「なぜ結婚するのですか？」「結婚の定義は？」を考えたことはありますか？　

先進国の間では「結婚率」が歴史的な低さを示す現在、Marriage【結婚】と　Cohabitation【生活を共にする事】 との差がどんどん小さくなって来ています。　いや、差が小さくなるどころか、Cohabitation【共同生活】の有利さが【結婚】を追い抜いてしまいそうです。

（集団主義、そして男性優位社会をあきらめたくない日本では、まだまだ頑なに法律で縛られた「結婚」を優位な立場に留めておくための抵抗が続いているようですが。）

果たして「結婚」という法律上の共同生活と、自分の選択のみで決められる「共同生活」とはどちらが勝つか！を調べた研究が発表されました。　(Musick, K. 2012. Journal of Marriage and Family)

勝敗

１回戦　【心理的な満足度、幸せ度】

共同生活の勝ち！

幸せ度、自分に対する評価の高さでは共同生活のカップルの方が勝ります。

｢結婚｣という法律の尺度なし環境では、カップルのお互いがより大きな自由を感じ、独立した個人との認識を持ち、自分の個人としての成長を続けていけると感じています。

夫と妻は一体化した価値観を持ち、一体化し人生を進んでいくものだという、無理な思い込みから来る心理的ストレスがないのかも知れません。

２回戦　【身体的な健康度】

結婚の勝ち！

恐らく「結婚」という法的な関係のもたらす利点からだと考えられますが、結婚しているカップルはお互いの健康状況にかなり気を配ります。　医療保険などをかける確率も高いです。

特に男性には「結婚」相手が自分の健康状態を管理してくれることによる利点が大きいようです。　
（それで、日本の法律はなかなか変わらないのかも。　政治家はほとんど男性という有様ですから。）

しかしながら、この健康度の利点は「結婚」の初期のみで、２～３年のちには消滅すると報告されています。
（残念でした。）　

３回戦　【社会生活】

引き分け

「結婚」であろうが、「共同生活」であろうが、愛し合い片時も一緒にいたいと思うカップルの社会的行動は少なくなります。　一日の限られた時間は二人だけでロマンチックに過ごしたいわけですね。

二人でいるだけで、感情は高揚し、満足しているならば、友達、また親や兄弟との関係も同じく大切だなどは思わなくなるようです。

（集団主義の日本では、「結婚」はまだまだ面倒くさい家族がいっぱい顔を出すようですね。　ということは？　「共同生活」の方が、頻度は減れど、自分の選択する自由な社会生活を続ける可能性が高いことになる可能性が高いですね。）

このような違いがあると研究は示しています。
結局、「結婚」「共同生活」どちらを選ぶかは、個人の自由。　自分の人生での大切な価値観で選ぶことが一番だと思います。

あなたには何が一番大切ですか？

（Psychology Today. June 2012 Edition)