手紙、毎月積み立てている場合には給与明細などで判明する。

 上場会社であれば、勤務先や証券会社への調査嘱託で判明する。なお、近時、ESOPという信託を利用した従業員持株会の方式が登場したが、照会先が信託会社になる。

 非上場会社では、勤務先が管理していることが多いので、勤務先に照会する。

 

・生命保険・学資保険・新種保険(傷害保険、家庭総合保険など)

 保険会社などからの手紙、保険料引き落としの通帳で判明する。保険会社に調査嘱託してもよい。

財産分与の方法として、受取人の名義変更については、保険金の受取人名義は、いつでも保険契約者が変更できる。

保険契約者の変更について、変更は後日勝手にできないので安全である。

なお、いずれの方法によっても、義務者が保険料を支払っていないと失効してしまうので、保険契約者と保険料支払者を権利者に変更するか、学資保険の場合には、保険料込みで養育費の金額を決定し権利者が保険料を支払う方法に変更するほうが確実である。

 

○退職金

・財産分与の対象となるか村田

 退職金は、将来の期待権であり、勤務年数、自己都合・会社都合の別などによって、支給される金額が大きく違うこと、現時点で仮に支給される退職金の額を算出しても現実に退職金の入金があるわけではないことを理由に否定する裁判例、上記の要素を考慮の上、現時点で自己都合退職金の額を算出し、その何割かについて、財産分与とする裁判例がある。

 

○上乗せ部分の退職年金(企業年金=厚生年金基金、確定型拠出年金)

年金分割について、厚生年金保険法などでは厚生年金の分割を規定している。

しかし、基礎年金に上乗せされる企業年金、確定型拠出年金法などについて、法律は年金分割の手続を定めていないことから、厚生労働省や裁判例では、財産分与の対象とならないとする見解が有力である。もっとも、財産分与の対象となるとした裁判例もある。

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