対象:ペットの医療・健康
12歳のミニチュアダックスフンドですが、緑内障だと診断され眼圧も高いのですが、日によって眼圧が30だったり70だったりと変動します。今は眼薬の「チモロール」「キサラタン」「トリソプト」の3種類を使っておりますが「チモロール」「キサラタン」は同じような薬だと聞きました。2種類併用の必要があるのでしょうか?また眼圧が変動するのも不安です。原因は何なのでしょうか?
ラビンさん ( 北海道 / 女性 / 45歳 )
回答:2件
「チモロール」「キサラタン」
緑内障は、眼房水が何らかの原因で、正常よりも沢山眼内に貯留することによって、眼内の圧力が上がってしまい、視神経に重大な障害をもたらす疾患です。
チモロールは、その眼房水の生産を抑えるベータ遮断薬です。
キサラタンは、プロスタグランディンF2アルファ受容体に作用して、眼房水がブドウ膜や強膜から流出していく量を増やす薬です。
主治医の先生は、眼房水の産生を抑えるとともに、流出量の増大をして、眼圧を下げようとされているのではないでしょうか。 これらの薬の併用は、人の眼科でもよくなされています。
また、数日ごとに眼圧が、上がったり、正常近くまで戻ったりというケースを当院でも柴犬で経験しています。 当院では、犬緑内障には、全身麻酔下で、経強膜的レーザー毛様体焼烙術と言うのを実施していますが、この柴のケースでは、眼圧が上記のように変動したために、実施時期を逸してしまい、失明させてしまったという苦い経験があります。
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RE:犬の緑内障と眼圧について
緑内障は眼房水の正常な流出が阻害されると発症する疾患です。
眼圧の数値の変動は眼房水の流入と流出のバランスの変調によるものです。
症状は病期によって異なりますが、急性うっ血を伴う急性緑内障発作では眼房水の流出が殆どあるいは全くないため眼圧の急上昇を起こすことがあります。この時の症状として流涙や充血、重度疼痛などが現れます。既に眼球が拡張し、痛みの症状が無いようであれば末期緑内障になっていると思われますが、この時期の実際の眼圧変動もかなり多様性があります。
病期と視覚の有無にもよりますが疼痛のコントロールが内科的治療の目標ですので、これが維持できていない場合は外科的治療という選択肢もあります。
点眼薬については、チモロールは交感神経に作用、キサラタンはプロスタグランジン関連薬、トルソプトは炭酸脱水素酵素阻害薬とそれぞれ作用機序が異なるので併用することもあります。
今後の治療については担当医とよくご相談されると良いでしょう。
(現在のポイント:-pt)
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