「店長・・・私やっぱりダメです。出来ません。難しすぎます・・・無理です・・・」
なんだか昨日と同じ言葉で始まりましたが・・・これは、ある店の面談でのシーンです。
この店では、スタッフは「個人面談に限り」思いっきりネガティブな言葉を使うことを奨励しています。ただし、店内では、「ネガティブ言葉は禁止」というポスターが貼ってあります。
実は、このポスターは、リーダー自らが「ネガティブ言葉」を言ってしまった時に、スタッフがリーダーを注意をする為に掲げているのです。なので、この店ではリーダーがよくスタッフに注意されています。彼が言うには、「リーダーも人の子。ついつい弱気の虫が出て、ため息をついたりネガティブな言葉を使ったりすることがある、しかし、それは良いことでは無い。なので、自分を律するために行っている。」と言うことでした。もちろんこれは、スタッフにも効果があるのです。スタッフも表舞台では「ネガティブ言葉」は使いません。
ただし、スタッフもいつもいつもポジティブなわけではないので、気持ちが落ち込んだり、自信が無くなったり、不満があったりするときは、リーダーとの面談時に限り、言いたいことを言うことを奨励しているのです。
しかし、リーダーがあまりに立派すぎると、部下は言いたくても言えない雰囲気が生まれてしまいます。なので、このリーダーは、たまに自らがルールを破って、それを部下に注意させ、逆に面談時に言いたいことを言えるように工夫しているのでしょう。本人は、そんな高度なテクニックは使っていないと否定していましたが、私は、凄いテクニックだなと思っています。
世の中には、色々なタイプのリーダーがいます。とても立派なリーダーもいます。非の打ち所がなく、いつも率先垂範して手本をしめしているリーダーもいます。でも、こんな人との面談では、言いたいことを言いなさいと言われても、これこそ無理というものです。
なかには、口だけ立派で、いつも正論を言うもののその行動には矛盾を感じてしまうようなリーダーもいます。こういう人の場合は、あえてネガティブなことや弱音を言いたくなりません。そこにはリスペクトがないからです。弱音を吐くにはそれなりに尊敬の念がないと意外と言いにくいのです。尊敬もしていない人に、弱音を吐いて、結果「ダメな奴」と思われたくないですからね。
スタッフも人の子、リーダーも人の子です。決して神の子ではありません。
しかし、人前や裏でネガティブな言葉が氾濫するのは良いことではありません。前向きな人までネガティブな影響を受けてしまいます。だから、面談を行うときは「思いっきりネガティブなことを言っても大丈夫!」と言う雰囲気を作り本音を吐き出させることが、効果的な対策なのです。
いずれにせよ、表舞台ではネガティブ言葉は使いたくはありません。しかし、人はそんなに強くありません。なので、そんな弱い気持ちを吐き出すことも必要です。だから、面談の時に言いたいことをどんどん言ってもらうのです。たとえ、聴き手が聴くに堪えなくなっても聴き続けることが、このルールを本物にします。
しかし、この聴き続けることが大切なときに、聴き手が、動揺して反論したり、励ましたり、叱ったり、アドバイスをし始めることがあります。するともう次回からは本音は言わなくなります。すると、今度は、面談以外の所で吐き出しを始めます。これはろくな結果を生みません。だから、聴き手であるリーダーは、「聴き続ける力」が必要なのです。
「聴き続ける力」、そのために必要な気持ち、心構えは・・・・「相手の言葉から学びたい」と言う気持ちです。これがないと、聴き続けることは出来ません。次回はこれをもう少し掘り下げて見ることに致します。
「相手軸!相手軸!」
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