木と漆喰リフォーム　漆喰のはなし

漆喰とコンクリートは同じ石灰岩を材料にしながら似て非なるもの

といえるでしょう。

石灰岩は海中で長い年月を経て、貝殻やサンゴが堆積して固まったものです。

海の底で堆積したものが、山で石灰岩として採掘されます。

原料となる石灰はもともと貝殻ですから、岩石からつくる「石灰いしばい」と

地域によっては貝殻を焼いてつくる「貝灰かいばい」が存在します。

どちらも漆喰の原料になるのです。

西洋でも漆喰は古くから使われ、エジプトのピラミッドの壁やローマの

遺跡でも見つかっています。

フレスコ画というのはこの漆喰を下に塗っておき、固まる前に

絵を描いて顔料が浸透して一体化するために、長期間色あせなかったのです。

ラスコ－洞窟やアルタミラ遺跡では水のしたたる石灰岩の上に描いたために

天然のフレスコ画となって、残ったのです。

漆喰はこの石灰を主原料として、海草のり（角叉・ぎんなんそう）

や麻スサを加えたものです。

いまでは、漆喰は調合された製品として販売されています。

すぐ塗れるように液体状になっているもの、

あるいは水を混ぜれば塗れるようになっている粉末になっているもの

があります。

のりも粉末つのまたとして袋つめされた商品が販売されています。

職人さんは、それらを必要に応じて足して混ぜて使用します。

消石灰は、鳥インフルエンザの発生時には消毒材として撒かれます。

天然の素材ですから、まかれた後、最後は土にかえっていきます

から安心です。

石灰岩が漆喰になるまで

石灰岩CaCo3 を焼いて　Co2を放出させると　生石灰Caoになります。

生石灰に水を加えると　消石灰　Ca(OH)2となります。

この消石灰に麻すさ、海藻のりを加えて混ぜます。

水を揮発しながら炭酸ガスと反応して元の炭酸カルシウムに戻っていきます。

それは石灰岩に戻っていく過程です。

セメント（水硬性）とは違い漆喰は気硬性といって、

炭酸ガスを吸収して硬化していきます。

二酸化炭素を吸収して固まっていくという性質は

樹木が光合成をして二酸化炭素を吸収して炭素を内部に蓄えていく性質と

よく似ています。

漆喰は炭酸カルシウムですから、空気を浄化してくれるのです。

漆喰のさわやかな空間を是非体感していただきたいと思います。

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