高年齢者雇用安定法の裁判例 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月22日更新

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高年齢者雇用安定法の裁判例

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高年齢者雇用安定法の裁判例

 

1、問題の所在

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下、高年齢者雇用安定法と略す。)は、高年齢者の継続雇用などを定めている。

2、従前の裁判例

従前の下級審裁判例(大阪高判平成211127、東京高判平成221222など)は、高年齢者雇用安定法の私法的効力を否定し、企業は再雇用の義務を負わないと判示していた。

ただし、企業が継続雇用について、再雇用の基準が公序良俗に違反する場合(男女差別、不当労働行為なども含む)、使用者が誠実に協議しない場合、退職勧奨を強要する場合などの例外的な場合には、労働者は、使用者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求をする余地があるに過ぎないと解されていた。

もっとも、高年齢者雇用安定法は平成24年に改正されている。

3、最高裁判例

最判平成241129日・裁判集民事第24251頁は、高年齢者雇用安定法9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用の制度を導入した事業主とその従業員との間に,当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係の存続が認められた事例である。ただし、当該事案の特殊性(一定水準以上の高年齢者の再雇用が、あらかじめ定められた労働条件で、ほぼ自動的に決まること)があるため、一般原則としてとらえることはできないのではないかと思われる。

判示事項は以下のとおりである。

高年齢者雇用安定法9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め,継続雇用を希望する高年齢者のうち当該基準を満たす者を再雇用する旨の制度を導入した事業主が,継続雇用を希望する高年齢者たる従業員につき,当該基準を満たしていないとして再雇用しなかった場合において,次の(1)(3)など判示の事情の下では,当該事業主と当該従業員との間に,従前の雇用契約の終了後も当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当である。
(1)
 当該基準は,高年齢者の在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を所定の方法で点数化し,総点数が0点以上の高年齢者を再雇用するというものであり,当該制度においては,再雇用される高年齢者の継続雇用の最長期限及び労働時間の上限が定められ,従前の基本給の額及び再雇用後の労働時間から所定の計算式で算出される金額が本給の最低基準とされていた。
(2)
 当該従業員は,在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を上記方法で点数化すると,総点数が1点となり,当該基準を満たす者であった。
(3)
 従前の雇用契約の終期の到来により当該従業員の雇用が終了したものとすることをやむを得ないものとみるべき特段の事情はうかがわれない。

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