大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
とてつもなく低かったEnglish12の最終成績
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こんなことって起こるんですね。
カナダBC州の高校生が高校卒業と大学進学をかけて挑むGrade12の最終試験。
すべてのGrade12のコースは、学校の授業での成績が60%, 州試験の成績が40%で計算されます。
特にEnglish12の州試験の出来は、大学進学に影響を与える重要な意味を持ちます。
その州試験の結果はオンラインで見ることが出来るのですが、なんと!
州のオンラインシステムの不具合で(或いはとんでもない採点者がいた?)、成績はすべて “insanely low” (狂気の沙汰ではないかと思うほど低い)だったそうです。
オンラインで自分の成績を確認した高校生は真っ青。
「大学入学を取り消される!」と生徒と親の間に広がった”lots of fear and panic”
カナダのGrade12高校生は、卒業に必要なすべての授業を6月までに終了しますが、州試験は普通6月の後半に行われ、成績が8月の上旬に発表されます。
授業での成績と州試験の成績を合わせた最終成績が希望している大学に送られるのも8月中旬です。
カナダの高校生が希望大学に出願するタイミングは結構早く、もちろん州試験も成績も、Grade12の授業の成績もまだ出ていない状態で行います。
出願時点での中間成績(Interim Report)を提出し、それを基に大学が受入れるかどうかを判断します。
例えば、希望大学にアクセプトされる最大の決め手となるEnglish12の中間成績が95%だったとしましょう。
かなり優秀な成績ですので、大学側は最終成績もおそらく同程度だと推定、また州試験の成績も同じレベルのはずだと推定し、生徒の入学を認めるかどうかの決定を行います。
普段の年のEnglish12授業成績と州試験成績との差は、3%程度だと言われています。
授業の成績が極端に高く、州試験の成績が極端に悪い場合、その生徒の学校のEnglish12指導レベルが問題となりますし、時には不正が行われているのではないかと調査になる場合もあります。
(余談ですが、このため日本からの高校留学生がEnglish12の授業さえもパスすることが非常に難しいわけです。 EN10, EN11は先生が外国から来て頑張っている生徒への情状酌量としてパスさせてくれる学校もありますが、English12となるとその手は通用しないからです。)
ところが!
オンラインで出た結果は、なんとGrade12 Englishの試験のあと、生徒全体の成績が36%近く下がったという正に”lots of fear and panic”状態になりました。
授業で教師がつけた成績と、州試験の結果との差が「正気ではないほど大きかった」ということです。
授業成績が95%だった生徒の州試験後の最終成績は60%という悲惨な結果です。
希望大学が入学を取り消してもおかしくない低スコアです。
あらら。
94%というEnglish12の優秀な授業成績で州試験に望んだある生徒。
オンラインで確認した成績は22%!! え~~!
98%の授業成績で州試験に挑んだ生徒の州試験はなんと3%!!!
そんなはずないやろ~~~?!
ま、BC州はオンラインの不具合は解決したと発表していますので、”fear and panic”はやわらいだ頃だと思いますが。
なんとも人騒がせな州試験システムのニュースでした。
日本人留学生で今年のEN12 Provincial Examを受験したみなさんもこの不具合でパニックになったのでは。
信じられないようなことが起こりますね、外国では。
(カナダ高校のEnglish12のレベルを知りたい方はこちら)
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