対象:借金・債務整理
高齢の両親と子供(私)の三人の家族構成です。お恥ずかしい話ですが、父親の浪費癖が問題で、消費者金融等から借金を繰り返し、督促がくると私と母親が貯金を取り崩して支払うという日々でした。合計すると1千万くらいになります。
ここ数年ほどは督促は来ることが無くなり、本人も「もう借金はない」ということもあり、大人しく年金生活をしているものと信じたいのですが、内緒で何かの保証人にもなっているかも知れず、相続の事を考えると単純相続してもよいものかと調べるうちに限定相続というものを知りました。父親の資産は預貯金(お葬式代程度)及び築40年ほどの自宅(1千万位)です。
限定相続に関し以下をご教授ください。但し自宅が知らないうちに抵当に入っていた場合は相続放棄をしようと思います。
1.限定相続は、実際には手続きが煩雑で実際にこれを選択する人は意外と少ない、との記述を多く見かけますが手続きの煩雑さや諸費用などに関し、相続放棄に比較して限定相続を選択するには相当の覚悟が必要でしょうか?
2.限定相続をして、仮に定められた期間内に債権者が現れなかった場合、残された遺産(預貯金、自宅)は、相続者である私が自由に使用・売却できるのでしょうか?または、裁判所か何かの監視の下での処分になるのでしょうか?
3.両親2人ともまだ生きている今の段階でやっておくべき方策など何かありますでしょうか?
子供は私一人で、相談するものも居らず不安になっております。相続放棄をしたほうが賢明でしょうか?
最後に1点お教えください。相続人になる者は、血族に限られると理解しております。仮に私に弟が居てその弟夫婦に借金がある場合、弟が先に亡くなり、その配偶者/子供が弟の財産を相続した場合、それ以降は弟名義の借金及び配偶者名義の借金も私に相続が回ってくる事はないとの理解で宜しいでしょうか?
motaさん ( 兵庫県 / 女性 / 38歳 )
回答:1件
限定承認には慎重な検討が必要です
motaさん、はじまして
行政書士の菊池です。
ご質問の趣旨でございます「限定承認」について、以下、回答させて頂きます。
限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務等を弁済するということを留保した相続の承認をすることを言います。「プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引継ぐ」という方法です。
この点だけ見ると、非常に魅力的な制度だといえますが、
税法上に難しい問題をはらんでおり、慎重な検討が必要です。
それは、限定承認をすると、税法上は、被相続人が、死亡時に相続
財産を譲渡したものとみなして、お父様に譲渡所得税(「みなし所得税」)が課せられる構
成をとるからです(「準確定申告」も必要。)。
例えばお父様の財産が、プラスの財産がマイナスより多かった場合を考えてみましょう。
単純承認の場合には、プラスの財産でマイナス分を清算すれば済みます。
しかし、限定承認の場合には、プラスの財産で、マイナス分のほかに、みなし所得税の分も合わせて、清算する必要があります。
1については、上記の理由で、
限定承認すると、損をしてしまう場合があるのをご注意ください。
2については、限定承認をした場合、相続財産管理人を選任して、その者が不動産等を売却して債務弁済にあてるということが前提となるでしょう。
3については、現段階で、お父様より、債務の状況等をざっくばらんにお聞きになってはいかがでしょうか?残された遺族の方に心配をかけたくないという思いはあるはずです。
その上で、お父様の最後の意思を確認するために、遺言を作成しておくことも、一案です。債務の状況が明らかになり、家族の方が安心する姿をみれば、これからの人生に向けての励みにもなるとも考えられるからです。
いかがでしたか。
詳細がわからないため大枠のお話になりました。
さらに具体的に聞きたいことがございましたら、
直接ご相談ください。
菊池法務行政書士事務所 菊池浩一
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motaさん
ありがとうございます。
2009/03/09 11:10菊池先生、良くわかるお話を有難うございます。
限定承認のアウトラインが掴めた気がします。
色々順序立てて考えていきたいと思います。
お忙しい中、ご教授を有難うございました。
motaさん (兵庫県/38歳/女性)
(現在のポイント:-pt)
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