対象:心と体の不調
・6 末頃に一度動悸が非常に高まって眠れなくなったことがあり、
・7 月からは心臓が摘ままれるように痛かったり、胸元が掌で圧されるように痛かったり、左足裏が痺れたり、と、身体のあちこちが痛むようになりました。
脈は正常だったので循環器科でホルター心電図なども撮りましたが、まったく異状ないとのことでした。
なので、上記の痛みは自律神経の不調に伴うものではないか…とお医者さんには言われました。
その後は知人の紹介で鍼治療のみ続けています。
・鍼治療を行っていること
・循環器系が特に問題ないようだと当座の一応の結論が出たこと
・軽い運動と食事制限でそこそこ順調に痩せていっていること
の三点で気分的に不安が少し退いてきたようで(?)上記のような痛みもあまり出なくなりましたし、高血圧も内科医から「薬を出さねばならないほどではない」と言われるぐらいの水準に徐々になってきました。
しかし一年弱前に入社した現勤務先の社長のモラハラ(用語の厳密な用法ではないかもしれませんが)が従前酷く、ここ半年余私もすっかり弱り果ててしまっており、パフォーマンスが発揮できていないという状況があります。その背景についての同僚からの疑心の目を晴らすためにも、自律神経失調症なんですと社内公表するのはどうだろうかと考えているのですが、そうすることでのメリット / デメリットを教えていただきたい、というのが質問の内容です。
・現職での社内処遇に不利はないか ?
・現在転職活動中だが転職の成否に影響しないか ? 入社後の処遇に不利はないか ?
・そもそも失調症という診断が明確に下されたわけでもないがそれではダメか ?
以上、よろしくお願いいたします。
Toshiyaさん ( 茨城県 / 男性 / 38歳 )
回答:1件
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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理由を公表することよりも,自分が治ってしまうことが大事です
こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医師法における診断・治療行為は致しません)。
Toshiyaさん,自律神経の不調でいろいろな症状に苦しまれたこと,そして,勤務先の社長のモラルハラスメントに困っていること,大変でしたね。良くここまでの間,頑張ってこられたとねぎらいたいと思います。お気持ちお察しします。
まず最初に,精神医学的な意味から,ストレスからくる不安や抑うつが,自律神経の変調へとつながり,いろいろな症状が出てくることがわかっています。ですから,文面からの情報で判断する限り,社長のモラルハラスメントがストレスとなって,Toshiyaさんの自律神経失調症を引き起こしたとも考えられます(ほかにもストレスが考えられますので,100%全面的にとは言いません)。
ちょっと別な例で考えてみましょう。Toshiyaさんとは別の人が,職場で若年性の認知症にかかり,それが公表されたとしましょう。Toshiyaさんはどう考えますか? 仕事が進まない原因はわかった。だとしても,仕事を普通に任せる訳にはいかないと思いませんか? この人の若年性認知症が治って,ばりばり仕事ができるようにならないと,以前のように普通に対応することはできないと思うのではありませんか。
そんな例を,Toshiyaさんの状況に当てはめてみましょう。そうすると,仮に自律神経失調症を公表したとしても,Toshiyaさんにとってあまりすっきりとした状況にならないように思えます。まして,正式の診断ではない訳ですからなおさらです。逆に今,Toshiyaさんが心配するデメリットの出現する可能性があります。
それよりも,症状が良くなりつつある訳ですから,社長のモラルハラスメントに負けずに,それを吹き飛ばすくらいの勢いで,ばりばり仕事をするところを見せる方が,状況の改善になると思います。転職されるのであれば,なおさら,「立つ鳥跡を濁さず」で今の職場で変に動かない方が良いのではありませんか?
同僚の眼は,人事評価とは違います。本人が気にしなければ,人の噂も75日で消えていきます。Toshiyaさんがしっかりと立ち直ること,それを第一に考えましょう。良い結果となることを祈っています。
聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com
評価・お礼
Toshiyaさん
2012/09/26 09:28国府谷先生ありがとうございます。
「立つ鳥跡を濁さず」はおっしゃるとおりです。
転職先が決まっているなら後先考えず「跡を濁す」のも理屈としてはありかもしれませんが、そんなセーフネットは現状ありませんので、「跡を濁し」たり同僚から距離をおかれるのが決して得策でないというのは判ります。
あとはどんな情動焦点型ストレスコーピングが、問題解決に向かうためのバイタリティを生むのに有効か、というところだと思っていますが…
ともあれありがとうございました。
国府谷 明彦
2012/09/26 11:05Toshiyaさん,メッセージありがとうございます。
Toshiyaさんは,心理の方をよく勉強されているようですね。ご理解は方法論的な意味では大丈夫だと思います。私どもに,うつなどの疾患で来られる男性の方に多いのですが,概念化をして理論で考える方がいらっしゃいます。理屈としてはみなさんOKなんですね。
でも,人間は感性の動物です。「腑に落ちる」あるいは「ピンと来る」ということ,これは「理解できる」「納得する」ということとは少しニュアンスが違います。この差の中にヒントが隠れています。
実行する行動や考え方は同じに見えますが,状況や環境にコーピングとしてどう反応するのではなく,自分がどんな存在であるのか,DOではなくBEの問題なのです。周りにどう思われるかを気にして行動するのではなく,自分を信じ続ける状態にあると言うことなのです。その意味で,感性的に,自分が究極のところで楽にいられる状態を探すと言うことになります。
一般的に多くの方が,ストレスにどう対処するかという行動や方法を一生懸命探されます。実際には,ストレスだけにターゲットを絞るのではなく,自身がどういう状態であり続けるのかというのがポイントになります。バイタリティを生むかどうかはその結果ということになります。その時に,自分が腑に落ちる,ピンと来るような,感性的なものを選び取ってもらいたい。
ジェットコースターを,理論的に位置エネルギーや風圧で計算して乗っているときの対処法を考えることもできます。その一方で,「乗っているときに何となく笑い出したくなる」「乗り終えた後にすっきりする」そんなことを考えながら乗るという方法もある。そんな意味でお話ししました。
(現在のポイント:-pt)
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