一人暮らしで接客業のアラサー男子バリウムくんのお話です。

バリウムくんが胃腸に不快感を覚えたのは昨年の秋のことでした。

クレーム処理の担当になってから、

ストレスを抱えて、眠れない日々を送っていました。

どんな話にも耳を傾け、

「さようでございますか。申し訳ございません」

と根気よく対応を続けています。

冬になると胸やけから胃痛を意識しはじめます。

これは大変だ！眠らなければいけない！と、

アルコールの力をかりるようになりました。

それまでは、夜８時すぎには食事をしない主義でしたが、

疲れているから、元気がないから！

と自分を勇気づけて、食欲もないのに、

力のつきそうなものを、たとえ夜中であっても食べるようになっていきます。

病院にいったほうがいいな、、と思いながらも時間がたってしまいます。

そんなバリウムくん、

年末年始には久しぶりに帰省しました。

お母さんは、バリウムくんの顔色の悪さに、危機感を感じます。

「とにかく、いいから、すぐに胃の検査をしなさい！」

母親の強い言葉に、検査を受ける決意をします。

その晩、バリウムくんはゆっくりお風呂に入りますが、、

家風呂にある大きな鏡をみて、仰天しました。

オナカにお肉がたぷんたぷん。

浮き輪のような脂肪がくっきりとついていました。

バリウムくんはため息をつきました。

「運動、まったくしてなかったな…」

あせったバリウムくんは、

きゅっきゅ！と体をねじったり、湯船の中でも運動をはじめてしまいます。

すると、ふら～っと、めまいをおこしてしまいました。

家族中大騒ぎです。

お風呂の運動が最近注目されていますが、お風呂の中では安全面からみたら、

運動しないほうがいいと思います。

 また、運動経験が少ない方は、

少しずつ運動しましょう。

急激にたくさん動かせば、大変なことになってしまいます。

運動は細く長く、行ってください。

後日、バリウムくんは、

・夜９時以降に食事は一切しない。
・朝、水も飲まない

などの約束を守って病院に向かいました。

待合室では説明ＶＴＲが流れています。

バリウムを飲んだあとに、機械の上で体をぐるぐるまわす様子に、

「え～？うそじゃない？」

と思ってしまいます。

しかし、名前をよばれて、指示さるとすんなりできるから不思議です。

ＶＴＲをみたおかげで、覚悟ができていたようです。

胃腸の調子が悪いことを告げると、

「今日のバリウムは硬めになってます。下剤は通常２錠すぐに飲んでいただきますが、

明日の朝も便がでなかった場合は、残りの３錠飲んでください」

「はい」

「もし、それでもでなかったら、バリウムが胃の中で固まってしまうかもしれませんので、

どこの病院でもかまいません、すぐにみてもらってください！」

バリウムくんは、

胃腸の調子が悪いひとには、硬めのバリウムにするのかな！

と思いましたが、直接医師に確認したわけではありません。

検査が終わると、下剤がきいて、その日のうちにバリウムは出てしまったと思いきや、

翌々日まで白めの便がでてきました。

バリウムくんはびっくりしました。

「そうか！胃腸の中に食べ物って長時間滞在するんだな」

食べ物は食べてから排便するまでに、およそ２４～７２時間かかります。

バリウムくんは胃腸の気持ちをまったく考えたことがありませんでした。


わたしたちは胃腸の調子が悪いときにおかゆをいただきます。

固形糖質が胃袋にいる時間は最大限で２時間といわれています。

たんぱく質は４時間、脂質は６時間も胃袋に滞在するようです。

糖質であるおかゆのほうが胃腸に負担がかからないということになります。

疲れているから、元気をだすためにこってり系の食べ物を毎日食べていたら、

胃腸に負担がかかって、くたくたになってしまいます。

ストレスフルなときは、胃腸も休ませてあげたほうがいいですね。

また、消化器系は、自律神経の支配を受けています。

副交感神経が高まると、血液が内臓に集まって、消化液が分泌されます。

消化液の分泌は、交感神経が高まると抑制されます。

ストレスフルな状態が長く続くと、

自律神経の調子が狂いはじめて、消化液の出方にまで影響を与えてしまうのです。

睡眠障害もこの自律神経がかかわっている場合が少なくありません。

上手なストレス処理法を修得していたほうが安心です。

ストレスはお腹にも脂肪をため込みますよ！

バリウムくんにどんな検査結果がでようとも、

今回の経験の中で自分自身に向き合うという、とても大事な時間をすごしたのでした。

バリウムくん、忙しいときこそ、息抜きに軽い運動を始めましょう！