大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「12/30 カナダ留学2023年のワースト4と2022年ワースト4」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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12/30 カナダ留学2023年のワースト4と2022年ワースト4

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留学 大学・高校正規留学 2023-12-31 07:31

またカナダ留学のまとめを書く年末になりました。

いいニュースはあるかなぁと、2023年の出来事・相談を振り返ってみましたが、ふむ。。


昨年のコラムはこれでした。

「カナダ留学 - 2022年のWorst4」 Jan.1,2023投稿
(カナダ時間2022年12月31日投稿が日本では時差のため1月1日となってました。)


2022年は、相談で一番多かったのが、「子供がどうしてもというのですが、どうも親としては納得出来なくて。助言をお願いします。」 

一生懸命考えていらっしゃるようで、でも、「子供が行きたいというので。。家の子はこんなに優秀なんです、だからうちの子だけは大丈夫ですよね。」という、まるで私からのお墨付きが求めているような相談が2022年には多かったです。

「高校留学」自体が破壊されている中に、どんな優秀な日本の子供がやって来ても同じ。

その泥沼の中に吸い込まれてしまうだけなんですけどね。


2023年は、「エージェントが信用出来ない」と、まず子供を諦めさせるんですが、結局日本の学校でもやる気のない状態のまま。

親も子供もどうしたらいいのか、迷っている相談が多かったです。

これについては、様々な提案を行い、2024年には本格的に始動させると計画です。


2023年の特に大きな変化は、相談メールの2極化でした。

非常に丁寧で真剣な相談、そこから交信が始まりかなり親身なヘルプが出来たケース

あれも、これも教えてほしいとの一方的な相談、返信しても「ありがとう」さえないケース。

残念ですが、後者が大部分を占めます。

 

結果、Canada News for Youの立ち上げとなりました。

メンバー限定のコラム、そして相談対応はメンバーのみ。

そのCanada News for Youから親のみなさんとの興味深いコミュニケーションが始まっています。


本日は2023年最後のコラムということで、Canada News for Youメンバー限定ではなく一般公開と致します。

内容についての更に深い情報が必要な方、または個人的な質問などはCanada News for You内のDiscussion Forumからお寄せ下さい。丁寧に回答させていただきます。

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まずは、2022年を振り返って。

2022年はこんなワースト4を書きました。


1:高校留学し、突然退学通告、強制帰国の日本人高校生がかなりの数に。 

かなり相談が多かったですね。

大体半分ほどは本人の落ち度というより、学区とエージェントとホストにまんまと悪者にされ、1年分の費用+を丸々返金なしで失いました。日本にも戻れる高校はなく、その後どんな道筋を辿ったのかと心が痛みます。 

もう半分の強制帰国は、『カナダは自由だから』と完全に思い違いしやって来て、カナダの法律、学校の規則を破り即刻退学・帰国になったケースです。面談をした高校生もいますが、全く罪の意識もなく、親も「どうやったらカナダに戻れますか?」しか関心がなかった呆れるケースでした。

一生同じ間違いをしながら生きていくのかなと、心が沈みました。


2:カナダ大学レベルに対応出来ない留学生続出 

パンデミックの教育不在高校を経た生徒に多かったケースです。

留学生だけでなく、地元カナダの学生にも大学レベルに対応出来ないことが多く、大学側が大きな危機感を持ちました。

その後、ついていけない学生用の高校の内容を復習するプログラムなどを作った大学もありました。

世界ランキングに名前が出る有名大学は別として、その他の中堅大学が、一斉に授業でつける成績のレベルを下げ始めたと感じました。(どの大学もそんな表明はしませんけどね)


2023年、日本人留学生の中にはこの問題は更に悪化して続いています。


3:カナダメデイアが「カナダ留学の膿」を暴露し始めた 

カナダ主要メデイアがこぞって留学受入体制について大いなる疑問を投げかけた2022年でもありました。

留学生を詐欺の獲物とし、何でもありの語学学校・カレッジ・リクルーター(エージェント)の悪事が続々明るみに出て来ました。

それほど、カナダ留学に群がる詐欺が多いということです。


2023年にはこれを真剣に捉えたカナダ政府が法制改革に乗り出しました。

悪質エージェント排除のルールが出来ました。

学生ビザ審査も厳しくなりました。


4:カナダのどこに留学しても日本人だらけの怪 

どさどさ、日本の高校生・大学生が、わざわざカナダで日本人だらけのクラスで勉強するためにやって来ました。 

2023年はますます日本人だらけのカナダ留学事情が悪化しました。

安易な生徒集め用の「高校1年短期留学」「大学体験留学」(交換留学という名前をつけている日本の大学もあるようですが、実際は交換ではなく、ただ単にカナダ側が簡単なESLを用意して遊んで帰ってもらうためのビジネスです)で、勉強自体には興味のない英語も出来ない日本人が大量にカナダに来ています。 

