対象:新築工事・施工
名古屋市で新築戸建の購入を計画しています。
気に入った場所で土地分譲(建築条件付)をしているのですが,宅地には擁壁があり,地震等が
あった場合,擁壁の改修工事はできるものだろうかと案じています。
状況と質問を以下にしめします。御回答頂けますよう,宜しくお願い申し上げます。
状況
1.山であったところを宅地造成(10区画)しているため,目星の土地は家の南面に4mの擁壁(家からは3.5m離れています。,擁壁の下が新築予定地)
2.家の北面に約3mの擁壁(家から約2m離れています,擁壁の上が新築予定地)
3.名古屋市の開発許可を経て宅地造成に着手
4.擁壁は現場打ちL型擁壁(鉄筋コンクリート),名古屋基準?の擁壁とのこと
5.基礎は深基礎,柱状改良,ベタ基礎の予定
質問
(1)東海地震のような大地震が起きた場合,それらの擁壁は耐えうるのでしょうか。
(2)万が一地震等で損傷した場合,改修工事等は可能でしょうか。家と擁壁の間がそれ程ないので,改修できるものかどうか案じています。
ALTさん ( 愛知県 / 男性 / 31歳 )
回答:3件
竹中健次
建築家
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私が解答することではないでしょうが。
私は,構造の専門家ではないので解答するべきかちょっと悩みましたが?誰も解答していませんので,設計者としての基本姿勢をお話しさせていただきます。
上記質問内容では,解答できる方はいないと思います。
設計に当たって
1:敷地のボーリングデーターが必要です。(最低敷地内で2カ所,サウンデングは,敷地に3Mの高低差がある場合には採用できません)
2:擁壁の,宅地造成時の申請書類一式
3:計画予定の基礎形状の図面及び建物の構造規模
4:建設地域全体の地質資料
以上の資料が最低無いと検討は不可能です。
私が設計する場合にはそのような資料を合わせて,基本設計に入ります。
造成会社で用意していただけるのが基本です。
また,宅地売り買いの重要事項説明書にも添付されるべき内容かと思います。
擁壁の改修工事の可能性
これも,上記内容の資料がないと判断はできません。
解答になっているかは疑問ですが,地震も直下型の場合には何をしても対応はできないと考えた方がいいです。敷地に4mの段差ができる場合もあります。
そういう点を考えると,プロであれば誰も解答できなくて普通だと思います。
評価・お礼
ALTさん
2011/05/13 22:55御回答,誠にありがとうございます。初めての戸建て購入,東海地方ということもあり神経質になっているのかもしれません。直下型地震を考えているようでは,戸建てを買えないですよね。
申請書類一式,造成地の図面等を持って,地元の専門家に伺ってみます。
下大園 幸雄
建築家
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山林分譲地の選択?
ログ家設計の下大園です。
ALT様の地震が有った場合のよう壁の改修について
1、土地の選択 10区画の中で地震リスクの少ない場所は、盛り土が無く切り土の土地が
ベストです。 様壁が、3、4m有る場合は、施工時に相当掘削して施工します。
完成後に埋め土をします。十分な敷き固め作業をしたとしも、埋めた部分と埋めない部
分が生じて地震時に建物が受ける影響が違ってきます。 また、杭打ち作業を併用した
としても同じ影響を受けます。地震とは別に不動沈下の影響も考慮が必要になります。
仮に地震で擁壁が壊れた事態には、建物にも甚大な被害が発生する事が想定できます。
楊壁の影響に左右されない設計の検討も必要になります。参考事例(基礎を地下室とし
て建物を自立させる。) 費用が通常い高くなるのが欠点です。
山林造成で擁壁のある場合は、北側からの擁壁から湿気、湧水の可能性あります。
(コウックリートの壁で大雨等の地下水をさえぎる為です。施工上は水抜施工しますが
完全な排水は難しい気がします。)
リスクを避ける為には、2m以下の擁壁で切り土の宅地が良い。如何しても4mの
擁壁の場合は、2,3年養生して土地が安定してからの施工が良いのですが、
