対象:独立開業
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はじめまして、よろしくお願いします。
株式会社を設立します。
私を含め3名が出資者(役員)となり株主となります。 いわゆる同族会社で株式すべてに譲渡制限をつけて定款に取締役会の承認が必要であることを記載する予定です。
そこで素朴な質問ですが、もし私たち株主の誰かがこの定款の規則を守らず、株を勝手に誰か外部の人間に売ってしまった場合どうなるのでしょう?
やはりその株を買った人が私たちの会社の経営に入ってくることになるのでしょうか。 もしそうだとしたら、これを防止することはできますか。
ちなみに持ち株の比率は3人均等です。
よろしくご教示お願いします。
jiro222さん ( 大阪府 / 男性 / 38歳 )
回答:1件

後藤 義弘
社会保険労務士
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ご質問ありがとうございます
*回答のポイント
譲渡された株式は会社の株主名簿を書換えてはじめて株主としての権利が主張できます。 /会社法130条
少し難しいかもしれませんが、法的な視点から
(1) 会社 vs 役員
(2) 役員 vs 第三者
(3) 第三者 vs 会社
の3者の目線でそれぞれの取引と権利関係を最高裁判例と会社法に照らしみていきましょう。 (ここで「役員」とは定款の規定に違反し株式を第三者に譲渡した「役員」を指します)
まず(1)ですが、お話のように会社の定款で株式の譲渡に取締役会の承認が必要であることが定められ、''株式の譲渡が制限されている'' 場合に、この定款の規定に違反しその承認を得ることなく株式を第三者に譲渡してしまった場合、その取引は
会社と役員との関係では ''無効''
と考えられています。(後の結論には直接影響しませんが…)
では(2)はどうかですが、結論から言うと
役員と第三者との関係では ''有効''
な取引と考えられています。 つまり、その ''株式は役員の手を離れ第三者のものになる'' ということです。 しかしそうなるとご心配されているように、知らない株式の持ち主が jiro222 さんの会社の経営に入ってくる好ましくない事態が考えられます。
そこで(3)ですが、
株式の譲渡を受けた場合、今度は会社に ''役員名簿の書き換え''、つまり「名義変更」をしなければ会社に株主として扱ってもらえない、結果株主としての権利を主張できないことになっています。 このように会社法は「株式を持っている」ことと、「株主としての権利を主張できる」ことを分けて考えています。
【第三者】
『私はあなたの会社の株式をそちらの役員(株主)の方から譲ってもらいました。 ですから、あなたの会社の株主名簿を書き換えて私をあなたの会社の株主と認めてください。』 / 会社法133条
補足
【jiro222 さんの会社】
『いいえ、あなたのお持ちの株式は譲渡に会社の承認が必要な株式なので、それはできません。』 / 会社法134条
【第三者】
『ではこの株式を買い取ってください。』
【jiro222 さんの会社】
『わかりました。買い取らせていただきます。』 / 会社法140条
(あらかじめ買取人を決めておくこともできます)
という流れで jiro222 さんの会社にとって好ましくない株主の出現を阻止する枠組みが会社法により手当てされており、これがまさに好ましくない株主の出現を防止するという ''譲渡制限株式'' の趣旨でもあるのです。
いずれにしても、jiro222 さんのご心配されているような第三者の経営参画のおそれは上のスキットのように会社法の規制で払拭される仕組みが整っているため心配はいりません。
もし jiro222 さんの会社にそういう第三者が現れたなら、上のようにきっぱりお断りすればよいことになります。
あと譲渡制限株式についてもう一つ注意が必要な点がありますが、これについては誌面の制約上下記コラムへ引継いでおきますのでそちらをご参照ください。
【関連コラム】 ''譲渡制限株式の弱点とその対策''
http://profile.allabout.co.jp/pf/ysc-kaigyou/column/detail/14741
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