対象:独立開業
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結婚し、今後フランスで暮らしていく予定です。
フランスに移住後、生活が落ち着いたら日本に向けて個人的に小さな輸入販売のネットショップを開いていきたいと思っています。
現時点で販売したいと思っている商品は、紅茶やハーブティ、蜂蜜や日本で手に入らないフランスの調味料などを考えています。
住民票も抜いて、フランスで個人事業主として開業したいのですが、日本に向けての輸入販売をする際、日本側にも提出する書類などはあるのでしょうか?フランスで銀行口座を設立し、クレジット決済の販売を行っていこうかと思っています。
フランスサイドと日本サイド、どちらの情報をメインに調べたら良いのでしょうか?
全てが手探り状態で、どこから調べて良いのかもわからない状態です。
アドバイスいただけたら嬉しく思います。
Comesさん ( 栃木県 / 女性 / 33歳 )
回答:1件
フランスからの食品輸入・販売に関する手続きを確認しましょう
Comesさん、こんにちは。フランスからのネットショップを通じた紅茶、ハーブティ、蜂蜜、調味料の日本に向けた輸入販売と手続きに関するご質問ですね。色々な要素がある質問ですので、主な要素ごとに少しずつ回答していきます。
1.フランスからの輸入
・外国からの輸入ですので、相手の国の貿易制度の影響を受けます。フランスが定める貿易管理制度では、オンラインによる通関情報処理システム「DELTA」を使用した電子通関手続きを基本に、インボイス(送り状)、パッキング・リスト(通関検査を容易にし各貨物梱包の中身を識別するための書類)、船荷証券(B/L)などの手続きと関係書類が必要です。まずは、ジェトロ(日本貿易振興機構)、同パリ事務所やミプロ(一般財団法人対日貿易投資交流促進協会)などにフランスからの輸入が規制されている品目、手続きなどを問い合わせてみると良いでしょう。また、事業の拠点がフランスとなりますので、Comesさんがフランスの法規に従って開業届を提出する必要もあります。
2.紅茶やハーブティ、蜂蜜や日本で手に入らないフランスの調味料の輸入
・食品の輸入は「食品衛生法」などに基づいた届出などが必要になります。ただ、フランスから日本の消費者に直接販売する場合には、消費者が個人輸入をすることになるため、Comesさんが輸入の許可を得る必要はありません。個人輸入の場合、個人の使用目的ならば、届出の必要はありません。ただ、輸入時には数量規制などがあることをネット販売時に注意喚起する必要があるでしょう。一方、お客様が販売目的の場合には、品目によっては、食品衛生法(農薬残留基準)に基づく輸入手続きのほかに、植物防疫法(香辛料)や家畜伝染病予防法に基づく検査や薬事法の規制対象になります。いずれにしても、ジェトロやミプロに品目別に確認してください。
3.食品の販売
・ネットの販売も基本的には食品表示法(JAS法で定められていた原材料名、内容量、原産国名等の食品の品質に関する表示)、資源有効利用法/容器包装リサイクル法、健康増進法(エネルギーや炭水化物など健康に影響する栄養成分表示)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に加え、自治体の定める条例(東京都の場合「食品製造業等取締条例」)により表示内容や規制対象商品が定められていますが、詳細を確認するにはジェトロに加え、東京都福祉保健局や最寄りの保健所に相談することをお勧めします。
4.ネット上での物品の販売
・オンラインショップを開くための届け出は必要ありません。但し、通信販売を行う販売業者は、特定商取引法の規制などを受けます。よってサイトの開設に当たっては責任の所在を明確にするための特定商取引法の表示義務(販売価格、送料、屋号、代金に支払い時期、商品の引き渡し時期、事業者の住所・電話番号など)、個人情報保護指針(プライバシーポリシー)など考慮し、ホームページに明記する必要があります。また、日本の消費者にとっては個人輸入となりますので、日本で輸入が禁止されているものや、輸入が規制されているものを販売しないように注意する必要があります。なお、ご家族などの承認を得て、日本在住のご家族などの住所を併記しておけば、お客様の苦情やトラブル時の対応になりますし、お客様に安心感を与えることになるかと思われます。
5.その他(関税など)
(1)関税については、商品を日本へ発送する際、Comesさんには日本の輸入に係る申告や税金の支払いは発生せず、商品を受け取るお客様が個人輸入者として関税と輸入消費税を支払う必要があります。関税に関しては、品物ごとに税率が細かく決められています。但し、お客様の購入商品の合計が1万円以下(手数料・送料を含む)の場合は免税となり課税されません。一般貨物や郵便小包を利用したケースで課税価格の合計が20万円以下の場合簡易税率が適用されたりします。税関に商品を具体的に説明してご確認ください。
(2)税金については、非居住者であっても、日本国内の源泉所得については納税義務があります。国外源泉所得については納税義務はありません。ただ、Comesさんは住民票を抜かれ、国内に恒久的施設(支店や在庫管理者、代理人など)を持たず生活および業務上の拠点が海外にありますので、フランスでの申告になると考えられます。なお、国により異なる可能性がありますので、フランスの税規則を確認しておく必要があります。届出などに関しても、それぞれの国の規則に従う必要があります。海外の情報については、ジェトロや海外事務に詳しい税理士や弁護士にご相談ください。
(3)通販の支払方法は、国内外を問わずクレジット決済が主流になっています。Comes さんのようにクレジット決済をネットショップに導入する場合には、ショッピングカートのシステムとクレジットカード決済代行会社があらかじめ接続できることやクレジットカード決済代行会社と契約することが求められます。また、海外在住者は日本のカード決済会社と契約できないほか、海外の決済代行会社と契約すると表記が外国語になったり円の決済ができなかったりとユーザの利便性が悪い場合がありますので、フランスでの金融機関やクレジット決済代行会社などに確認ください。なお、ご参考までに代金を日本のお客様から銀行振込みで回収する場合は、海外の銀行口座は原則使えません。仮に日本に個人口座がない場合(住民登録が条件)、例えば、日本にお住いのご家族などの名義で日本に口座を開設するという方法も考えられます。
いろいろとやるべきことがありますが、フランスと日本の両サイドの制度上の手続きの確認に先だって食べ物を扱う業者としての責任を持ち、お客様の安全を第一に考えましょう。Comes さんのご成功を心よりお祈りいたします。
関連サイトを以下補足しておきます。
リンク:日本貿易振興機構(ジェトロ・貿易投資相談窓口)http://www.jetro.go.jp/services/advice/
リンク:ジェトロ・パリ事務所
https://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/fr_paris/
リンク:特定商取引に関する法律
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/
リンク:一般財団法人対日貿易投資交流促進協会(ミプロ)
https://www.mipro.or.jp/index.html
リンク:東京都福祉保健局:新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kyoka/jpn.html
リンク:税関
https://www.customs.go.jp/
評価・お礼
Comesさん
2021/05/25 22:47小松様、回答ありがとうございます。
頂いた回答を何度も見直して、わからない専門用語などを調べている最中です。この回答を参考にし、ゆっくりですが企業に向けて頑張っていきたいと思います。もしまた不明点などがありましたら、質問させてください。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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