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さて、2023年にはどんな変化があったかな。

じっくり眺めてみましょう。


2023年カナダ留学ニュースワースト4


1.Housing Crisisと異常に高騰する学費と生活費すっぽり飲み込まれた留学生 

カナダのHousing Crisisは国家レベルの大問題です。

特に大都市圏では、年収$70,000(約¥700万)でも賃貸を払えないレベルです。

住宅購入に関してはカナダの若者はすでに一生無理だと諦めている状況。

1戸建て2bedroomの住宅に億がつくレベルですから。


賃貸は異常な値上りに加え、数そのものが足りません。

そこで1番しわ寄せが来るのは、カナダで1番弱い立場の留学生です。

大学の寮も満員状態、大学近くの賃貸も探せず、仮に見つけたとしても余りにも高い家賃のため、一部屋だけのアパートに6人くらいの学生がぎゅうぎゅう生活することも普通になって来ています。


住居以外の生活費も、おさまるところを知らないインフレにより天井知らずの値上りです。

国のFood Bankも満員状況、大学が提供するFood Bankにも学生が殺到している有様です。


現在のカナダ大学留学には学費を入れて年間600万〜1,000万の費用がかかる時代となりました。

更に大きな問題として、生活費の高騰・住宅難の原因はたくさんの移民と留学生がカナダに来るからだと、カナダ人の中には名指しで攻撃する傾向も出てきているのが心配です。


9/13 カナダ留学ニュース:住むところがないのは留学生のせい? 


2.高校留学受入側の崩壊ー特にBC州 

カナダ社会の混乱がそのまま影響しているのが、州が管轄する高校教育です。

特に、BC州の混乱が凄まじいです。

・州教育省の無能により、ある特定の学校に集中する生徒数をコントロール出来ず(移民・留学生の急増も原因)、教室がぎゅうぎゅう、机や椅子も足りない。

・教師不足が最悪な状態に達しており、核となる主要科目にも正式教員を配置出来ず、代替教員がただ教材を配り生徒は自習というとんでもない状況が続く。

・日本からの高校留学生も英語力不足にもかかわらず、ESLなどの正式講師不足のため、何のケアもないまま通常クラスで適当に過ごす。成績は、ただクラスにいたからというだけの合格点がもらえ、何年たっても英語力どころか将来に必要な学力がつかない空っぽの高校生活。


相談の中でダントツに多い「カナダでベストな留学先を教えて下さい」に応えるため「避けるべき学区」を公開したのも2023年です。


11/20 カナダ高校留学で避けるべき学区 - その1

11/28 カナダ高校留学で避けるべき学区 - その2

12/6 カナダ高校留学で避けるべき学区 - その3

PISAテストの結果が語る「高校留学」の怖い現実


どこに行っても日本人だらけの異常事態はますます悪化しているようです。

カナダ留学警告:日本人であふれるカナダの高校・語学学校・ぎゅう詰めのホームステイ


3.カナダ大学レベルがパンデミック以前に戻り立ち往生する日本人留学生

カナダの大学をなめまくってやって来る日本人があとをたちません・

相変わらず変わることのない日本の教育に業を煮やした親たちが背中を押しているんだと思いますが、カナダの大学は冗談ではないですよ。

日本の高校のトップクラスの成績、英語能力はカナダの同年代と同じレベル、特にクリティカルシンキング・エッセイWritingのカナダGrade12レベルまでの準備を日本で済ませておくこと。

これがないと、学位取得は不可能です。


1年に600万、いやそれ以上の大金をかけて何も資格なしで帰国する日本人留学生。

せめて、カレッジのDiploma持って帰りましょうと、提案することの多い2023年でした。

「え。。大学に来たのに。。」と聞く耳持たない方が多かったですけどね。あ〜あ。


カナダ側も、こんな方法を使い始めましたよ。

能力なしではカナダのビザも発給しません、と。


カナダ裁判所決定-移民局には母国で成績不良の学生ビザ申請却下の権限あり


4.カナダ大使館の留学フェアでMisleadingな勧誘をする学区・エージェントの犠牲になる日本人が増えてます

「大使館でやっているフェアだから信用してしまいました。」との相談が結構あった2023年でした。

大使館は場所を提供しているだけ、しかもカナダの国に授業料を落としてくれる日本人が増えるのは国益だと思ってるので見て見ぬふりだということを認識しておいて下さい。

カナダ大使館の留学フェアでエージェントがどんな嘘を語ろうが、学区からのセールスマンがどんな誤魔化しの説明をしようが、大使館は責任を持ちません。


ビクトリア学区からのセーするマンにまんまと騙され希望を抱いてカナダに行ったものの、「騙された」と結局帰国した日本人高校生の声も聞きました。

Watch out!


最後に、2023年にちょこっと変化した相談内容。

「「エージェントの宣伝を鵜呑みは出来ない、何かおかしい。。。?」と賢明な親が増えていることに光を見た気がします。」

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