大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「留学」を「海外旅行」と間違えてませんか」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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「留学」を「海外旅行」と間違えてませんか

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留学 大学・高校正規留学 2018-04-21 02:21

「留学」の意味を「英語ごっこ旅行」と取り違えている若者が多いことに呆れ続けていますが、その代表のような質問に遭遇しました。


【質問】

 

私は今高校3年生です。

高校を卒業したら留学したいと考えています。
留学先や期間にもよると思いますが、ホームステイなど色々含め大体どのくらいかかるものなのでしょうか?
長期と短期それぞれ教えて頂きたいです!


【回答】

自分特有の能力は何で、自分にはどんなスキルがあり、その能力とスキルを伸ばすには日本以外の教育制度の方が適している。

日本の外で学問を積むには、高い英語力は絶対必要条件。

その条件は満たすと仮定し、次に進む。

自分に一番適した教育制度の国を、自分でリサーチし、教育機関とコンタクトを取り、留学計画を立てる。

期間も費用もそこで概要が把握出来る。


以上が回答です。

カナダ在住、30年近くに渡り、日本から来る優秀な学生の支援をしています。


相談者の方は、「留学」と「海外旅行」を取り違えているようです。


「海外旅行に行きたいです。

高校卒業旅行をしたいです。

行き先や期間にもよると思いますが、滞在費など色々含め大体どのくらいかかるものなのでしょうか?

長期と短期それぞれ教えて頂きたいです。」

と同じに聞こえます。


旅行代理店に行けば、「客が来た!」とばかりに、懇切丁寧にプランを説明し、切符、ホテルの手配から何から何までやってくれます。

あなた自身の特性、旅行目的、帰国後のことなど、海外旅行代理店には関係ないですから。


現在の日本の風潮で、非常に恐ろしいのは、「留学エージェント」も「旅行エージェント」も同じ対応をすることです。

「客が来た!」と、自社と繋がりのある、リベートをしこたま出してくれる学校を紹介します。

懇切丁寧にセールスし、手配もやってくれます。

ですが、あなた自身の能力・特性、留学目的、留学効果、帰国後の行末などには、全く無頓着です。

「ひとり送っていくら儲かる」という単なる「送り出しビジネス」ですから。


その意味では、「旅行代理店」の方が何倍も良心的です。

きちんと日本まで無事に帰れるよう面倒みてくれますからね。

「留学エージェント」は「はい、いってらっしゃ~い。後は知らないからね〜。」です。


なぜ、日本では「留学」がこのように扱われるようになったと思いますか?


相談者のように、「留学」の意味を完全に勘違いしている若者が増えたからです。

「留学」と「海外旅行」の区別もつかないまま、カナダや他の英語圏に来てしまった若者は迷子です。


受入国、学校にも何のプラスにもならないし(授業料の儲け以外は)、帰国後に評価対象にもならない経験など、就職にはプラスどころかマイナスに捉えられる可能性が大きいです。

英語力? 話になりません。

ただ外国の「英語コース」で遊んできただけという薄っぺらい「留学ごっこ」の内情は、日本の採用担当者にはバレバレですから。


まずは、自分を知ること。

他と比べて優れた能力が、外国での教育制度でよりよく開花するかどうかを、よく吟味すること。

そして、英語というクリティカル・シンキングそのものの言語で何年も勉強することに耐えれるだけの知的好奇心と学習能力を持っているかどうか。


それが、「留学」するべきかどうかを決める最初の大きなプロセスとなります。

 


Good luck!



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