条件付建物の場合は可能かどうか相談する手も有ります。(大雨の時に視察出来ます)
山林分譲地の場合見晴らしが良い反面、地震の被害と不動沈下の影響が受けやすい
事は、十分認知してください。
擁壁が地震で壊れた場合の修復は、かなりのコストが発生しますが、認可を受けた擁壁
は、震度6では壊れにくい。壊れたとしても小さいひび割れが発生する程度と思いま
す。もし震度8,9が発生する場合は、山全体に影響があり想定外になります。
地元の建築士さんに相談されては如何でしょうか。
参考にされてください。
評価・お礼
ALTさん
2011/05/13 23:01御回答誠にありがとうございました。
名古屋市の震災マップによると該当地域は連動型地震で震度6弱とのことで,ひび割れは入るのかもしれませんね。家は大部分(全体の90%)が切り土で,10%程度が盛り土の上に立ちそうな感じです。
土地の養生の件,勉強になりました。工務店に伺ってみてみたいと思います。
加藤 正樹
エクステリアコーディネーター
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名古屋市(宅造用)L型擁壁について
名古屋市タイプのL型擁壁を施工してきた経験からお話しします。推測ですが上述の場所は恐らく名古屋市の東部に位置するのではないかと思います(外れていたらごめんなさい)。一般的には硬い粘土層の地盤です。構造物建設の地盤としては適しています。しかしながら造成は切り盛りをするので該当地が盛土の可能性もあります。以前の状況は開発申請図面を参照すれば分かります。
文面から擁壁が南と北の2方向にありますが前者は他者所有敷地内であり後者(北側)のみが自己所有ではないかと思われます。
名古屋市の鉄筋コンクリート造のL型擁壁についてですが仕様書には設計条件として「耐震設計 大地震、中地震を考慮している」と記載されています。ここでの大地震が東海地震に相当するのかどうかは名古屋市土木局に問い合わせなければ分かりません。仕様基準も神戸の震災後はそれ以前と比べて大幅に厳しく改訂されています。施工者の立場からするともしこの擁壁が損壊(例えば傾く)するなら過去の施工擁壁はもっと危険と言わざるを得ません。
手元の資料によると名古屋市の「見かけ高3m」のベース幅(水平方向)は2.7m、「3.5m」で3.2mです。「見かけ高4m」の資料はありませんが3.6m位の筈です。従って北側は擁壁のベースと建物基礎が0.7mオーバーラップします。建物の水平方向の荷重が擁壁にかからないように柱状改良で回避するのではと推測されます。ただここで懸念されるのはベースに建物の垂直方向の荷重を事前に計算しているかです。「3m」擁壁の地盤調査をしていればいいのですが(義務はありません)。私が去年施工した擁壁はベース上に建物がのるためハウスメーカーは地盤調査をしその結果地盤改良をしました。
「3.5m」以上はベース下の地盤調査が義務なのである意味で安心できます。当然そのデータは有る筈です。北側が埋め立て地でなければそのデータが援用できます。
大地震で想定される擁壁の損壊は具体的には傾くことが考えられます。北側の擁壁が隣地に傾いた場合建物は持ち上げられことになり擁壁の改修どころではありません(建物の方が思いので実際にはあり得ないでしょう)。南側の擁壁の場合、どちらが費用負担をするかの問題もありますが改修コストは新規造成より間違いなくかかります。
多少なりとも参考になればと思います。
評価・お礼
ALTさん
2011/05/16 23:50加藤 様
御丁寧に説明頂き誠に有難うございます。御推察のとおり,名古屋市東部で,粘土質の地盤です。
最近,質問させて頂いた宅地内にて,場所変更を行いました。当該区画は99%切り土で4m以上の擁壁は北面にあり,その上に建物が建つような感じです。以前の区画においても,柱状改良費用は含まれていましたので,擁壁の高さに関係なく,地盤改良を行うかどうか検討しているように思います。
御丁寧かつ,的確な返信を頂き誠にありがとうございました。
加藤 正樹
2011/05/17 21:47評価していただき有り難うございました。
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