地震波は軟弱地盤の上では増幅します。同じ規模の地震が襲っても、硬い地盤の上と軟弱地盤の上では、揺れ方や揺れる時間が異なるのです。では、軟弱地盤とはどの様な地盤なのでしょうか?硬い地盤よりも柔らかい事は判りますが、そんなに単純なものでもありません。土質の性能について色々な見方をご紹介します。
●土質
概ね地盤面から50cm程度までは人の手が加えられています。今は宅地でも宅地以前は耕作地であったり埋立地であったりします。土質はそれよりも深い所の土がどうなっているか粒子の大きさで区別するものです。沖積層では粒子の大きいものから順に礫・砂・シルト・粘土に区分します。もっと細かく分類する事もありますが、概ねこの順で細かくなると云う事です。それぞれに物理特性が異なり、建物の種類や目的によって対処法が異なります。また、一つの性質の層がずっと続くと云う事もなく、一般には色々な層が何重にも重なって地盤は形成されています。
●層厚
一つの土質がどれくらいの厚みを持っているか、建物の重さを伝達するための手がかりとなります。硬い地層でも層厚が薄ければ建物を支える事が出来ません。木造二階建ての建物であれば概ね2m以上あれば、その地層の下が軟弱であっても支える事が可能な場合があります。
●支持層の傾斜角
地すべりの可能性を探る指標です。
●地盤の種類
一種地盤・二種地盤・三種地盤と三種類あり、一種地盤は岩盤や硬い洪積層の地盤、第三種地盤は柔らかい沖積層の地盤、第二種地盤はそれら以外の地盤を指します。
●地盤増幅率
地震波が増幅し繰り返し地面を揺らす可能性を示す値です。1.0が標準でそれを下回れば硬い地盤、上回れば柔らかい地盤と云う事が出来ます。
●工学的基盤
地表から柔かい地盤を取り除いた深層の地盤の硬さの度合いを工学的基盤と云います。重量の大きな建物を設計する際、地表面の硬さよりもこの工学的基盤の方が、設計の手がかりとなります。
●液状化
地下水の常水面が高く砂質の柔らかい地層であれば、地震で砂粒が動いた際に、地下水が潤滑油の役目を果たし地面が液体の様に動き出す状態を指します。建物が地盤にその重量を伝達する事が出来ず、地中に沈み込んでしまう現象が起こります。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/
上記はJ-shisハザードマップのURLです。このサイトから日本中の地盤の性能を調べる事が出来ます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
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経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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