対象:年金・社会保険
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年金分割の落とし穴
社会保険労務士・CFPの古井佐代子です。
年金分割の落とし穴ということで、2つにわけて説明します。
前編は、本当に離婚して生活していけますか?ということです。
離婚予備軍に対して、今までガマンしたんだから年金分割してもらって離婚しましょう、という風潮がありますが、あえて警鐘を鳴らしたいと思います。
分割される年金は、山中先生も説明されているとおり、厚生年金・共済年金の最大で2分の1、夫の同意が前提となります(平成20年4月1日以降の第3号被保険者期間については、自動的に2分の1に分割することができます)。
よほどご主人の年金が高くないと、離婚後の生活レベルは確実に下がるはずです。
また、中高齢の就職は男性でもむずかしい状況ですが、女性の場合はさらに厳しいことが予想されます。
夫婦である限りは生活に支障はない、仮に夫と死別すれば遺族年金も受給できます。
いかにご主人をうまく御していくかがウデの見せどころです。
ご主人たちは、妻に御せられていると見せかけつつ実は…というのがウデの見せどころです。
そんなことは改めて言われなくたって、もちろんわかってます!これ以上どうにもこうにもガマンできません!一緒にいるストレスでこっちが死んでしまいます!という奥様がたの悲痛な叫びが聞こえてきそうです。
ライフプランを考える、ということは、自分がどのように生きていきたいかを考えることです。
お金は生活していくうえでとても重要なもののひとつです。お金のためだけに離婚する、お金のためだけに離婚を思いとどまる、いずれの選択肢もありえるでしょう。
自分の来し方を振り返ることは重要ですが、とらわれすぎてはいけません。しっかり将来を見据えて結論を出してください。
後編では、いよいよ離婚する、というときの専門家の選び方について説明します。
補足
社会保険労務士・CFPの古井佐代子です。
後編では、年金分割の専門家を選ぶ際の注意点について説明します。
前編でも申しあげましたが、分割される年金は厚生年金・共済年金の最大で2分の1、夫の同意が前提となります(平成20年4月1日以降の第3号被保険者期間については、自動的に2分の1に分割することができます)。
この「夫の同意」がクセモノです。
そもそも熟年離婚の場合、たいがいゴネるのは夫の側。前編にも書きましたが、妻はよくよく準備して離婚話を切り出していますので、元のさやに戻る気はさらさらないケースが多いです。
年金分割について説明しているのは、私ども社会保険労務士が多いと思いますが、年金の按分割合について合意できなかった場合の調停や裁判については、おそらく詳しくは知らない人がほとんどです(仮に知っていても弁護士法に抵触するため関与できません)。
調停や裁判、さらには離婚に伴う財産分与や慰謝料など、年金分割と必然的にくっついてくるであろう諸問題は弁護士さんの領域ですが、こちらは逆に年金については詳しく知らない人がほとんどです。
したがって、離婚時の年金分割について、付随する他の問題を含めて適切に対応できるのは、(当社のような)弁護士さんとの連携ができている社労士、社労士さんとの連携ができている弁護士さん、FPの資格を持った弁護士さんなど、極めて限られた人となります。
年金分割の専門家を選ぶ際は、このことを念頭に置いておく必要があります。
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山中 伸枝
ファイナンシャルプランナー
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社会保険庁でこっそり試算してもらえます
「年金分割」という言葉をよく耳にしますね。これにより熟年離婚が増えるとか・・・増えないとか・・・
この制度の概要は、婚姻期間中夫が仕事に励み厚生年金をもらえるようになったのは、内助の功のおかげ。だから妻にも夫の厚生年金の半分まではもらえる権利があるでしょ!ということ。
ポイントは、厚生年金部分のみが分割対象。例えば国民年金のみの自営業の夫は分割対象となる年金がありません。
また分割できる年金は婚姻期間中のみ。夫の厚生年金全てではありません。
夫から妻がもらうイメージが先行していますが、妻も働いていたら夫と妻の厚生年金を足して半分こします。夫のものは妻のものではなく、夫婦のものは夫婦のものという考え方です。
あともらえるといっても、妻自身が年金受給資格を満たしていない(国民年金加入25年以上など条件あり)、受給年齢に達していない(現在30歳であればもらえるのは35年後!)と結構知られざるポイントがあります。
一番確実な方法は社会保険庁で聞いてみることです。夫に内緒で、今離婚したらいくらくらいもらえるのか(最も最終的には夫との協議で決まりますが)教えてもらえます。
年金分割のみをあてにするより、再びのシングルを自分らしく生きられるよう、ライフプランをしっかり立て対処した方が賢明のように感じます。そんなときも、ファイナンシャルプランナーはお力になれますよ!
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