対象:労働問題・仕事の法律
私の考え過ぎかもしれませんが、金銭が絡んでいるためご相談させて下さい。。
求人応募した会社から正社員採用の連絡がありました。職種は新事業部の事務全般だったと思います。
「新たにアロマ事業部を立ち上げます。システム立ち上げまでに数ヶ月かかります。立ち上がってから来ていただくことになるので、それまでスクールに通ってインストラクターの資格を取得して下さい」と言われました。
費用は会社が支払い、正式採用後に給料から天引き返済していくということでした。
半年間スクールに通い、資格は取りましたが、なかなかアロマ事業部が起動せず、結局断念するという連絡がきました。
事業部を立ち上げようと考えていたのは、社長お一人だったようです。
採用が見送られてしまったため、スクール代だけが残りましたが、社長から「会社費用で通っていたはスクール代は、予定していた事業部の正社員採用ができなくなってしまったため、私個人が立替えます。少しずつ私に払っていただければ結構です」と言われました。
しかし細かな返済方法などを取り決めることもなく、正式な書類を交わすこともなく、すっかり忘れて5年経過。
(当時、“私にかかったスクール代は、すべて社長が会社に支払いました”という用紙は手元に来たと思います)
思い出して社長に連絡を入れてみると、相手もすっかり忘れていたらしく、「もうすべて片づいていますから残金は結構です。後からあなたに何か請求するようなことはいたしませんよ」と言われました。
※アロマの資格は更新費用が高かったので、採用取り消しになったあと更新せずです。
このような場合(後から請求はしないと言われていますが)、文章かなにか取り交わす(一筆書いていただいたほうが)いいのでしょうか?
それとも、私の考えすぎで、先方がいいといっているのだから
このままチャラにしておけばいいのでしょうか?ご助言をお願い致します。
キクコロさん ( 静岡県 / 女性 / 37歳 )
回答:1件

本田 和盛
経営コンサルタント
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前借金相殺の禁止
凄腕社労士 本田和盛です。
業務目的で通学した場合、その費用は原則会社負担とします。会社の業務と関係がない資格取得に際し、本人のキャリアアップ目的で受講費用を会社が負担する場合は、福利厚生となりますが、今回のように新事業のために必須の資格であれば、100%会社の負担となるのが通常です。とはいえ、本人が負担する点を承知しているなら問題はありません。
ところで受講費用を賃金と相殺することは労基法17条違反です。
使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。
つまり研修費等を本人に貸し付けて、働きながら賃金を得て、そこから会社に返していくというのは、前借金相殺の禁止を規定している労基法違反です。
相談者は、「費用は会社が支払い、正式採用後に給料から天引き返済していくということでした。」と書かれていますが、これは労基法違反です。
会社が労基法違反である点を知っているかどうかは別として、違法行為ですから、相談者は支払いを拒否できます。
さらに採用を取り消した点については、解雇と同じですので、損害賠償を請求できます。採用を前提に、通学していた時間などは、相談者にとって損害となります。
相談者は、支払う必要が無い受講料を返済し続けていたという点で、また損害賠償を請求できるにもかかわらず、請求しなかったという点で、人が良かったということになります。
今回のことは、5年も経っていますのでこれ以上問題にしても仕方ないと思います。今の仕事にエネルギーを投入してください。
評価・お礼

キクコロさん
ご助言、ありがとうございます。
スクールの残金がまだ半分未払いだったため、借金があるようで心残りだったのですが、すっきりしました。
逆に、解雇や資格取得に際しての出費などを
損害賠償請求できることにビックリしました。
もっと早くご相談すればよかったです。
今回はこのままいい勉強になったということで問題にせず、今後にいかしていきたいと思います。
わかりやすいご助言をありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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