回答:1件
インフルエンザウイルスは免疫成立で殆んど残存せず
インフルエンザに限らず、ウイルスが人体に侵入した後に実際に感染し発病するかどうかは、ウイルスの感染力や病原性に左右されます。しかしそれと同時に重要なのが、その個人の基礎的な免疫力がどれだけあるかと、当該ウイルスに対する免疫記憶(抗体)を持ち合わせているかどうかです。
麻疹(はしか)などの場合、通常は1度罹患すると2度と発病しません。この場合、当初は麻疹ウイルスに対する抗体を持ち合わせておらず発症しますが、それが治った段階で麻疹に対する抗体が産生され、免疫記憶が成立します。この状態では、麻疹ウイルスは「常在ウイルス」となり、ごくわずかですが人体の中で生き残ります。
インフルエンザの場合にも免疫記憶は一応成立しますが、ウイルス自体が抗原をコロコロと変異させるので、人体が既に持っている抗体がうまく働きません。ワクチンが1年しか効果がないのはそのためです。従って新たにやってきたウイルスに対しては、いとも簡単に感染してしまうのです。
ウイルスに感染し発病した人体は、大急ぎで「ウイルス退治」を始めます。通常の免疫力があれば、1週間以内にウイルスを駆逐し治癒します。そのウイルス株に対する抗体が産生され、免疫記憶が成立します。インフルエンザは毒性が強いウイルスなので、人体には殆んど残らないくらいに駆逐されます。
それから、何人に感染させるかの限界についてですが、これには決まりはありません。冒頭でお話したように、感染するかどうかは相手の免疫力にも左右されるので、免疫力が弱い集団があれば、4人に限らず何人にでも感染します。
ただ、1人の人間が治癒するまでだいたい1週間以内なので、その間に他人に感染するのがせいぜい4人程度だ・・という話ではないかと思います。よく「カゼは人に移って治る」といわれますが、これは他人に移っていくことによって治るのではなく、他人に移る頃にだいたい治る・・という意味のようです。
回答専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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