堀江 健一
ホリエ ケンイチグループ
条件を満たさないと、愛情は得られないと思いこんでいませんか?
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前回は、自分が、相手と仲良くなりたいという気持ちが強く、でも「相手から自分は必要と思われているのだろうか?」という不安が大きい時、「親しくなるのが怖く感じる」という話でした。
逆に言えば、
「相手にとって、必要とされる条件を満たしていなければ、付き合ってはもらえない」
と、無意識的な恐怖観があるのではないかということです。
「外見が良くなければ、好きになってもらえないのではないか」
「学歴が高くなければ、相手にされないのではないか」
「性格が良くなければ、嫌われてしまうのではないか」
そして実際に、恋愛でも友人関係でも、そうした条件で相手を選びがちなことも事実あるわけですから、単に思い込みだけから来る不安ではないわけです。
あなた自身、恋人を選ぶときに、単に「好きになったから」というだけではなくて、そうした条件を考えて選んでしまっているかも知れません。
自分がそうした条件で選んでいるのだから、相手も条件で選ぶだろう、と思うのは無理もない事かと思いますが、その条件というのも、人それぞれ、質も許容範囲も違うのですから、自分の尺度だけで考えるのは止めた方が良いかと思います。
またマスコミなどで良く「モテる女の10カ条」とかそうしたモテるための条件について書かれていたりしますが、それもあくまで一般的なものですから、それに外れていたからと言って、「私はダメだ」「もっとこうしなきゃ」と思い悩むのもいかがなものかと思います。
あまり踊らされない様にお気をつけて下さい。
そして最初の仲良くなるきっかけはつかめたとしても、
いつ自分の化けの皮がはがれて、相手に嫌われてしまうか
と、不安が募ります。
仲良くなればなるほど、条件を満たせているのかどうか、不安が強くなって行きます。
ありのままの自分を出すのが怖くなってしまいます。
不安が強いと、いっそ別れてしまおうかと、自爆してしまいたくなる心理が働くことにもなります。
逆に、そうした不安が強いあまり、最初から「最悪な自分」をわざと見せて、それでも好きになってくれる相手かどうかを「試してしまう」方もおられます。
そのお気持ちもよくわかります。
ですが、「最悪な自分」をわざと演出してしまう事自体、今の「ありのままの自分」とは違う自分を演じてしまう事になるのではないかと思います。
なぜ、そんなに「条件」に心を奪われてしまうのでしょう?
それは、幼い頃どれだけ無条件の愛情に包まれて育ったかどうか?
によるものでは無いかと思います。
無条件の愛情。それが現実に満たされたら、どんなに幸福なことでしょう。
しかし、実際には子供は小さい時から、様々な条件を付けて育てられるものです。
「おとなしくしていなさい。大人しくしていない子は怒りますよ」
「言う事を聞きなさい。聞きわけが無い子は可愛がってあげませんよ」
「人には親切にしなさい。親切に出来ない子は、嫌われますよ」
「人の役に立つ子になりなさい。人の役に立たない子は、価値がありませんよ」
もちろんそれを言う親も、それが躾ですし、そのような子に育てば、行く行くはその子のためになる、と思って言ってくれているのです。
また、一般的にも、親に怒られたり、躾されない子供もいないものかと思います。
そう思うと、不安を感じない人と、感じる人とではどこで違いが生じるのでしょうか?
親の抱く「勝手な期待」や、「愛されるための条件」が、厳しかったり、現実離れしていたら、より不安も強くなってしまうかも知れません。
「誰とでも仲良くしなさい」(大人だって、それは無理でしょう)
「何ごとも一番でいなさい」(厳しすぎる)
「女の子なんだから(男の子なんだから)、もっと女の子(男の子)らしくしていなさい」(いや、個性ってものもあるでしょうし)
「一度始めた事は、最後までやりとおしなさい」(途中でやめるのがダメなら、もう何も始めたくなくなるかも)
それと、よくお聞きするパターンとして、
親に可愛がられすぎ、褒められすぎて、プライドが高くなってしまい、自分の理想像のハードルが上がってしまっていることもあるようです。
その反動で、それがコンプレックス(劣等感)になってしまうこともあります。
「お前は、いつも可愛いねぇ」(私は可愛い。だからいつも可愛い存在でいなければならない。本当に今、私、可愛いかしら?)
「頭が良いねぇ」(私は頭が良いんだ。でも自分より頭の良い人が他にいたら、自分の存在価値が無くなってしまう)
「いつも明るい、良い子だねぇ」(辛い時でも、明るくしていなければいけない。でも本当は辛く感じている自分は、暗くてダメな子なんだ)
「我がまま言わない、良い子だね」(我がまま言ってはいけないんだ。自分の欲求を優先してはいけないんだ)
いつもいつも可愛くは振る舞えないし、誰よりも一番でいる事はできないし、我がまま言いたい時だってあるでしょう。でも、そうであろうと必死でがんばってしまうのです。
そんな子は、親の言う事を良く聞く素直な子供なわけです。
そのため、周りの期待を裏切れないような気持ちが強くなり、「理想と現実の自分のギャップ」が生じた時、追いつめられた気持ちを抱いてしまいます。
しかし、片や、別に不安や怖いとは感じない人もいる。それはどこが違うのだろうか?という話です。
次回にまた書いてみたいと思います。
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