昨日の読売新聞で、4件長屋の中の家を解体した祭、隣家の耐震強度が落ちたとして、隣家住民から民事訴訟を起こされたと云う記事が載っていました。
判決は先になりますが、微妙なニュアンスを含みますので、どんな判決が出るか注目です。
本来であれば、建物の構造は自己で完結しなければなりませんので、隣家に頼って耐震性を維持しようとするのは誤りです。
しかし、建築基準法上の長屋の扱いは、棟別に構造を検証することなく、長屋全体で一つの構造体との認識を取っています。つまり、中の家に構造を依存して、両端の家は耐震性が不足している構造体は、合法的に有り得るのです。
そこを裁判所がどう判断するかで、今後の長屋の建替え新築に大きな影響を及ぼす事になると思われます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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