大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「脳科学と人工知能 [Neuroscience & A.I.]」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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脳科学と人工知能 [Neuroscience & A.I.]

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クリティカルシンキング 2017-05-23 06:24

Harvard University教授 David Cox の World Economic Forum でのレクチャー。 

これからの人工知能研究と脳科学とがいかに密接につながっているかが見事に語られています。

David Cox の話を聞いていると、彼自身の好奇心と類い稀な専門性にこっちまで興奮します。 実はDavid は、私が勉強した HarvardのオンラインコースFundamentals of Neuroscience の先生! 難しいコースにのめり込んでしまった理由のひとつはDavidです。


 

A.I.とは、人間と同様の脳の働きを機械で再現することです。

脳科学抜きには考えられない研究であるのは、もちろん、明らか。

 

David 始め世界のトップレベルの研究者が今チームを組んで実施中の研究とは:

「脳を Cloud にアップロードする」こと

使用するのはネズミの脳。 人間を使うのは残念ながら不可能。 脳を取り出さないといけないから!

1.新しいことを学習中の脳の活動を記録

2.脳細胞の活動ネットワークを地図にする

3.1と2を使い、機械の学習過程のAlgorithm (問題解決への手順)を作る

 

今の人類の持ち得るトップクラスの脳と、トップクラスの装置を使い、ネズミの脳をコンピューターに移す作業です。

Cloud にアップロードする事自体はまだ実現していませんし、果たして脳全部をアップロード出来るかどうかなど大きな課題がありますが、これからの脳科学・コンピューターサイエンスの塁上の進化を期待し「出来る」と科学者は信じています。

 

死ぬ前に自分の脳をアップロードしておく。

脳は永遠に存在する。

なんてSFのような時代が来る可能性もあります。

 

Machine Learning(機械/コンピューターに学習させること)が累乗に進化を遂げている今日、仕事がA.I.に奪われる現象が超速で起こっています。

 

David の言葉を借りると次の能力しか必要としない仕事は A.I. に奪われると:

1.自分の周りを見ることが出来る (視覚だけでなく、周りを観察する)

2.周りで起こっていることを正確に理解する

3.手を使い周りの世界に何かを提供する

 

話題のA.I. 自動車。 すでにアメリカでは自動運転トラックが走り始めています。

実はこのレベルの機械学習は、ネズミ程度の脳で十分なんだそうです。

ネズミ以上のレベルの脳 が学習し始めた瞬間、今ある仕事のほとんどがなくなるのは当たり前。

 

頑張って生き残れるためには、今の時点で人間には出来てコンピューターには出来ないことに集中することが大切です。

脳の高等部分で行われる作業、脳科学でもまだ地図に出来ない行動、機械に出来ない行動とは:

善悪の判断」「倫理的行動」「主義に基づいた行動」「why が理解できる(道理がわかる)」「他の感情を理解 empathy」などなど(まだいっぱい残ってます!)

 

脳の高等知覚部分でクリティカル・シンキングを駆使し自分の周りを観察し判断出来ること。

そうすればネズミ脳に仕事を取られずにすむ!

 

機械/コンピューターはAlgorithm に従い行動するだけですから、こんな低レベルのところがあります。

1.嘘をつくことを屁とも思わない

2.倫理に反した行動にためらいもない

3.自分の言動を恥ずかしいと思う能力がない

4.失敗するという概念がない(違うAlgorithm を試せばいい)

5.Empathy がない(他の立場から感情を理解出来ない)

 

あれ?

嘘つき、非倫理/非道徳、恥知らず、無能、自分のことだけに夢中。

トランプ! 機械?

 

そこで、今日のNew York Times の記事。”Donald trump, our A.I. President”

 

トランプの行動は見事に原始的な Machine Learning (機械に学習される)パターンそのもの。

トランプは精神異常者というより、単なる原始的な人工脳だと理解するべきだと。

 

人工知能(機械)が学ぶのはalgorithm に従う過程です。

ゲームをする時のように、勝てばその時に使ったAlgorithm が脳にネットワークを残します。負けた時のネットワークは削除されます。

ただ単に勝つか負けるかで人工脳を変えて行きます。

 

社会的に容認されるかどうかなどまったく存在しない概念です。

ある決断から否定的な末路が待っているかも、などの理解は原始的な人工脳には出来ません。

 

トランプの言動すべての説明がここに集約されます。

 

勝つか負けるかのAlgorithm で動いているだけなので、「なぜ?」が存在しません。

「なぜそんな行動をしたのか?」は存在しません。

なぜロシアに機密情報を見せびらかしたか? 誰にも分析出来ません。

そもそも理由がないからです。

 

アマゾンで本を注文したあと、どんどん「この本を買いませんか?」がコンピューター上に現れ「何でこの本を勧める?」と思ったことはありませんか?

誰にも説明出来ません。 機械が単にあなたのこれまでのネット履歴を Algorithm に当てはめて行動しただけですから。

 

トランプの行動がぴったりこれに当てはまります。

 

人類史上初めての A.I. 大統領トランプ。

しかも、David Cox のような一流の専門家が集めた情報からではなく、自分の思い込み情報だけで構築したalgorithm を使い、過去の成功率の低い人工脳トランプ。

 

ネズミの脳ほど高等ではないので自動運転にも使えない。

 

さて。

脳科学・コンピューターサイエンス専門家の出番です。

人間にしか出来ない能力をどうしたら機械(トランプの脳)に学習させることが出来るか。

私達の未来を、原始的な人工脳から守るために。

 

 

パートナーはコンピューターサイエンス専門家。

私の学んだ脳科学と合わせて、人類の未来を担う若い能力を育てています。

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