よもぎが渋谷の道端で青々と生えています - その他の心と体の不調 - 専門家プロファイル

徐 大兼
アキュラ鍼灸院 院長
東京都
鍼灸師

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対象:心と体の不調

手塚 幸忠
手塚 幸忠
(鍼灸マッサージ師)
林田 智成
(薬剤師)

閲覧数順 2017年07月24日更新

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よもぎが渋谷の道端で青々と生えています

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東洋医学

すっかり陽気も春らしくなり一安心。暖かい毎日を皆様はいかがお過ごしですか?

アキュラ近くのこどもの城前広場でも鯉のぼりがそよそよ泳いでいます。




さて、こどもの城裏手の四つ角に毎年生え伸びては刈られてしまう雑草があります。



なんとヨモギなんです。



私は毎年花が咲いてやがて種が出来るのを待っているのですが、あまりの勢いに邪魔がるどなたかが私の想いを余所にばっさり根元から切ってしまいます。

そして「あーあ、早く花の部分を摘み取っておけばよかった...」と後悔するのです。

ヨモギは「蓬」とも書きますが「四方草」とも書くそうです。それは根が強く四方八方に根を張り、どこか地上で刈り取られてしまっても根が地下を這い別の場所でちゃっかり生き延びています。





そうです。それくらい命強い草なのです。

私達が患者様のお身体に米粒よりさらに小さくひねってすえるお灸、或いはおうちで宿題として毎日すえて頂いているお灸に使われるもぐさはこのヨモギが原料になります。

もぐさはちょうど今頃、青々と茂るヨモギの若い葉を摘んで葉の裏にびっしり生える、腺毛と呼ばれる白い産毛を集めて作られます。腺毛からはシネオール、テルピン、αツヨンなどの精油が放つ芳香が漂います。特にシネオールの香りは独特の青々した香りが春のさわやかさを運びます。



先日患者様の一人から世の中にはこんなに沢山の草が存在するのになぜヨモギなのか?他の草ではだめなのか?とご質問を受けました。

そう、その疑問はまさに私がいつも抱いていた事。しかし残念ながら色々調べたものの、納得できる答えは得られませんでした。

でも太古の昔からユーラシア大陸、特に中央アジアや中国北西部で主に温める効果を狙って用いられたもぐさによるお灸ですが、その効能は特に慢性的冷え性、殺菌作用、免疫増強作用のほか、苦味が強いクロロフィルを多く含むヨモギとして食用として用いた場合造血作用、浄血作用、制菌・殺菌作用、免疫機能増強効果が他の植物に比して著しく高く、また、消化器の働きを強化する、具体的には胃痛の緩和、下痢止め、痔の諸症状の緩和、温・冷湿布や塗り薬を作れば優れた切り傷の殺菌と炎症を抑える効果が得られる、そして燻す、蒸すなどで高い温熱効果が得られる、薫れば安眠がえられる、など、当にオールマイティな薬草なのです。ですから世界各地で自生するこの草が古くから人々に愛用されて来て高い評価を受け、「ヨモギをおいて他にヨモギ以上の効能が得られる草は無し」と言われる道理は納得できます。



所で、このよもぎ、もちろん昔々中国大陸でもぐさとして利用される他に、魔よけとして3月3日と5月5日に家の軒先に乾燥させたものがつるされていたそうです。

この独特な香りでもって家の中に邪悪な気が入りこまないようにしていたのでしょう。特に万物の芽吹き時は害虫の大量発生などもあり虫よけとして利用されていた、というのが妥当だと思われます。特に端午という節目は決して喜ばしい時期ではなく、むしろ蒸し暑くなり始める時期で湿度、川の氾濫、食べ物が腐りやすくなるなどという記述もあります。



お雛祭りの菱餅や端午の節句(こどもの日)の柏餅も古代中国や朝鮮半島ではお節句の食べ物として各家庭で作られていたそうですが、現在この風習が残るのは日本のみのようです。

そしてなんとヨーロッパでも古くからヨモギを枕の下にはさみ良い夢見を誘う、またアメリカンインディアンの多くの部族の間でもヨモギが聖なる草木であるとしてヒーリングに使われていたという記録もあります。



先日私もさっそく草餅でできた柏餅を頂きました。

今の季節は特に薫り高く、色も青々としてフレッシュなヨモギを味覚、嗅覚そして視覚で感じました。

この時期が終わるとまたあの、ジメジメした梅雨が始まります。

つかの間のさわやか陽気を五感で楽しみましょう。



鍼灸師 大西葉子

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