一番いけないと思われるのは、知らない言葉を社名にする例です。架空の例ですが、フランス語で金持ちを意味する、「フィナンシェ」にしようなんて考えるようなケースです。名付けた本人が、直ぐにこれは失敗だったことに気付くはずです。お客さんが、その社名を覚えてくれないからです。
これは、フランス語に限りません。英語でも、ロシア語でも、アラビア語でも、世界の言葉から社名を引用する例は多くあります。失敗と思うのは、お客さんから敬遠される社名は、その会社の商品やサービスも敬遠されます。やはり、このような名前の会社は長くはもちません。
次に、現在はインターネットの時代です。ビジネス内容によっては、ネットで検索されることを期待した社名を考えることがあります。その場合、どこにでもあるありきたりの社名は検索には適しません。架空の例ですが、鈴木工業などと言う会社であった場合、ほぼ検索することは不可能です。
帝国データバンクは、全国261万社を対象に社名の全国調査を行っています。全国で最も多い社名は、「アシスト」で609社です。次いで、「ライズ」、「アドバンス」と続いています。上位13位までは、カタカナ社名です。14位以下には漢字の、「鈴木工務店」、「佐藤工務店」と続きます。
多分、「アシスト」や「ライズ」と言ったカタカナ社名をつけた人は、こんなに同じ社名が多いとは思っていないはずです。「アシスト」の場合、IT関連のビジネスサポートの会社であることは直ぐに判ります。また、社名に使うパーツですが、漢字の第一が「工業」、カタカナが「サービス」、名詞は「日本」です。
これをつなぎますと「日本サービス工業」になりますが、わが国の代表的な社名モデルと言えそうです。起業して社名をつける場合、色んな思いを込めて命名します。最も大事なことは、お客さんから好かれる社名を考えることです。同時に、独りよがりの社名は、独りよがりの商品やサービスと同じで、継続するのに苦労します。
【一言】
社名は、インターネット普及によって傾向が大きく変わりました。以前は、社名に起業家の会社に対する思いを込める人が多かったのですが、現在はキーワードを一ひねりしたり、古くからの日本語をカタカナしたケースが印象に残ります。長く付き合いたい社名ですから、判りやすく、独りよがりにならない社名を考えてください。商品名やサービス名にも同じことが言えます。
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