対象:人材採用
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タイトルそのままの質問について回答をいただきたく投稿させていただきました。
弊社は従業員10人以下の小企業で、わたしは1人で総務人事を担当しています。会社創立時から総務・経理の両方を担当していたわたしの前任者が2年ほど前に定年退職しました。わたしはもともと別の業務を担当していたため、総務を掛け持ちする事になり、経理は彼が手配した派遣社員が引き継ぐ事になりました。この派遣社員はスキルが高く、弊社が長年お世話になっている税理士にほとんど頼ることなく、1人でこなす方でした。ただ、元上司が派遣会社に人材をお願いする際に、都合の悪い事はほとんど言わなかったようで、派遣社員は入社した後に知った事も多くそのギャップに不満があった様でした。特に負わされる責任の度合いについて。税務調査の立会いや(税理士も同行)、社長や、役員になっている奥さんの使った経費(完全に公私混同)を会社の経費とするかどうか判定するところまでこの方はやっていました。いままでの税務調査は売上に注目し、経費についてはほとんどチェックしていなかったというのも手伝い、元上司は経費の扱いもあいまい、旅費精算についても経費として当然認められないような処理の仕方をしており悪い習慣がすっかりしみついてしまった後の担当だけに気苦労もかなりあったのではないかと思います。わたしはこの方からいろいろ報告を受けるまで経理の実態を知りませんでした。着任から2年過ぎた後、派遣社員は契約を更新しない事に決め、時間の有余があまりない中わたしは後任を探さなければならなくなりましたので、前例にならい派遣会社にお願いする事にしました。後任が決まって引継ぎの時、前任の派遣社員は「いまさらだけど、この業務を派遣社員にやらせる事自体が間違っている。」と言いました。正社員を雇用しない別の理由としては、社長が高齢の為いつ会社自体が閉鎖するか読めないからというのもあります。後任の派遣社員をお願いする際はこの事は派遣会社に伝えています。わたしは人事雇用の経験がこの様に乏しいので、辞めた派遣社員が言ったことが本当なのか分からず気になっています。後任の派遣社員と契約する際は業務内容を漏れなく記載していただきました。よろしくお願いいたします。
ピ―子さん ( 東京都 / 女性 / 44歳 )
回答:1件
業務継続や内部統制上のリスクがあります
ピ―子さん、こんにちは。
「1人経理を派遣社員に任せるのは間違っているか」に「1.法律の観点」、「2.業務継続の観点」、「3.内部統制の観点」から回答いたします。
1.法律の観点
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」では、第26条で派遣労働者が従事する業務の内容を定めるように規定しています。
前任の派遣社員の場合には、知らされていた業務内容と実際の業務内容に乖離があったようですね。
このような場合、派遣元会社や派遣社員とトラブルになる可能性があります。
後任の派遣社員と契約する際には業務内容を漏れなく記載しているとのことですので、現状は問題ないかと思います。
2.業務継続の観点
ピ―子さんの会社のように、規模の小さな会社では1人で経理を行うことがあります。
このような場合、経理業務を知っている担当者が退職すると会社の経理業務を知る人がいなくなってしまいます。
1人経理を派遣社員が行うこと自体は間違ってはいませんが、派遣社員の契約期間が切れた場合など、派遣社員がいなくなった場合には経理業務を知る人がいなくなるリスクがあります。
この改善策としては、経理業務のマニュアルを用意することが挙げられます。
3.内部統制の観点
1人経理の場合には、不正が行われた場合に見逃してしまうリスクがあります。
ピ―子さんの会社では、これまで経費の扱いもあいまいであったことから、横領や経費の水増し等の不正が仮に行われていても、誰もチェックできない状況だったのではないでしょうか。
この改善策としては、例えば一定金額以上の現金出納は正社員の承認を必要とする等して職務分掌を徹底する方法が挙げられます。
ここからは推測になりますが、前任の派遣社員がおっしゃったのは「聞いていた業務内容と実際の業務内容が異なる」の他に、業務継続や内部統制の観点から「会社の金銭に関わる重要な経理業務を一人の派遣社員だけに任せるのはリスクがある。」との意図があったのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
末筆ながらピ―子さんのご活躍をお祈り申し上げます。
参考URL:
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
http://www.houko.com/00/01/S60/088.HTM#s3
Q&A経営相談室
http://www.tkcnf.or.jp/08keieisha/qa20.html
評価・お礼
ピ―子さん
2015/03/27 15:38小松様、ご回答ありがとうございます。
●確かに引継ぎノートの類いは必要と思います。辞める前に前任の派遣社員が作っているかもしれないので確認してみます。なければ今の方に作ってもらう様にお願いします。
●結論としては派遣社員に任せるのは間違ってはいないという事ですね。質問内容にも書かせていただきましたが、会社の将来が決して長くない状況なので長年勤続希望の正社員を雇う訳にもいかない状況です。前任の派遣社員には嘱託社員という形態で探したらどうかと言われました。その方が適切なのでしょうか。今回人事雇用は初めての経験でしたが、何せ時間の有余もなく、ましてや派遣業界は売り手市場と言われ、困難な状況下で引継ぎ開始日の1週間前に後任が決まるといった感じでピンチは何とか切り抜けましたが、社員を雇わない限りはこのようなピンチは定期的にやってくるという事ですね。
●前任の派遣社員が「責任が重い」を数回口にしているので、派遣社員に任せるべきではないという考えの根拠は恐らくそれなんじゃないかなと思います。派遣社員はあくまでピンチヒッターという役割なんでしょうか?よく、ネット上でも正社員と同等の責任を任されて、みたいなことが書いてあるのを見受けます。
小松 和弘
2015/03/27 18:55ご評価ありがとうございます。
今回のような問題もあるので、会社の重要な業務である経理は正社員あるいは嘱託社員に任せた方がいいかもしれません。応募される方もそれなりの心構えで応募されるだろうし、今回のような問題にならない可能性もあります。
しかし、正社員、嘱託社員として雇用するといっても、期待通りに業務をこなせる人材を雇用できるかどうか分かりません。
派遣社員であっても責任は重くても期待通りに業務をこなしてくれる人材はいると思います。
責任ある業務だからこそ、やりがいを感じる人もいるでしょう。
こればかりは巡り合わせもあるので何とも言えませんが。
今回は、派遣社員が知らされていた業務内容と実際の業務内容に乖離があったようです。
いずれの雇用形態をとるにしても、このような場合、後々問題になる可能性はあるので、入社前の面談では、伝えるべきことを整理し、伝えにくいことでも曖昧な表現は避け、分かりやすい表現で、できるだけ明確に伝えた方がいいでしょう。
また、何かあった際に新しく入社される方に負担が集中しないように、事前に社内で話し合いを持ってみてはどうでしょうか。
また何かご不明な点などがありましたらご遠慮なくご質問ください。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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