堀江 健一(恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)- コラム「怪奇恋愛作戦 3 夢分析 夢の登場人物に気持ちを合わせてみる」 - 専門家プロファイル

堀江 健一
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堀江 健一

ホリエ ケンイチ
( 東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー )
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怪奇恋愛作戦 3 夢分析 夢の登場人物に気持ちを合わせてみる

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恋愛心理 自己受容 2015-08-04 10:03

「怪奇恋愛作戦」を題材に、心理療法における、夢の扱いや解釈について書いています。

前回は、フロイト的な夢の解釈を紹介しました。

今回は、ゲシュタルト心理学での、夢を使った心理療法です。


ゲシュタルト心理学。
あまり耳にしたことがない方もおられるかと思いますが、「自分の意識には登らないが、無意識的に感じてはいる感情や感覚」を意識に登らせ気付きを与えてくれる事ができる技法が数々ある、大変実用的な心理学であり、心理療法です。

その一部である、「夢を使った心理療法」をご紹介しますが、ユニーク且つ、やろうと思えばお一人でもできるものなので、お試しください。

今まで書いてきましたように、夢と言うのは、一見支離滅裂で、脈絡もなく、ほとんど意味を成すとは思えない内容なものが多いものです。
自分が出てくる事も多いですし、自分が登場していなくても、夢を見ている視点は自分であることでしょう。

ゲシュタルト心理学では、夢に登場する「物」や「人物」「生物」など、すべてが、「自分の分身」であると仮定して捉えてみる事から始まります。

夢に出てくるものすべてが、自分の心情が投影されたものかもしれないと考えるのです。

その登場したものの気持ちを想像して、そのものが、どんな感情や感覚を感じているのか、自分だったらどう思うか?を洞察してみるのです。


ですので、夢のストーリーを解釈して、ストーリーから意味を導き出すのとは少し違ってきます。

夢の中の登場人物の主役である自分の心情を洞察すると言うのは、つまり自分の気持ちをかえりみることになるのですが、案外自分の気持ちを、客観的に自分で洞察してみると言うのは難しいものです。
それができないから悩んだり、迷ったりしてしまうのもです。

ところが、自分以外の「物」ですと、かなり客観的に見ることが出来たりします。
日常でも、自分の気持ちはわからなくても、人の気持ちなら客観的に冷静に見ることが出来たりするものです。それと似ているのかも知れません。


例えば、前回紹介した「竜巻」の夢の話をここでも例にしてみましょう。

駅の出口を出ると、大きな竜巻が2本、色んなものを巻き込んで大暴れしていています。
自分は、ただ恐ろしく思い、呆然と途方に暮れている夢です。

その時の「夢の自分は、何を感じていましたか?」と尋ねられても、「ただ、恐ろしくて、どうしたら良いのだろうと思った」と、それくらいしか洞察できなかったとします。

「では、その竜巻の場面で、もう少し詳しく状況を思い出して見てください」と尋ねてみます。
「どんな物が目に入ったり、他の誰かは何をどうしていたか?どうですか?」
すると、
「そう言えば、首を鎖に繋がれたままの犬が、逃げようとしているのに逃げられず、風に吹き飛ばされそうになって、宙に浮いていました」
なんて事を、思い出すかもしれません。

「その犬の気持ちになって、犬は何と叫んでいたでしょうね?想像して見て下さい」
と促します。

「犬は・・・助けてくれ~誰か鎖を解いてくれ~!かな」

「急に竜巻が起こって、巻き込まれてしまったんですから、犬も災難ですよね。逃げたくても鎖が繋がっていては逃げられませんね。もっと他には?」

「ずっと飼い主に仕えてきたのに、こんな竜巻が起こっているのに、飼い主は僕を置いてさっさと逃げやがって!酷いじゃないか!ちゃんと僕の事も考えて、一緒に逃げてくれたって良いじゃないか!守ってくれても良いじゃないか!誰ももう僕の事なんて、親身に思ってくれてないんだ~!ちくしょう!」

