対象:人材採用
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中小規模の物流会社の人事を担当しています。
毎回いくつかのフリーペーパーに配達員のアルバイト募集を出しているのですが、弊社は給料や待遇が特に良い訳ではなく、労働時間も長くてこれといった売りもなく、反響は芳しくなく、いつも人手不足です。
上司からは取り扱っている荷物が他社と比べて小さいのでラクであることや、午前と午後の部が選べることや、日給制であること、適度な運動になることをアピールしろと言われます。
しかしアピールしても反響は変わらず、日給制と詠っていても実際は就業時間までに全てを配り切ることが稀でほぼサービス残業のような形になっており、仕事がキツイとやめる方も多いです。
弊社独自のサービス内容を書いて将来性をアピールしたり、「成長企業です!一緒に頑張りましょう」「優しい先輩が教えます!」などの熱いメッセージを書きましたが、問い合わせは来ても応募には至らないか、採用できてもキツいとすぐにやめられてしまいます。
フリーペーパーに載せる以外に出せる予算はないと言われています。
他にできることがあれば教えてください。
ルーさん
回答:1件
アルバイトの募集と定着化について
ルーさんはじめまして。
アルバイトを増やすためにはどうすればよいか、というご質問ですね。
アルバイトの数を増やすためには、入ってくるアルバイトの数を増やすか、やめていくアルバイトの数を減らすか、の2つのアプローチがあります。昨今の人手不足の経済環境を考えると、どちらか一方ではなく、両方から考える必要があります。
つまり、次の施策を両方、検討してみてはいかがでしょうか。
1.採用の手段を広げ、アルバイトの採用人数を増加させる。
2.アルバイトが定着するような制度や環境を整備し、アルバイトの離職人数を減らす。
まず、1.について、いくつかの方法をご説明します。
あらたにコストをかけることができないとのことですので、コストのかからない以下の方法が考えられます。
・ハローワークに求人を出す
・フリーペーパーの訴求内容を見直す
・自社ホームページやSNSを活用する
・既存のアルバイトからの紹介や口コミを醸成する
ハローワークは無料で広範囲に求人が出せますので、費用対効果を気にせず、採用の間口を少しでも広げることができる方法かと思います。
アルバイトは一般的に、自身のライフスタイルにあった仕事を探しています。住まいが近い、空き時間が合う、経験を活かせる、等です。必ずしも仕事内容や賃金にばかり左右されているわけではありませんので、そういった点を遡及するような求人広告になっているか、見直してみてはいかがでしょうか。例えば、コストをかけて必要以上に広範囲の地域に求人を出していないか、等です。
自社のホームページやブログ、Facebook等のSNSをされているようでしたら、そのような媒体でも求人の記事を載せ、少しでも求人していることを露出していくことで、採用の間口を広げるのも手かと思います。
最後に、2.にも関係しますが、アルバイトが現在の仕事に満足し、積極的に仕事をするようになると、周囲に自分の仕事を紹介する傾向があります。アルバイトの周囲には同じようなライフスタイルの人が多いと思われますので、ライフスタイルを重視して仕事を見つけようとするアルバイトの募集には、その会社で働くアルバイト自身の口コミの影響は高いと考えられます。
次に、2.について、アルバイトの定着化を考える上で、「衛生要因」と「動機付け要因」という考え方を元にして説明します。
「衛生要因」とは、仕事をする上で不満の防止には役立つものの、満足をもたらすための要因にはならないものをいいます。
例えば、ルーさんが求人広告に掲載した「成長企業」であることや「優しい先輩」がいることは、働く上でモチベーションや満足感の向上にはつながりません。一方で、先行きがない企業や先輩が優しくない場合、不満が一気に高まることとなり、離職する要因に直結します。
つまり、これらの要因は働く上で最低限必要な要素であり、これらを求人広告でうたっておきながら、実際には違う職場環境であれば、ますますアルバイトの離職を加速させることになります。サービス残業や労働内容に見合わない日給も衛生要因が満たされないケースとなります。
そのため、求人にあたって、採用したいからといって求人の段階で実際とは違う事実を並べて、働き始めた後にそのギャップを痛感して離職してしまうということは避けるべきです。求人広告はもちろん、入社や教育にもコストがかかりますから、コストをかけるだけかけてアルバイトがやめてしまうのは、最も損失が大きくなるパターンと言えるでしょう。
現在の求人広告の内容が、ルーさんの会社の事実に沿っているかどうかはわかりませんが、無理のあるキャッチコピーになっていないか、検討してみてください。
また、衛生要因を維持するために、就業時間内で終わる配達量となるように、採用直後に与える仕事量を見直したり、段階的に仕事の量を増やす等の成長にあわせた仕事の割り振り方法などを検討した方がよいと思います。最初は日給に見合わない仕事量で利益率を上げられないとしても、せっかくコストをかけて採用したアルバイトですので、利益を稼げるようになるまで、ある程度の我慢も必要です。
次に、「動機付け要因」とは、仕事によって満足をもたらし、積極的な態度を引き出すための要因となるものをいいます。
例えば、仕事を通じて得られる達成感や、成果を出したことで得られる周囲からの評価・承認、仕事自体の楽しさ、自信の成長を感じる、といったことです。
アルバイトの場合、あまり評価制度や昇進制度といったものは必要ないとお思いになるかもしれませんが、アルバイトの力を最大限に引き出し、1.で記載した口コミ効果を創出させるような状態にもっていくには、このような制度の整備も必要です。衛生要因と異なり、動機付け要因が充実すればするほど、働くことに満足感を感じますので、会社への帰属意識が高まり、アルバイトの定着率も向上することになります。
例えば、同じ配達量でも早く配り終えれば早く帰ってよいとしたり、同じ配達時間内で配達量を増やして時給を上げることを選択できるようにしたりすれば、いかに効率よく配るかを考えるようになり、仕事そのものを工夫して楽しんだり、より高い目標を達成するために配達量を増やすことを自ら望む人も出てくると考えられます。
また、各アルバイトの成果をグラフなどで可視化して共有し、表彰などで評価することで、成果を上げること自体に喜びを見出したり、働き始めた人の目標となったりすることにもつながります。
このように、アルバイトが仕事そのものに工夫ややりがいを見出し始めるような制度を充実させることで定着率も向上していきます。
ここで、定着率を上げるためにアルバイトに成果報酬を導入したり、採用当初に利益率を犠牲にすることは、そもそもコストがかけられないのに、そのような余裕はないと思うかもしれません。
しかし、アルバイトが定着化することで、結果としてフリーペーパーへの求人広告を減らし、何度も採用し直すことによる教育等の採用初期コストを削減しますので、定着化にかけたコストを回収できます。あるいは、作業効率があがることで、少人数でより多くの仕事をこなせるようになり、1人当たりの利益率が向上し、採用に必要なコストの原資をかせぐことにもつながります。
したがって、コストの観点からもアルバイトの定着化を進めることには、メリットがあると考えられます。
上記の二つの施策は独立しているのではなく、2.の効果を上げることで、1.の効果が上がる、またはその逆もあるなど、相互に良い影響を与えられます。コストや社内の制約の関係で、どちらかにしか力を多く避けなくても、それによって他方の施策が実施しやすくなる、ということもあります。
ルーさんがお一人でできることに限りがあるようでしたら、両方を一度にではなく、まずは現在できる事から初めてみる、というスタンスで取り組まれてみてもよいかと思いますので、参考にしてみてください。
ルーさんの成功をお祈りしております。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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