呼吸について - その他の心と体の不調 - 専門家プロファイル

徐 大兼
アキュラ鍼灸院 院長
東京都
鍼灸師

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対象:心と体の不調

茅野 分
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(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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 みなさんは、子供の頃、呼吸の仕方について誰かに教わったことはありますか?おそらく多くの人はないでしょう。呼吸は産声を上げた瞬間に自然と誰から教わることなく行っているものです。そして、24時間365日たとえ眠っているときでも、休むことなく続けていくものです。

 仮に、今から意識して呼吸を止めてみても、長くは続けられません。呼吸は自分の意思と関係なく続く命の躍動なのです。でも、呼吸は意識によってコントロールできる部分もあります。誰でも深呼吸をしたら気持ちが落ち着いたというような経験があるでしょう。呼吸は、生命に必須の代謝活動であるとともに、あなたの意思と無意識の躍動を繋げることができる連絡役なのです。



 今回は、24時間365日生命活動を支え、あなたの身体に意思を伝えることのできる呼吸についてのお話を少しいたします。


 まず、呼吸の仕組みについて簡単に触れましょう。呼吸とは、鼻から大気中の酸素などの人間の活動のエネルギーの材料となるものを肺に取り込んで、不要になった二酸化炭素などを排出する行為です。これを外呼吸といいます。同時に、取り込んだエネルギーの材料は、血流などにのって、体中の細胞ひとつひとつに届きます。そこでまた、不要な物質を排出し、静脈などに乗って肺に戻しています。これを内呼吸といいます。

 あなたが息をするということは、肺の中での活動に留まらず、身体全体のエネルギー代謝の流れの大切な原動力であることがわかるでしょう。深呼吸を続けていると、頭もすっきりして、手足も温かくなっていくのは、このような外呼吸と内呼吸の関係によるものです。



 では、息をするという行為は、身体のどのような動きで行っているかについて話を進めてみます。肺での酸素と二酸化炭素の交換は、肺の収縮によって行われています。しかし、肺自体には収縮する筋肉はありません。息をするという行為は、主に横隔膜という肺の下に張り付いた筋肉の収縮によって行われます。横隔膜は、胸骨(みぞおち)肋骨(あばら骨)、腰椎(背骨の腰の部分)から、お腹の中央にかけてドーム状に張り付いた筋肉です。この筋肉が収縮することで、肺を広げて、空気を中に取り込んでいます。しっかりお腹を使ってする深い呼吸が重要であることが、このことからもわかるでしょう。

 横隔膜には、肺が張り付いている以外にも、大きな動脈や静脈がその中を貫いているなど、重要な臓器が張り付いています。その中でも、肝臓は人体の臓器の中でも大きく、重さがあるので、肝臓が横隔膜の動きで上下することによって、身体中の血流や、腸内の動きを促すポンプとしての働きをしてくれます。

 しっかりとした呼吸が、身体の様々な働きにとても重要であることが、今までのお話しでとてもよくわかったと思います。これだけ重要で、24時間365日行っている呼吸ですが、理想的な呼吸の方法というのは、意識して中々できていません。ヨガや禅の世界でもまず呼吸法が重要視されるように、しっかりとした呼吸を身に付けて、状況に応じて上手く利用していけば、心も身体も健康になることができるでしょう。



 けれども、呼吸法にも、色々な種類があり、正しいやり方を覚えることはとても難しいものです。今回このブログで紹介したい簡単な方法は、まず深呼吸をしながら、上記で呼吸の仕組みを解説したように、呼吸が肺の中に空気を送り込むことだけではなく、身体の隅々まで必要なものを送り届けるスタートラインであり、不要なものを送り出すゴールであることをイメージして、身体全体の感覚を味わっていただくことです。

 

その際に、注意をしていただきたいのは、



1.鼻を使って息をする。

2.背筋を正して力を抜いて肺が一番大きくなるような姿勢になる。

3.お腹が膨らんだり、しぼんだりするのを意識して呼吸してみる。

4.息を最後まで吐ききる。



 1.についてですが、口は本来呼吸するための場所ではないため、鼻を使うようにしてください。


 2に関して、猫背になっていたり、肩に力が入っていると、肺が本来広がるはずの分だけ大きくなれません。デスクワークなどの姿勢では特に呼吸が浅くなってしまいがちなので、時々、姿勢を正して身体の力を抜いて深呼吸してみてください。肺が大きく広がらないと、排気量の小さな車と同じで馬力がでません。

 3.に関して、呼吸をするときに、胸だけで呼吸するのでなく、お腹も使って呼吸してください。横隔膜は腰椎やお腹の中心に繋がっているため、それらの場所を総動員することで、より肺を大きく広げて効率のいい呼吸ができるようになります。

4.息を吐ききると、力を抜くだけで自然に息が肺に入ってきます。

 上記のようなことに気を付けて、緊張する場面や、仕事の合間、眠る前の時間などに、肺の中に大きく息を取りこんで、全身にめぐらし、不要なもの、緊張、悩み、怒りなどの感情を押し流すように息を吐き切ってみてください。

 

 呼吸に関する筋肉は、鍛えずらいタイプのものなので、しっかりと習得するのは、大変ですが、毎日繰り返し行うことで、身体がイメージとともに動きを覚えていってくれますので、ほんの少し空いた時間に深呼吸を意識してみてください。呼吸によって、24時間365日、意識しなくても自然と身体にいいことができるようになれたら理想的ですね。




アキュラ鍼灸院 鍼灸師 小林










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