中道の子育て
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叱らない子育てというのが世の中で話題になっているそうです。
自分の感情に任せて怒るのはどうかと思いますが、時には厳しく伝えることも必要なのではないでしょうか。
私は三国志が好きなのですが、人徳を兼ね備えた英雄「劉備玄徳」には、愛情深く厳しい母の姿がありました。
劉備が世の中を正そうと義勇軍を結成して村を旅立ってから3年後。
戦いに明け暮れた劉備ですが、思い通りにことは進まず…。
母の元を訪ねます。
劉備の姿を見た母は内心の喜びを抑え、次のように言います。
「お前は一体何をしに帰ってきたのですか?」
「まだ志も半ばで母上にお目にかかる時期ではありませんが、母上の無事なお姿を見に帰ってまいりました。」
その言葉を聞いた母は目が潤んでいたことでしょう。
しかし、その涙をこらえて母は次のように言うのです。
「本当にそれだけのことで帰ってきたのですか?」
「はい。」
「まだお前が郷土を出てから、わずか3年程度ではありませんか。僅かな兵と武器を手に天下騒乱の中へ出て行ったお前が、3年程度で功を成して戻って来れるなど夢みたいなことを母は考えておりません。世の中というものは、そんな単純では無いのですよ。」
「玄徳の誤りでございました。戦っても戦っても自分の正義は通らず、失意のあまり疑いを抱いたりして…。」
「いつからそんな女々しい男になったのです!戦いに勝つことは、強い豪傑ならば誰でも出来ることです。あなたは悪政に苦しんでいる民のために立ち上がったのではありませんか。正しい道の途中にも襲ってくる弱い心にも打ち克たなければ、所詮、大事は成し遂げられるものではありませぬ。」
「仰る通りです…。」
「よくお分かりでしょう。もうお前も30歳に近い男児。それくらいのことは。」
最後に母は、次のような言葉を伝えます。
「阿備(劉備の幼名)や…。私はね、亡きお父さんの代わりにもなって言うのだよ。今のは、お父さまの声だよ。お叱りだよ。」
本当は可愛い息子を抱きしめて、いつまでも一緒にいたかったことでしょう。
しかし、母はあえて厳しく接し、すぐに劉備を旅立たせたのです。
後世に名を残すような立派な人物の後ろには、その人物を育てた存在というものがあるのです。
やみくもに叱るのが良いと言っているわけではありません。
愛情深く接するというのは、とても大切なことです。
ただ、批判と忠告というものは違います。
時には厳しく接するというのも必要なのです。
仏教には戒律というものがありますが、何のためにあるかと言うと、人々の幸せのためです。
本人を縛るためのものではありません。
一見、厳しい一面だけを見られがちですが、その厳しさの中には優しさというものが含まれているんです。
快適な環境で伸び伸び育つこともあれば、厳しい環境にあるからこそ強く育つ場合もあります。
楽器の弦も緩すぎては良い音が出ませんし、きつ過ぎては弦が切れてしまいます。
そのどちらにも偏らないのが中道ということです。
愛のある中道の子育てを実践していきたいものですね。
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