なんて、段々感情が出てきたりします。

「今のは、犬の気持ちを想像して、代弁してくれたんですね。今度は、それを、自分の気持ちとして、もう一度口に出してみてください」

と、促します。

犬の気持ちが自分の気持ちだなどとは思っていない本人も、わけがわからないまま、自分の気持ちに言い換えて発言してもらいます。

「ずっと飼い主に仕えてきたのに、こんな竜巻が起こっているのに、飼い主は僕を置いてさっさと逃げやがって!酷いじゃないか!ちゃんと僕の事も考えて、一緒に逃げてくれたって良いじゃないか!守ってくれても良いじゃないか!誰ももう僕の事なんて、思ってくれてないんだ~!ちくしょう!」

改めて口に出す事で、犬に自分の気持ちが、より感情移入されます。

そして、自分の中に、より深く、犬の気持ちが浸透していく事になります。

すると、感じるのです。
実は犬は自分の事ではなかったか?と。


「犬の叫びを、今一度、自分のこととして口に出してみませんか?」

「自分は、ずっと自分を犠牲にしてまで会社に仕えてきた。
なのに、専務が死んだ途端に、社長も部長も、自分の利益のことばかり考えて、僕の頑張ってきた事とか何も加味しないで、誰も僕の意向なんて考えてくれずに、ただ「こっち側につけ」としか言わない。
これじゃただの板ばさみだ!
勝手に人の首に鎖をつなげやがって、俺は自由になりたいんだぁ!」

と、自分の生の感情と繋がることができたわけです。
(これは架空のカウンセリングで、本当は前回の「夢分析」の段階で、解決の道に進めたのですが)

「社長と部長の板ばさみになってしまって、自由がないと感じておられるのですね。
そして、本当にあなたのことを思ってくれている人なんていないと、孤独感と悔しさもあるのですね。
怒りを感じても無理もないことですよね」
と共感・支持します。

「そうなんですね・・・。専務が亡くなって、目先の「どうするか?」に気を奪われていて、自分が抱いている怒りにも気付きませんでした。実は、こんなに僕は、怒っていたんですね」
と言うような、流れは、実際にもあるものです。





他にも、夢を利用したやり方ではないのですが、自分の無意識的な想いを引き出す方法があります。

実際にゲシュタルト派の先生のワークショップで体験いたしました。


それは、まず10分くらいの時間を決めて、その間、部屋の中や、ビルであれば、そのフロアなどをうろうろとうろついて見て、
「自分が興味を引かれる物を探して見つける」という作業から入ります。

最初の指示はただ、「見つけてきて下さい」と言うだけです。
私もうろついて、トイレの窓から見えた月が印象的だったので、月を選んでみました。
次の指示は、
「その興味を引かれたものに、文句を付けて形容した文章を作って書いて見て下さい。
形式として、○○は、○○だ」
というような文章を出来るだけ多く、と言うものです。


私は、月のイメージを自分なりに膨らませて、色々書いてみました。

月は孤独だけれど、孤高の存在だ。
月は影になって昼間は目立たないけど、ちゃんと光っている。
月は美しい。
月は・・・
月は・・・


次の指示は、
「自分が選んだものを、「私は」に置き換えて、みんなの前で、口に出して朗読してみてください。では堀江さんから。」

と言うものです。


私は孤独だけれど、孤高の存在だ。(え~ちょっとかっこ良すぎじゃない?)
私は影になって昼間は目立たないけど、ちゃんと光っている。(ふむふむ、なるほど)
私は美しい。(ひー俺って実は隠れナルシスト?)
私は・・・

いやぁ口に出して言うと、なんとも恥ずかしい文章になってしまいました。

でも、確かにどこか、自分で自分をそんな風に思っている、自己イメージとマッチしている部分もあるなぁと思いました。

少なくとも、自分は自分をどうイメージしているのかと、客観的に検討してみる機会にはなったと思います。

参加者みんな、自分の文を披露した後、他の参加者から拍手をもらいます。

それがまた、気恥ずかしい。ワークショップって、だから苦手。




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