大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダ高校留学で避けるべき地域 - エドモントンまでもが移民反対運動
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年末になり、危ない情報ばかりが続きます。
トランプアメリカの最悪の影響が、カナダ社会にも広がっているのが誠に残念です。
私が現在住むアルバータ州の州都エドモントンにも、「白人以外は来るな!」デモが起こるようになりました。
カナダでは、人種問題は、面白いことにまずケベック州から始まります。
カナダで唯一のフランス語圏であるケベック州は、フランス語をルーツとする自分たちの文化を守るため、カナダの他の地域とは少々異なる考え方を持つ人の集まりです。
「カナダ国内でフランス語を使う自分たちが差別されている」という偏見を持ち、その鬱憤が移民排斥に向かう傾向があります。
(詳細はモントリオールの人種差別問題をとりあげたコラムをお読み下さい。)
その次に火の手が上がるのが、トロントを抱えるオンタリオです。
銃による殺人事件の増加など、高校留学にはマイナスの要因が山積するトロント地区でも、有色人種を嫌う白人が教育委員会に影響を与えたりと、困った事態になっています。 (トロント地区の人種差別問題コラム)
そこから西に向かうと、マニトバ州、サスカチュワン州とありますが、日本人高校生には全くお勧めの場所ではありませんので、ここでは割愛致します。
またの機会に「なぜお勧めではないか」をまとめてコラムに致しますので、お待ち下さい。
あ、オンタリオの東、大西洋岸に向かわなかったことに気がつきましたか?
オンタリオから東は、日本の未成年が向かう所ではないですね。
人たちも、社会も、みんなヨーロッパを向いています。
アジアの島国から来た黄色人種の子どもたちには溶け込めない文化が存在します。
今回の主役のアルバータ州を飛び越えて、ブリティッシュコロンビア州に行きましょう。
特にバンクーバー地域は、白人の人口の方が少ないのではないかという他民族構成ですので、もちろん人種差別白人はいますが、移民排斥運動は起こしにくい環境です。
その分、インド系・中国系・ベトナム系などのギャングが幅をきかせています。
未成年の留学には危険が伴いますね。
場所の選択を誤るとかなり危険です。
バンクーバーを除くBC州の他の地域は、どこからの移民が多いかにより、雰囲気はがらっと異なります。
インド系がほとんどを占めるのではないかを思える地域、中国系であふれかえる学校、イランからの移民が非常に増えている地域、韓国人のコミュニティが強い地域など、様々です。
そんな中に未成年の日本人高校留学生を送る際には、事前の情報がかなり必要となります。
白人からというよりも、他の移民民族から差別される可能性もあるからです。
さて、アルバータ州。
カナダにベースを移したあと、約2年半観察した州です。
大平原の広がる田舎の人達は「移民反対」です。
移民を寛容に受け入れる方針のJustin Trudeau首相をこきおろす人たちの言い分は「私達より移民の方が大切なとんでもない首相」です。
広大な農地を所有し、大規模農業や、肉牛の飼育などを行う人達に特に多い自己中心的な考えです。
自分たちの所有している農地は、もともと先住民族のものをただ同然で取り上げたものです。
みんな最初は移民だった人たちなんですが、すっかり忘れたように「移民」を敵視するか、見下す傾向には嫌悪感さえ感じました。
従って、日本からの高校留学生には興味はありません。
むしろ、自分たちの住んでいる町に迷惑な存在と捉える人も多いです。
田舎の爺さん、婆さんたちが、町にひとつあるTim Hortonsなどのコーヒー店に集まり「移民反対話」ばかりしているのには辟易しました。
アルバータ州の田舎、また都会のくせに内向きなカルガリーと比べ、エドモントンは移民の存在がかなり大きいです。
世界のあらゆる場所からの人たちが集まっているのではないかと思えるほどです。
教育Levelの高い白人も、大学の街ですから、たくさんいます。
リベラルな考えを持つ人が多い分、移民には住みやすい街だと思います。
が、オイル資源で儲けるアルバータ州の欠点でもありますが、高校を出ただけでも、あるいは高校も出ていなくても、オイル現場での仕事が豊富でした。
ところが、現在オイルの価格が下がり続け、教育を受けていない白人の職がどんどん脅かされています。
職がなくなると、向ける矛先がなぜか「移民」なんですね。
「移民を入れるな!仕事を奪っているじゃないか!」
自業自得の成り行きだと思いますが、なんて勝手な言い分だと怒りを覚えます。
カナダ高校留学を計画中の方には心配な情報ですが、避けるべき地域を把握しておくことは非常に大切だと思います。
わざわざ危ない地域に子供さんを送られることのないよう、これからも情報を発信していきますので、「削除リスト」としてお考え下さい。
留学生の授業料がほしくてたまらないエージェントと、受け入れ学校からは、このような情報は得られませんので、お役に立てると思います。
Watch out!
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