- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
昨日、電話で 杉板の事について問合せをいただきました。
「杉板の表面処理して少し硬くしたものがあるけれど、どう思うか」
という事でした。
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熱圧ローラー処理という方法があります。どんなものかというと・・
ものすごく大雑把な言い方すると、
高温のアイロンでぎゅっと押しつけながらアイロンがけしたイメージ。
力いれてアイロンかけたら生地は ピーン としたが てかった という事
・・・と言っていいのか?
熱圧ローラー処理された杉板は、表面に硬さが出てツヤもある 状態になるそうです。
現物を見た事があったような、ないような・・・。
ネットで見ていると、
「杉なんだけど、ヒノキのような硬さがある」
と表現した大工さんの言葉がありました。
杉板は、柔らかい事が欠点なのだろうか?
なんでそんな処理をするのかというと、
みんな 「杉板は柔らかいから、傷やへこみがつきますよ」 と言うから。
だから杉板の柔らかい事が 欠点 になって、
それを克服して 付加価値 を付けるためなんだと思います。
「柔らかいから・・・」 とは 私も言います。
「こんなになるとは思っていなかった」 と1年後に言われてもどうしようもないので最初に言ってます。
でも、柔らかい事が欠点というよりも、
「柔らかいからこそ・・・」という部分が、杉板の良さだと思っています。
柔らかいからこそ・・・ 歩くのに負担が少ない。
柔らかいからこそ・・・ 温かみを感じる。
同様に杉板というのは、、、個人的なイメージかもしれませんが、
洗いざらしのシャツ みたいな、サラサラ感があります。
表面処理するとそれもなくなっちゃいます。
サラサラ感があるから・・・ 裸足になりたくなる。
サラサラ感があるから・・・ ゴロンと横になりたくなる。
ちなみに、猫も、杉板の床は気に入ってくれるそうです。
( 全部施主が言ってます ⇒ 杉の床の暮し )
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そのままがいいか、表面処理したほうがいいか、 というのはなんとも言えません。
でも、はっきり言ってくれと言われれば、
そこまで(表面処理)して傷やへこみを心配するなら、
杉じゃなくていいんじゃないの、という返事をします。
「ヒノキのような硬さが出た」と言っても、
ヒノキだって針葉樹ですから、広葉樹の硬さとはぜんぜん違います。
ウレタン塗装など、表面に硬い塗装をするという事はあるけれど、
そこまでして針葉樹、もっと言えば、無垢材を使う必要もないんじゃないかな~ と思います。
どうゆうふうに考えるかは、価値観でしょうね。
私は・・・人の体だって傷つきもするし歳をとるように、
家の材料だって同じだし、そうゆうものを使いたい、と思うのです。
メンテナンスフリーなんてあり得ないし、
呼吸も変化もない材料で作られた部屋に居ると思うと、
息苦しくなるような気がしてしまします。
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杉板は、あまりに神経質な人・製品のような家を求める人にはお勧めできません。
「まっ いいかぁ」 と思える人、自然な感覚を大切にしたい人なら 大丈夫です。
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杉板の床の家に暮らす人達の感想など ⇒ 杉の床の暮し
家作りを絶対に後悔しないために
「本当はこんな暮しがしたい」
その思いが大切です。
その思いを知り、育て、実現していく家作りをします。
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