対象:住宅設計・構造
回答:5件
無垢構造材の割れと強度
横浜の設計事務所です。
木構造振興団体からでている強度実験データハンドブックから解説を転載します。
製材品の材面や木口面に生じた割れ(貫通割れや内部割れを除く)は、曲げ、圧縮、引張等の強度低下の影響はほとんどありません。
スギ芯持ち正角材を用いて力学的性質に及ぼす干割れの影響を調べた結果、材面の干割れ量と曲げ強度、ヤング率とに相関関係は認められていません。
(中略:JAS規定では貫通割れのみを問題にしている点に触れ)
これらは繊維に沿って生じた「材面割れ」は、背にの連続性を大きく断絶することがなく、軸(繊維)方向に作用する曲げ、引張り、圧縮等の応力に対して、強度の低下要因に当たらないとする考え方に因ると思われます。
主に割れが問題になるのは、現しで使う場合の「見た目」であり、そのような場合は背割といって見えない面にわざと溝を切ったりします。もちろんそれによる強度低下はありません。
むしろ通し柱に梁を差し込む時に、柱にいくつもホゾ穴を作ることによる断面欠損のほうが強度低下としては問題が大きいです。105角の柱だと、大工さんがそこをもって持ち上げただけでポッキリという場合があります。(強度を落とさないやり方はありますが)
木は生き物の体です。割れも歪みもそれぞれの個体の個性です。
それを上手に使ってあげるのが「家を建てる」ということです。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
補足
「材面割れ」は背にの連続性 → 「材面割れ」は繊維の連続性 の間違いです。
ちなみに背割は木の中の応力を解放して割れを抑制する工夫です。
多少形や色の悪い野菜を消費者が敬遠する為に、本当は美味しくて栄養のある野菜が安く手に入るのを消費者自身が阻害しているような事が家でも起こってます。
フィンランドと同じくらいの世界一の森林率である日本が、使用する木材の8割を輸入しています。
それらの殆どはホワイトウッドと言う構造材には適さない木を接着剤で固めてなんとか使えるようにした集成材です。
安い木であるのと集成してるのでひびは出ません。儲けとクレーム対策です。
でも本当は国産の杉や檜を使った方が遥かに良い上に値段も全体としてはそう変わらず、そうする事で山の手入れが出来るようになり国土環境も守る事が出来るのです。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
富士北山の木で家を建てませんか
富士の裾野で育った産地直送の天然乾燥無垢材を使って、エコで健康的な家造りをしませんか。無垢材対応金物工法・特殊ビスによる5倍耐力壁で、耐震等級3でありながら風と光が通る大開口をもつパッシブデザインの家がリーズナブルに建てられます。
小松原 敬が提供する商品・サービス
専門的な知識をもって計画しましょう
天然乾燥の地域木材で耐震等級3がとれる木材を産地直送で使用
坪山 利明
ハウスリフォームアドバイザー
-
芯持ちの無垢材なら問題ありません。
初めまして。ホームトラストの坪山と申します。
ひびの入り方にもよりますが、箇所が端と云う事ですから、。檜や杉の無垢柱なら問題ないと思います。乾燥させてますから、梁や柱にひびは多少入ります。ひび入りの方が堅い木である場合もあります。無垢の木は生き物ですから乾燥してくると起きる現象です。
ただ、集成材の場合でしたら話は別ですが、、。
山根 存
建築プロデューサー
-
状況によっては重大な問題!
その住宅ごとに構造の計算を根拠に各所への力負担が柱ごとに振り分けられています。その力の分散は場所により余裕のあるところもあれば、ギリギリのところもあります。
解析結果を見ないと分かりませんが、ギリギリだったら大変ですね?
最近の木造住宅に用いられる構造は,コスト戦争も相まって 限界競争的なところが見受けられ、とてもハラハラが見受けられます。
私たちの使っているティンバーフレームを参考にご覧になってください。欧米に息づく伝統工法です。
無駄に大断面の資材を使っているわけではありません。
パット見で頑丈だな、不安定を感じるな、など見た目の感じと解析計算結果はほぼ同様の結果です。
人間の五感に素直になることも、失敗を避ける大きな方法だと言えます。 では
中舎 重之
建築家
-
木造2階柱のひび割れ
問題のひび割れの柱にスジカイや構造用合板を取り付く構造用の柱ならばNGです。
直ちに、取り替えるべきです。
そうではなく、間仕切りの為の仕上げ用の柱ならばOKです。
木造在来軸組工法での柱の本数の話です。
床面積20坪の建物の柱本数は、建物の平面が四角形の整形ならば、約66本です。
建物が凹凸のある不整形ならば、約88本になります。
いま、その内の柱の1本がひび割れしているとして、建物全体の危険度を数学的に見れば、
四角形ならば1/66。 凹凸形ならば1/88と柱の本数が多い方が安全に見えます。
地震のない状態ならば、1/88が安全ですが、建物が地震の直撃を受けると安全なのは、
平面が四角形の1/66のほうが、より安全になります。
20年前の阪神淡路大震災にて、凹凸が多い建物ほど被害が大きい結果が出ています。
すなわち、建物の出隅、入隅の箇所で損傷が多く発生した事によります。
建物の平面が四角形が、コストも安く、丈夫である事が実証されています。
静岡県は、東海地震M8.0クラスの巨大地震が、起きる寸前です。
お客様の建物の計画や、設計はこれからであるならば、丈夫さを、第一に考えて下さい。
阪神淡路大震災は、M7.2と言われ、地震は小さ目でした。
マグニチュード(M)が1.0違えば、地震のエネルギーは32倍になります。
2015.2.9 中舎重之 Fax:046-263-9324
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング