大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「日本の大学生に大流行「留学ごっこ」」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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日本の大学生に大流行「留学ごっこ」

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留学 大学・高校正規留学 2017-11-25 03:04

日本特有「みんな一緒に同じことを」が見事に現れている相談に出会いました。

大学からの「短期留学?」が大流行。

能力があるから外国に留まり勉強するのではなく、能力も英語力もない日本の大学生が、お仕着せ既成のプログラムで外国体験をするだけの「留学ごっこ」。

すでに、日本では当たり前の「みんな一緒の習慣」になっているようです。

役には立たないにも関わらず。

 

(質問)

留学は大学時代にしておくべきなんでしょうか? 大学側は「留学しておけば就職活動の時とても役に立ちますよ」と物凄く勧めてくるのですが…。

私は公務員目指してて、公務員試験勉強をしたいので留学はあまり必要ないかなと思っています。また、留学するにあたって高い費用がかかるのでいけないと思っています。

それでも留学はした方が良いですか?

 

(回答)

日本からやって来る優秀な高校生・大学生・社会人がカナダの学位を取るサポートを行っています。

1994年からのサポートで、多くの日本の方がカナダの大学学位(学資・修士・博士)を取得し、現在日本内外で活躍中です。

 

その面倒をみた日本人学生は、みな正式な留学生。

きちんと選抜されて入学し、数年頑張り卒業資格を取った留学生です。

日本の中学・高校・大学などの成績は優秀、TOEFLなどの英語能力試験も、日本のトップクラスという学生たちです。

「留学しておけば就職に有利」はそのような正式学位を取得し、専門知識・スキルを日本語・英語の2カ国語で実践出来る人たちのことです。

そのような海外大学卒業生は、現在日本の企業がよだれをたらして欲しがっています。

 

相談者の意味する「留学」とは単に大学のプログラムに参加し、ビジネス提携のある海外大学に1年程度行くことだと思います。

ここ10年くらいで、日本のほとんどの大学が「短期留学」を学生獲得の呼び込みに利用していますが、実際ほとんど役には立ちません。

 

少し長期の海外旅行をしに行くつもりで考えて下さい。

その意味では、視野は広がると思いますし、日本人にとっていかに英語でのコミュニケーションが難しいのか、クリティカル・シンキングなしでは社会の動きにもついていけないことを、じっくり思い知る体験にはなると思います。

 

入れてもらえるクラスは、もちろん大学の正式な授業ではなく(日本の大学生はあきれるほど英語が出来ませんので)、大学が特別に用意した、低いレベルのESL(外国人用の英語クラス)になります。

大学はもともとESLを持っており、移民や、正式留学を希望する外国人の英語訓練をしていますが、日本人大学生の英語レベルが余りにも低いので、そのESLでも面倒みれないとカナダの大学側は困っています。

日本の大学が払ってくれる授業料などの費用は、受け入れ大学にとっては魅力的だというのが原因で、わざわざ「かなり簡単レベルの特別学級」を作り、インストラクターを雇い受け入れている。 これが現状です。

 

そうやって、毎年たくさんの日本人大学生がここカナダにもやって来ます。

ある国立大学の集団と遭遇したことがありますが、まるで小学生の遠足みたいにはしゃいでました。

日本人だけで固まって、きゃぁきゃぁ。

インストラクターも英語が通じないので、大困り顔。

日本人として恥ずかしい思いでした。

 

今の日本では、その「短期似非留学」いや「集団海外旅行短期滞在」を経験した人であふれています。

日本の大学の数は現在770程度。

その大学から毎年200名がその「似非留学」をするとして、154,000名。

この傾向は10年くらい前から流行り始め、5年前から加速。

それを考慮して推察するとおそらく100万人以上の日本人が大学からの「短期留学ごっこ」に出かけているかもしれません。

 

そのうちの1人になることが「就職に有利」だとは思えませんね。

日本の企業採用担当者も「留学ごっこ」の中身はよく知っていますので、何のプラスにもならないと思います。

ただ、単に本人が「外国を経験して楽しかった!」という思い出だけが残ると思います

 

大学が「留学ごっこ」を勧めるのには理由があります。

提携大学には、特別コースを用意してもらっている手前、費用に見合う学生数を送り込む必要があります。

また提携条件によっては、学生数に比例してリベートが出ている可能性も否定出来ないです。

 

ですからあの手この手で学生を「留学ごっこ」に勧誘するのでしょうね。

 

上記の状況から、単なる「集団海外体験」に興味がなければ、参加する意味は全くないと思いますよ。

特に規則には絶対服従の公務員を目指されているのなら、自由な考えを奨励するクリティカル・シンキングの国での体験自体も不必要だと考えます。

 

 

Good Luck!

 

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