対象:会社設立
初めまして。
大阪の高校に在学している者です。
授業の一貫で「貧困環境で育ったことによる収入格差を減らすためにできること」についてグループで探究しています。
私たちは解決策として、"最終学歴の差が収入の差に影響する"という統計から、下記のような要素のある「新しい高等学校」の建設を考えました。
〈新しい高校〉
・国公立で学費が安い
・高校に入学しやすい(→貧困家庭では小中学生の頃から学力が低い統計があるため)
・単位制(→家庭の事情で登校できない生徒もいるため)
・専門分野を学べるコースがある(→就職しやすくするため)
・午後は提携を組む店舗で実習授業(→中卒では雇われにくいため、提携を結ぶ店舗で実習しつつ働いて給料をもらえる)
ここで2つ質問があります。
1、このような高校を国公立で建設する事は可能なのでしょうか?
2、この案で貧困による収入の格差を減らすことは可能だと思いますか?
また、この案の欠点があれば教えて頂きたいです。
稚拙な質問ではありますが、ご返答の程宜しくお願い致します。
タムラさん ( 大阪府 / 女性 / 17歳 )
回答:1件
ご質問いただきありがとうございます
株式会社アースソリューションの寺崎と申します。
17歳にしてこのサイトをご覧になり、かつ素晴らしい研究をされていること、心より敬意を表します。本当に素晴らしいと思います。
ご質問の内容について、まず私なりの意見を述べさせていただくと・・・
1、国公立学校として整備することは、今の法制度ではできないと思います。
これを可能にするには、法律を変えないといけません。
私は教育の専門家ではないので、細かいところまではわかりませんが、国立の学校を設置できるのは「国立大学法人」のみです。公立学校の場合は「公立大学法人」のほか、都道府県・市区町村・特別地方公共団体にのみ設置が認められております。
民間がこれを行う場合は、学校法人を設立して「私立学校」を設置するか、文部科学省管轄外の学校(専修学校・各種学校)を設置することになります。学校法人であれば、国から補助金等が支給されますが、文科省管轄外の学校ではそれもないと思います。
従って、現行の法制度のもとでは、なかなか難しいと思います(あとの文章をご覧ください)。
2、法律が整備されることが大前提です。
案自体は大変素晴らしく、皆さんでお考えのこの案が実現できれば、多くの貧困家庭のお子様や精神面に不安なお子様でも、より高い教育を受けるチャンスがあると思います。
3、欠点というわけではありませんが、日本は一応法治国家であるため、法律に基づかないことは行えません。
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ご質問にひとまずお答えした上で、下記の文章をご欄いただければと思います。
貧困問題は非常に深刻です。
先に示した通り、家庭の所得格差と教育は、強い関係性があると思います。
おっしゃる通り、高等教育を受けている方は収入が高い傾向があり、いわゆる学歴の低い方は所得が少ない方が多い傾向にあると思います。
しかし、これはあくまで「傾向」であり、すべての方がそうであるというわけではありません。
最大の差は、「学歴(教育)=将来の選択肢」ということかと私は考えます。
残念ながら、職によっては学歴制限のあるもの(例えば教員、医師等)が存在します。
大卒でなければ就けない職はありますが、中卒でないと就けない職というのは聞いたことがありません。
公務員も、大卒相当で入職した場合と高卒相当で入職した場合とでは、給与が違います。
このように、「学歴の差=収入の差」というのは否めない事実であると思います。
もちろん、学歴が高い方ではなくても、高収入を得ている方はたくさんいらっしゃいます。
それは「特殊な技能を有している(芸能人・スポーツ選手等)」か「人がやらない(かつニーズがある)ビジネスを行って成功した」人だと思います。
こういった技能は、少々の努力ではどうにもならない部分があります。
すべての方が持ち合わせているわけではないため、今回の話からはあえて除外したいと思います。
前置きが長くなりましたが、ご質問者がお考えの案を、行政がどのように認識して下さるかにかかっていると思います。
先程も申し上げた通り、日本の貧困問題やそれをきっかけとした教育問題は、非常に深刻です。国民の教育水準が下がれば、国力が下がります。日本国民が高い教育を受けた結果、付加価値を生み出して国力を上げることにより、日本経済は維持向上されるわけです。
少子高齢化が進み、これから日本は確実に人口減少に転じます。
新型コロナの影響で、2020年の日本の出生数は約85万人とのこと。今年の新成人が約122万人と言われていますが、この人数でも人口減が止められないのに、昨年の出生数85万人というのは非常に深刻な問題であります。
このように、日本は確実に人口が減っていきますので、今の日本経済と同じ水準を維持しようとすれば、AIやICT等のテクノロジーを使って新しいビジネスを創り、付加価値を生み出さないとどうにもならないわけです。
そのためには、日本国民にできるだけ高い教育を受けていただくこと。これは絶対に必要なことだと思います。ですので、私はご質問者様のお考えには賛同いたします。
しかしながら、法律の壁があります。
もし、ご質問者様が本気でこれを進めていこうとお考えならば、下記の行動を起こされてみてはいかがでしょうか?
・ご質問の内容を、「事業計画書」のような形でまとめる。
・それをもって、議員さんに会って説明する。
・学生(大学生や高校生)のビジネスコンテストのようなものがあるので、それに応募する。 等々です。
議員さんに面会する理由は、議員が地域の代表者だからです。
議員さんに話をしていただき、共感していただければ、もしかしたら議会で取り上げてくれるかもしれません(可能性はゼロではないと思います)。
行政を動かすには、こういう行動は必要だと思います。
また、ビジネスプランコンテストの事例として、こんなものもあります。
「日本政策金融公庫 想像力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」
https://www.jfc.go.jp/n/grandprix/
こういう場で、あなた方のプランを発表するのです。
すぐに結果が出るわけではなくても、こういう行動を起こすことが第一歩かと思います。
世の中の成功者の多くが、苦難を乗り越えてビジネスを展開され、今の地位を築かれているのです。
生意気なことを申しまして、大変申し訳ありません。
ご質問者様のお考え、本当に素晴らしいと思い、私も見習わなくてはならないと思っております。
授業の一環とはいえ、これだけ素晴らしいプランをお考えになれるのですから、個人的には大学の経営学部や商学部等に進学していただき、もっと深く研究していただたいな、と勝手に考えてしまいました。申し訳ありません。
研究内容を論文発表したり、民間企業に出して巻き込むというのも、大きな山を動かすきっかけになるかもしれません。
まとまらない回答で申し訳ありません。
新型コロナ感染拡大で大変な状況ではありますが、ご質問者様の学校生活が充実したものとなりますよう、微力ながらお祈りいたします。
評価・お礼
タムラさん
2021/01/06 22:02この度はとても丁寧なご回答をありがとうございます。詳しいご説明に加え、案の発信方法も記載してくださった事、心から感謝致します。
今回頂いた貴重なご意見も参考に、法律面にも目を向けたより深い探求を行いたいと思います。
回答専門家
- 寺崎 芳紀
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします
有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。
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