大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「流行りの高校生短期海外体験を「留学」と呼ぶのは止めにしませんか」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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流行りの高校生短期海外体験を「留学」と呼ぶのは止めにしませんか

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留学 大学・高校正規留学 2017-11-03 08:49

最近流行りの「半年・1年」程度の英語圏体験を「留学」と呼び、英語力が飛躍的に伸びると勘違いしている高校生への忠告です。

こんな質問に回答しました。


現在高2で来年の2月から7月まで留学するのですが、その後日本の大学に進学するとしても、高3の7月受験勉強真っ只中に帰国してくるので受験勉強が気になります。

半年の経験が役に立つ受験の仕方は、AO入試がいいですか、それとも英語のみの学力試験の大学入試を選んだ方が有利でしょうか?

(回答)

日本の高校を留守にする前に、まず、根本的に排除しなくてはいけない大きな「思い込み」があります。


どの国の、どんな高校の、どんなレベルのコースに入るのかの詳細が不明ですが、たった半年の体験では、英語力には何の変化もないことを理解しておいて下さい。

従いまして、英語力が上がることを前提に入試を計画するのは非常に危険です。

 

日本ですでに成績が優秀で、英語についてもクリティカル・シンキングを基にしたReading/Writing レベルの高い生徒が(TOEFLiBT70~80レベル)、例えばカナダの大学進学を控えた12年生レベルのコースを履修、州の試験にも合格し単位を履修出来るような「留学」をするのなら、かなりの効果が見込めます。

そして、もしこれに当てはまるのでしたら、どんな大学のどんな入試でもうまく行くと思います。


しかし、いわゆる「留学エージェント」を通す体験、または最近私立高校がプログラムによく組み込んでいるような「とにかく行ってきなさい」体験では、大きな高校ではESLという外国人用の英語クラス(レベルは低いです)か、小さな高校では中学生・小学生のレベルのクラスか木工やコンピューターのクラスで暇をつぶす学校生活が待っています。


英語でのコミュニケーション能力が低い場合、現地で友達が出来る可能性も非常に低いです。

ホストと学校との往復と、あとは日本人同士でつるむだけの半年になると思います。

このような日本人高校生がカナダにたくさん送られて来ますよ。

正直、一体何が目的なのかなと不思議です。


英語圏の高校の12年生(日本の高校3年生)のレベルは非常に高いです。

しかも生まれた時から英語を使い、中・小学校を通じクリティカルシンキングを訓練され、抽象的な概念を分析しエッセイを書くことに慣れています。

その能力がないと大学進学が出来ないからです。


そこにいきなり、何の特別な訓練も受けていない日本人高校生がやって来て、同じレベルの授業に参加出来ると思いますか?

そんな中に、何の準備もなしでやって来る日本からの高校生は「英語が出来ない文句も言わない日本人」として扱われるのが厳しい現実です。


従いまして、日本での入試が気がかりなのでしたら、その半年にお金も時間も無駄にせずに、日本での勉強に集中なさることをお勧めします。


Good Luck!


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