対象:企業法務
現在会社の株のうち、代表取締役6割、取引先の会社が4割を持っています。
取引先の会社は取締役など役員にはなっていませんし、株の過半数は持っていませんが、これまでの経緯から見て、こちらの経営に多大な影響力を持っています。
その取引先が、こちらの事業と全く同じ内容のことを始めると言い出しました。
商品の選定や、販売のノウハウのヒントを得ただけで、何をしようと自由だと主張しています。
この取引先がこちらと同じ事業を始めた場合、顧客の流動は必至で、売上にも影響が出るため、会社にとってはとても不利益なことです。
このような場合、この株主である取引先に競業避止義務は認められますか?
また、この取引先の株を会社または代表取締役が買い戻すことは可能でしょうか?
どうにかこの取引先との競業を避けたく質問させて頂きました。
宜しくお願い致します。
ラスクさん ( 東京都 / 女性 / 33歳 )
回答:1件
話し合いでの解決を考えざるをえません
残念ながら、株主である取引先との競業を避けることは、難しいと思われます。
会社法は、会社の事業にかかわる取締役の競業および利益相反取引を制限していますが、株主による競業および利益相反取引を制限する規定はありません。ですので、株主である取引先が御社の事業と競業する事業を行っても、そのこと自体が法的に問題となることはありません。
ただし、当該取引先が、御社の顧客リストを不正に入手して御社の顧客に取引を持ちかけたり、商品の仕入先リストを不正に入手して商品を仕入れたりした場合は、不正競争防止法違反となる可能性があります。
また、取引先が保有する株式を御社の代表者が買い戻すことについては、その取引先が自ら保有する株式を御社の代表者に譲渡することに合意すれば可能ですが、その取引先に譲渡するよう法的に強制することはできません。
以上のことから、取引先との競業を避けるためには、当事者間の話し合いで解決するより他は方法がないものと思われます。ただ、裁判所での調停による話し合いも考えられますので、裁判所の調停の受付係に相談をしてみることもよいかと思います。
フランテック法律事務所 金井 高志
《http://www.frantech.jp》
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- 金井 高志
- (弁護士)
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