避妊手術の時期について

私がまだ学生のころ（昭和50年代）には、ワンちゃんの体が完全に成熟するのを待って手術をするのが一般的でしたので、初回の発情を経験させていました。しかしながら、老犬に多発する乳腺の腫瘍（良性、悪性それらの混合腫瘍）の疫学的調査から、初回発情前に避妊手術を受けたワンちゃんのほうが、有意に乳腺腫瘍の発生が低いということが明らかになりました。最近の獣医麻酔学、外科学の発達から老犬でも十分に手術を受ける事が可能ですが、もし将来的に繁殖の予定がなく（素人はいろんな意味で繁殖しないほうが無難）、避妊手術をお考えならば、初回発情前に手術をお受けになられることをお勧めしています。
手術費用に関しましたは、病院によってずいぶん違います。それは術前の検査、抱えているスタッフ数、手術室の装備、入院の有無が費用の差になって来るようです。術前に十分検査をして、たくさんのスタッフが高度な医療機器を使って手術をするなら、より安全で迅速な手術を提供できるのですから値段は高くなるのでしょう。お値段に関しましては病院に直接お聞きになられるのが一番です。
当院では、下顎の永久歯の犬歯が乳歯の内側に出てきてしまった場合は、なるべき早期に全身麻酔下での抜歯をするようにしています。

井上先生の意見でほぼ答えが出ていると思いますが、若い年齢例えば4,5,6ヶ月齢ぐらいの犬のお腹の中はあまり脂肪がないため、より迅速に安全に手術できることは事実です。またデータ的には3ヶ月齢から手術をしても問題ないというレポートが以前でていたと思います。はっきりしなくてすみません。料金はここの病院に問い合わせてもらった方がいいです。使う麻酔、糸、滅菌の仕方、検査など、随分違います。

避妊手術を受けることはいろいろな病気の予防になります。とくに乳腺腫瘍の予防効果と避妊手術の時期についてはかなり調べられており、初回発情前の手術で99.5%、1回発情後で92%、2回発情後で74%、2.5歳以降の手術では悪性腫瘍に対しての予防効果は無いといわれています。以上のことからできるだけ初回の発情前に手術を受けるようにおすすめします。発情中の手術は絶対に出来ないわけではありません。ただし、出血が多くなったりする事もあるといわれています。出血傾向がないかなど、手術前の検査を受けて、かかりつけの先生とよく相談してください。

乳歯がきちんと抜けないと、永久歯の生えてくるスペースが狭くなり歯並びが悪くなる事が予想されます。また、歯と歯の距離が密になるので歯垢がたまりやすく、歯周病の原因になります。抜歯には麻酔が必要になると思いますので、避妊手術の際に同時に希望される患者さんが多くいらっしゃいます。

もうしわけありませんが、費用についてはこのサイト内ではお答えできません。病院に直接お問い合わせ下さい。