大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダの語学学校ILACの誇大宣伝」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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カナダの語学学校ILACの誇大宣伝

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留学 大学・高校正規留学 2019-11-24 08:37

トロントとバンクーバーのダウンタウンにあるILACという大規模な語学学校。

一体どんなことをやっているのか本当のところを探るため、バンクーバー校を飛び込み訪問してみました。

 

世界から、特にアジア、インド、中東、アフリカからどどっと留学生が押し寄せるカナダ。

それを受け、カナダの大学が方向転換を始めました。

 

英語能力レベルの低い留学生は、まず語学学校に行って! 大学では面倒を見る余裕がないから!」

です。

 

そこに「商機あり!」と割り込んで来たのがILAC.

ウェブサイトやパンフレットにも、「多くの大学と提携してます!うちで英語の訓練をするとこんな大学に入学出来ますよ!」と。

University Pathway Programと称するコースのことです。

 

そこに少々問題が。

いわゆるカナダを代表するような有名大学の名前はありません。

 

例えばアルバータ州。

名の通った歴史のある大学のUniversity of Alberta もUniversity of CalgaryもUniversity of Lethbridgeもありません。

あるのは、え?こんな学校あったっけ?という所。

わざわざこんな学校に通うために留学する?という所。

 

BC州も同様。

別にILACになんか行かなくても、直接入れるESL/ELLを持っている学校や、それほど高い英語能力は必要ないのがほとんどです。

中で一番大物がUniversity of the Fraser Valleyですが、そこには大きなからくりがありました。

ILACの過剰宣伝です。

 

「ILACのUniversity Pathway Programを終了すると、こんな大学に入学出来ます。」の過剰広告を暴こうと、バンクーバーダウンタウンにある学校の乗り込んで見ました。

 

Waterfront に位置し、周りは商業施設ばかり。

勉強はおまけ、ただバンクーバーに遊びに来たい若者が飛びつきそうな立地です。

 

ビルの2階にある学校に上がるためにエレベーターに乗りました。

ドアが閉まる寸前に飛び込んで来た、中国系っぽい若い女性。

流行の洋服に身を包み、髪を金髪に染め、もちろんスターバックスの大きなカップを抱えています。

あのクリームがたっぷり乗ったカロリー爆発の飲み物をすすりながら。

 

「おぅ、あなたが私と面談の約束をした人ね。わかるわ!」と、いきなり。

え?と無言でいると、「あ、違うの? あら。」とさっさとエレベーターを降りて行きました。

明らかに、ILACのスタッフですが、さっさと先にエレベーターを出ていきました。

あらら、スタッフの教育が出来てないかな?

 

受付は豪華。

2人ほど座っていたアジア系の女性のうち、年配の方の方へ。

ベトナムからの方で、ベトナムからの留学生担当だそうです。

英語は。。。ふむ。。「この学校で習った?」

 

University Pathway Program について話が聞きたいと言うと、カウンセラーのところに連れて行ってくれました。

特に部屋があるというよりは、無理に作ったような長い隙間に机が3つ並び、そのうちの2つに若い女性カウンセラーとやらが。

1人は、さっきのエレベーターを先に降りて行ったクリームたっぷりスターバックスお姉さん。

誰かと話してます。

 

もうひとり、東ヨーロッパ系かなと思う女性の前に座り自己紹介と訪問目的を告げると。

早口でウェブサイトにあった内容をこっちの目も見ずに喋り始めました。

若い高校生かと見紛うような幼い女性です。

 

People skillのないカウンセラー。

通う生徒は困るだろうなと。

 

チャラチャラと喋り続ける内容は退屈きわまりなく、しばらく我慢しましたが、たまりかねて質問。

 

「で、ここのPathway コースを終了したら、ウェブサイトに書いてある学校に直接入学が可能なんですね、本当に。」

 

やっと、こっちの目を見て、”Correct.”

 

「University of the Fraser Valleyもですか?」と聞いてみると、急に声音が変わって

「あぁ、あそこは大学への正式編入はさせてくれないわよ。 うるさくてね。 あそこの大学は、ILACを卒業してもESLにしか入れないわ。」

 

やっぱり。

嘘やん。

誇大広告やん。

 

「ということはここのPathwayコースのレベルをUniversity of the Fraser Valleyが認めていないということですか?」

 

ギロリとこっちを見て、やっと私に興味を持った顔をしましたが、納得いく答えは持っていないようです。

「担当者がそういうからね。」

 

は?

 

もっと突っ込んでやろうと「担当者ってJoyce(仮名です)ですか? 私もよく知ってるんですけど?」と畳み掛けると。

「あ、あの人ね。 もちろん私も親しいわ。(ウソつけ!) メールの返信は早いわよ。」

 

これ以上時間を無駄にしたくないと、お礼を言って退席しました。

こんなのがカウンセラーねぇ。

 

教室を観察して、はたまたびっくり。

無理やり間仕切りをしたような小さな小さな教室がいくつか並んでおり、そこに長机が3つか4つギュウギュウにあります。

生徒も肘が触れ合うように座り、インストラクターはホワイトボードに何か書いて喋ってます。

生徒たちは、前を向いているのもいれば、スマホをいじっているのも。

集中度はかなり低そう。

 

生徒の雰囲気は、「カナダに勉強に来た」からは程遠いものでした。

 

日本の教育制度で頑張り、良い成績をおさめ、ある程度の英語準備も済ませた優秀な日本人が来るところではないですね。

「なんじゃ、こら!?」と感じると思います。

 

語学学校とは、大なり小なりこんなところです。

 

誇大か、嘘の宣伝と、訓練の出来ていない素人がカウンセラーと称し、他に仕事がなかった人がインストラクターで雇われ、母国でもレベルの低かった留学生が「遊び目的」に通うところが「語学学校」。

 

真剣にカナダ大学進学を目指す日本のみなさん。

語学学校には決して行かないように。

「嘘」に騙されないようにね。

 

30年の経験とカナダからの観察結果からの忠告です。

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