対象:労働問題・仕事の法律
今年度より初めて年俸制となりました。
÷12ヶ月の支給となります。
ただし、今年4月末に出産予定のため
産前休暇10日
産後休暇56日
育休なし
で現場復帰予定です。
この場合、出産一時金申請をしなければ通常通り会社から毎月の給与支払いを受け取って問題ないでしょうか。
saya0707さん
(
東京都 / 女性 / 37歳 )
回答:1件
おめでとうございます。ご出産を控えた大切な時期ですね。
結論から整理すると、「出産育児一時金を申請しなければ、年俸制だから会社から通常どおり給与が出る」という関係にはなりません。
産前産後休業中の給与が支払われるかどうかは、年俸制か月給制かではなく、会社の就業規則・賃金規程・年俸契約書の定め次第です。
まず法律上の原則です。労基法では「ノーワーク・ノーペイ」が原則で、労務提供がない期間の賃金支払義務はありません。産前産後休業についても、「必ず給与を払わなければならない」という規定はなく、会社が有給と定めていない限り、無給としても違法ではありません。
これは年俸制でも同じです。年俸制は「年俸額を何回に分けて支払うか」という支給方法の設計にすぎず、休業中に賃金を払うかどうかとは別問題です。実務上は、「年俸÷12を毎月払うが、産前産後休業期間は支給対象外」「一定割合のみ補償」などを就業規則や個別契約で定めている会社が多く、年俸制=休業中も満額支給、とはなりません。
次に、健康保険の給付との関係です。
出産育児一時金(原則50万円超)は、出産費用の補填として健康保険から支給される一時金で、申請するかどうかは会社の給与支払いとは無関係です。申請しなければ、単に国の給付を受け取らないだけになります。
一方、出産手当金は「産前産後休業中に給与が支払われていないこと(または支給額が一定未満)」が要件です。もし会社が産前産後休業中も年俸を満額支給する場合、出産手当金は支給されない、または差額調整のみになる可能性が高いです。
ご質問の「申請せず通常どおり給与でよいか」という点についてまとめると、
・出産育児一時金を申請しないからといって、会社が給与を払う義務が生じるわけではない
・産前10日・産後56日を休業として扱う限り、賃金の有無は就業規則・年俸契約の定め次第
・休業中無給であれば出産手当金の対象、有給であれば対象外になる可能性が高い
という整理になります。
実務上、今やるべきことは明確です。
就業規則・賃金規程・年俸契約書で「産前産後休業中の賃金の扱い(有給か無給か)」「年俸の減額・日割りルール」を確認してください。その上で、人事・労務担当に「産前10日・産後56日の賃金計算方法」「出産手当金は対象になる想定か」を具体的に確認するのが安全です。あわせて、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)の案内で、出産育児一時金と出産手当金の申請条件も確認しておくと損がありません。
補足
補足として、産前産後休業の法的性質も整理しておきます。
産前休業は「権利」であり、本人が請求した場合に会社は就業させてはいけない、というものです。請求しなければ出産直前まで働くこと自体は法的に可能です。
一方、産後休業は原則として出産後8週間(56日)就業禁止で、特に出産後6週間は例外なく働けません。産後6週間経過後に、本人の請求と医師の許可があれば限定的に就業可能、という位置づけです。
つまり、「産休=全部義務」ではなく、「産前は任意」「産後は就業禁止=実質義務」と理解すると、制度全体の整理がしやすいと思います。
回答専門家
- 國本 康秀
- (転職コンサルタント)
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