大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダ高校留学予定の方へ警告 - トロントスクールボードの人種差別問題
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カナダへの高校留学・中学留学を希望し、どこの地区がいいのか、どの学校がいいのかというご相談をいただくことが多いです。
1994年からカナダにやって来る日本人留学生への支援を行っていますが、スクールボードや学校からリベートをもらうエージェントではありませんので、どの地区も学校も公平な立場で評価出来るのが強みです。
スクールボードや学校との契約に縛られることなく、カナダの受け入れ先にも自由に文句を言い、交渉し、日本の留学生を守る姿勢を貫いております。
そんな立場から、本日は、カナダ高校・中学留学を考えている方たちへ、カナダ国内で起こっていることをお伝えします。
留学生本人の、能力・適性を把握するまでは、特定の留学先をお勧めするのは余りにもいい加減で、はばかられますが、「お勧めではない地域とその理由」はどなたにも当てはまりますので、カナダの情勢をお知らせすることにしました。
トロント地域への留学は、世界情勢が落ち着くまでは控えることをお勧めします。
もともと、カナダ東部への留学は高校生・中学生にはお勧めではないのですが、最近のトロントスクールボードに嫌な予感がしております。
スクールボードの管財人に選ばれた女性 Terrell-Tracey が、人種偏見に満ちた発言を繰り返しています。
スクールボード自体は、それを止める権限はないようで、現在カナダのニュース、SNSなどで話題になっています。
管財人選出への自分のライバル(Ms.Singh)がカナダ生まれではないことを、SNSで批判したのが発端です。
「みんなに知ってほしいことがあります。認識してね。Ms.Singhはガイアナ生まれ。カナダで生まれていない人を支持するの?」
スクールボードはTerrel-Traceyに辞任を促しました。
発言は「人を傷つけ、攻撃的、人種差別的、外国人への嫌悪感」に満ちていると。
人種差別・外国人への嫌悪感を現すことは、カナダ社会では厳しく禁止されていることなのですが、最近のトランプアメリカに影響され、カナダ、特に東部では、このような人物が大手を振って人種差別発言を繰り返すようになりました。
Terrel-Traceyは辞任の意志はなく、スクールボードにも強制的に首にする権限はないそうです。
留学生の運命を決めるのは各スクールボードです。
学校選定、成績の評価、ELL(ESL)サポートの内容、普通授業に入れるかどうか、ホームステイの選定・問題、強制帰国への方針など、留学生の運命は、すべて行き先スクールボードが独自に持つ留学生観に大きく左右されてしまいます。
日々の業務をこなすのはInternational student programという部所になりますが、運営・人事などに発言権を持つのが管財人です。
さて、「カナダ生まれでない」ということで、人を差別する発言を繰り返す人物がそんな決定に力を持つとしたら?
怖くて、日本の子供は送れませんよね。
いかに、「うるさい日本人」との異名を取る私でも手出しが出来ません。
また、トロント地域は、最近特に銃の事件が横行しており、普通に街を歩いていた人が銃撃で殺されたりする凶悪事件が頻発しています。 未成年をひとりで送り込むのには、避けるべき地域だと思います。
世界全体が、とんでもないトランプアメリカ人種差別に巻き込まれ、憂うべき現状が続いている中、カナダでも残念ながら白人至上主義、有色人種差別主義者が調子に乗ってきています。
特に東部カナダでは、もともと、アジアよりヨーロッパに顔を向けた地域ですので、日本からはるばるやって来る留学生を「日本人」というより「アジア人」全体のカテゴリーで見てしまう傾向が強いです。
それだけでも日々ストレスが多いところに、人種差別の色がかなり浮き出て始めた社会での生活は、未成年にはお勧め出来ませんね。
カナダ情勢、更に詳細をご希望の方はお知らせ下さい。
お役に立てると幸いです。
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