対象:法律手続き・書類作成
親の親(自分からみれば祖父母)の兄弟に自分の親が養子縁組をした場合
相続権はどんな順番になりますか?
養親になる人には兄弟がいます。健在です。
子供も孫もいません。
将来的に面倒をみてほしい、財産を残したいということで、養子の話がでてきました。
この場合、自分の親(養子となる人物)だけが相続権がありますか?
逆に、遺言書があれば、養子にならなくても、血縁関係は薄いですが相続は可能でしょうか?
リルルさん ( 東京都 / 女性 / 31歳 )
回答:1件

高橋 恭司
弁護士
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ご指摘のとおりですが、戸籍を確認した方がいいでしょう。
リルル様
こんにちは。ロウタス法律事務所の高橋です。
以下、リルル様の親(養子になる人)をA、リルル様の祖父母の兄弟(養親になる人)をBとして回答します。
1 相続人について
養子縁組後Bが死亡し、BにA以外の子がいなければ、Aのみが相続人です。
ただし、Bが再婚し死亡時に配偶者がいれば、配偶者も相続人です。
また、BにA以外の子がいれば、その人またはその子も相続人となります。私は年間300件ほどの相続事件の相談をうけますが、「相続が始まって戸籍を調べたら、自分には会ったことも聞いたこともない兄弟がいることが判明した。」というのはそれほど珍しいことではありません。
なお、Bに子がいるかどうかは、Bの出生以降の全ての戸籍を取得すれば判明しますが、この戸籍は現状ではBしか取得できないと思われます。心配であれば、Bに戸籍をとってもらうということも考えてはいかがでしょうか。
2 遺言について
相続人でなくとも、遺言があれば遺産を取得できることは、リルル様のご指摘のとおりです。
3 その他
遺言はいつでも自由に取消や書き換えができます。他方、養子縁組は、婚姻のように、一方が他方の反対を押し切って解消できる(離縁する)場合は限定されます。
また、Bの意向は「自分の子として面倒を見てくれる人に自分の財産を引き継がせたい。」というものであろうと推測されます。
そうすると、仮に、Aが養子とならないにもかかわらず、Bが「Aに全財産を遺贈する」と遺言書を書いても、後に、別の人を養子にして、遺言が取り消される可能性も十分あるのではないでしょうか。
そのため、今回の対応としては、「養子縁組と財産取得」をセットにして考えるべきで、そうでなければ、後々思わぬ結果になる危険があると思われます。
評価・お礼

リルルさん
2012/06/04 13:38ありがとうございます。
戸籍は確認しておいた方がいいようですね。
もし、今の段階で、当座の面倒をみる費用(今までも金額は少ないですが何かをしてあげたときなどに多少のお金はもらっていましたが・・・)として、大きな額(基礎控除以上)をもらうと、他人(実の親子であってもですが)なので贈与税がかかってきますよね?
実際は、お世話をするお金なので、預かっていてそこから出すという形になるので自由になるお金ではありませんが、これも法律的には名目はなんであれ、お金の授受があったということで、課税対象になるのでしょうか?それを何かの手続きをとることにより非課税にすることは不可能でしょうか?

高橋 恭司
2012/06/04 15:15「当座の費用に充てるためお金を預かった。」というのであれば、そもそも贈与ではないので、それ自体課税はされません。
ただ、税務署が調査に入ったときのために、「贈与ではなく預かったのだ。」という資料はあったほうがいいです。
具体的には、契約書と専用口座があることが望ましいです。後は、事実として矛盾のないよう、専用口座からの出勤が本人のための出勤であることを示す資料(振込履歴や領収書など)もあるといいでしょう。「
考え方としては、「この資料があれば贈与、この資料があれば預託」といった決まりはないので、前述のように1)約束の内容を示す物(契約書)2)お金の動きを示す物(専用口座とお金の動きを示す取引履歴・領収書など)を可能な範囲で集めることになります。
何かと手間がかかり大変だとは思いますが、養子縁組の件にしても、財産管理にしても、後々余計なトラブルに巻き込まれないように、今するべき手続や準備をしておくことをおすすめします。
(現在のポイント:-pt)
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